合作の落とし穴?「スノーピアサー」ポン・ジュノ(監督)

人類は何度となく滅亡して来た。物語の中で。


まるでそうなることを望んでいるみたいに何度ども何度も。



突飛な宇宙人の襲来で


少しリアリティのある天変地異で

地球規模のパンデミックで


ときには巨大ロボットが宇宙ごと滅ぼすなんてこともあった....




本作もそんな人類滅亡を描いているわけだけど、その理由が温暖化を防ぐ為に地球を冷やそうとして散布したよくわからない物質が、張り切り過ぎちゃって氷河期になったというマヌケな話で、この時点で笑ってしまったw


しかも何をどうメンテナンスしているおかげなのか、地球が氷に閉ざされてから17年間も動き続けている列車で人類唯一の生き残りが生活しているという設定があまりにありえない話で開いた口がふさがらない。





その列車では、階級制を強いて先頭車両に近ければ近いほど良い生活をしていて、最後方の車両の連中はゴミ屑同然に扱われていた。風呂には入って無さそうだし服はズタボロ。食料は配給制の羊羹みたいな真っ黒の合成されたプロテイン。まるで家畜小屋だ。

家畜であるからには、『必要』なときに否応無しに連れて行かれる。何をさせられるのか分かっている者もいれば、理由も知らされずに連れて行かれる子供もいる。

そして、もしも逆らえば零下何度ともしれない外界がどれだけ恐ろしい場所なのかを、その身をもって思い知らされることになるのだ。


そんな酷い環境の中で育った反感の種が開花し、主人公たちは先頭車両を目指して反乱を起こすことになるのだが、その道すがら目にする車両環境が面白い。プロテインの生産工場、果樹園、そして水族館の水槽トンネルのようなセクションや学校・サウナまであり、まさかの黒人がやってる寿司屋の車両まである。こんな列車で旅行が出来たら退屈はしないことだろう。

だが、「面白い」と思えるのはそこまで。反乱を鎮圧しに来た連中との死闘などの派手なシーンもあるが、物見遊山しているだけの時間が多く正直ダレる。おかげさまで抑圧する者される者、そのどちらもがマヌケに見えてしまって全然自体の深刻さや悲哀を感じられなかった。人類が氷河期の到来により死滅するまでの道筋や、主人公が過去に背負った大きな罪など、大事な肉付け部分がほとんどモノローグでしか語られないのもイマイチ。

ガンダムのコロニー"スィート・ウォーター"じゃないが、入れ物さえ作ればそれであとはなんとかなるという製作陣の安易な考えが透けて見える内容でした。もっと人間ドラマに重さが欲しかったです。

いっそもっと難しいことを切り捨てた、おちゃらけた内容にすれば、泣き笑い出来る映画になったかもしれません。米・韓・仏の合作ってのが悪かったのでしょうか?ポン・ジュノ監督の「母なる証明」や「殺人の追憶」が好きだったので、本作の中途半端な人の業の描き方は面白くありませんでした。

(;´Д`)<擦り合わせ大変だったんでしょうけどねぁ....




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