すべFが悪い夢だったかのようだ....「瀬在丸紅子の事件簿~黒猫の三角〜」森博嗣(原作)

僕が初めて森作品に触れたのは確か”皇なつき”さんがコミカライズした「黒猫の三角」だった。

まだゲームやイラスト関係でしか皇さんを知らなかったから、森さんだけではなく皇なつきという素晴らしい漫画家を好きになった瞬間でもありました。


そこいらに金田一耕助や明智小五郎が居てもおかしく無さそうなモダンな建物や服装 装飾、更にはボロアパートのディティールまでオシャレにみえて来る時代を、見た目はありがちな連続殺人事件な割に、根っこになる犯人の異常性は現代的で、更には常識外れの場所からパスが飛んでくる森博嗣さん特有のミスリードと共にとても楽しめたのが黒猫の三角でした。


登場人物もまた良かったんですよね。

横柄な態度で好き勝手やっている没落した御家の美人”瀬在丸紅子”

何故かふわふわもこもこした服を身にまとい女装している”小鳥遊練無”

ムードメーカーだけど、浮き沈みの激しいボーイッシュな”香具山紫子”

そして最後の最後で凡庸な探偵の仮面を脱ぐ”保呂草潤平”

他にも紅子の旦那や息子、執事に猫犬まで実に良いカードが揃っていたのです。
CA5DC5C8-6FFD-449F-A37E-B1BFC442A1D5.jpg161842B0-E73A-4985-9DC0-1E269177C80C.jpgBB084771-7C24-407A-B428-BBA68E11C57B.jpg
※麗しい紅子さん
4E7D8F4C-2598-4DCC-BC62-90457EBB9CC8.jpg80C962F1-FA45-452C-AAAA-58318615A8E0.jpgC678C76F-AE29-457C-B0AB-DC47F52126F6.jpg
※漫画版の冒頭の短編で主役を飾る小鳥遊練無は森作品の中でもかなり好きなキャラだ。



今回「すべてがFになる」に続き、”すべてがFになる”の主人公と直接関係のあるVシリーズがドラマ化されたわけですが、配役、脚本、撮影スタイル、どれも概ね納得の行く仕上がりでした。

紅子を演じた”檀れい”さんの成り切り具合はなかなかのもので、彼女の口から原作の名言が飛び出すと非常に心地良いものがありました。また、彼女を支える執事”根来機千瑛”役の長塚さんが良いアクセントになっていて、本ドラマの進行に一役担っていたと思います。原作に無理やり合わせたりせず、原作から独立した2時間ドラマとしてちゃんと楽しめるよう、あちこち改変しているのが功を奏していました。

ただ、ムードメーカーの紫子ちゃんが標準語を話し、あまりテンションが高く無いと言うのと、現代劇にしてしまったから、せっかくのレトロなモダンさが台無しにされていたのが残念でありました。それでなくてもすべてがFになるとの時系列的に合わなくなってしまうから、"もう一つ"の楽しみ方が制限されてしまうのが勿体ない。せっかく「すべてがFになる」を先にドラマ化したのだから、”あの子”が誰であるのかが分かるところまでドラマ化して欲しかった。原作の最後にはあの人も登場するし、合わせて楽しむことで広がる世界観がありますからね。



しかしまあ、元より一冊で事件が解決するシンプルな内容でもありましたから、もしかしたら同じように原作の良さを活かし上手い改変を施して続編を作るなんてことがあるやもしれないし、その時は是非観たいと思わなくもない。

僕らはちょっと原作や皇さんの美麗な漫画によりイメージが固定されてしまったからあーだこーだ言ってますけど、本当にドラマとしては良く出来ていたと思います。


最後に、小鳥遊練無という難しい役をかなり良い感じに演ってくれた千葉雄大くんに拍手をおくりたい気分でいっぱいだ(・ω・ノノ゙☆ パチパチ; カワイカッタヨ♡

IMG_6438.JPG
IMG_6441.JPG




この記事へのコメント