ジョジョのオラオラ状態な女子の美技に酔えっ『タイピスト!』レジス・ロワンサル(監督)/フランス/2012年

 月並みな言葉しか出て来ないほど面白かった♪



 田舎娘が良くかかる都会への憧れ病を発症し、親の決めた縁談から逃げて秘書の仕事をゲットするも、秘書としての才能はからっきし。電話の応対も書類整理もてんで駄目。試用期間の1週間でクビは確実だった。

 ところがその娘、人差し指しか使えないのにタイプライターを打つのは鬼のように速く、それをまざまざ見せつけられた雇用主のルイは、彼女にタイピストの大会に出ることを条件に秘書として本採用することを決め、二人三脚で大会制覇に向けて特訓を開始。

 10本指で打つ練習の為にそれぞれの指が分担するキーと指の爪に同じ色を塗ってみたり、ピアノで指の柔軟性を鍛えてみたり、最後にはお約束のランニングで体力作りまで始める始末。しかし厳しい特訓の甲斐あって、フランス代表にまで彼女は上り詰めるのだが.....






 田舎娘のサクセスストーリーで、完全に今の日本では失われた懐かしのドラマやアニメを匂わせるコーチと選手のすれ違いスポ根でありました。ちなみに二人は紆余曲折の果てにしっかりと結ばれハッピーエンドに終わる。

 もう兎に角1950年代のフランスの洗練されたファンションを見てるだけでなんだか幸せになれる映画でした。OPも当時のフランスのおしゃれな広告を見てるようで素敵だし、監督の指示でオードリー・ヘップバーンの立ち振舞を身に付けろと言われたヒロイン”ローズ・パンフィル”を演じるデボラ・フランソワの素朴で肩肘張らない笑顔が可愛らしくてたまらない。

 本当は惹かれているのに臆病風に吹かれ一歩を踏み出せない不器用男ルイも実にフランス人らしい紳士っぷりで愛らしかったです。フランス代表が決まる決勝戦を最後まで見守る度胸が無く会場から退出する姿なんて、女性からしたら”男は肝心な時に逃げる”と一蹴されてしまうところでしょうが、凄く気持ちが伝わって来る良いシーンでした。

 二人が世界大会の会場裏で再会し、世界中の愛の言葉で祝福される終盤も鳥肌物。やっぱりフランスはお金より愛の国なんですね。妬けるよまったくw



 コーチと選手の関係が徐々に男女のソレになってゆく過程も見所だし、当時の流行を二人の心情表現に利用していたり、米仏の違いを嫌味にならない程度にサラッと入れていたのも上手かった。カメラワークや場面転換のテンポも良いから、111分という時間はあっという間。

 タイプライターの大会の話で、そんなに盛り上げられるのかよ?という上から目線で鑑賞したせいもあり、躍動感のあるタイピングシーンの迫力は素直に面白かったです。タイプ音もさることながら、改行したり給紙する姿も実に絵になります。
 
 替え玉無しでタイピングシーンを乗り切ったデボラの役者根性を日本の役者にも叩き込んでやりたい.......




 女性は当然ローズ・パンフィルの努力が実を結ぶ内容に泣いて笑ってついでに怒りつつ素直に楽しめるだろうし、男はルイの不甲斐なさに苦笑いしながらも、ローズの気持ち良い生き方に救われ笑顔を貰えるはず。

 王道に外れ無し。まさにそういう映画ですね♡(= ワ =*)


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 公式サイト http://typist.gaga.ne.jp
 

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