病は身体から心へ

 約1年振りに風邪をひいた。


 いつものように滝のように流れる鼻水から始まり、発熱・頭痛へと移行。

 少しづつ黄緑色をした粘りの強い鼻水と痰が出始め、熱が下がっても今度は就寝中の咳が増えて軽い中耳炎を伴いつつボディーブローのように体力をじりじり奪う。



 本当に何度も何度も味わった症状であり、よほどの体調管理をしている人でもなければ誰でも経験することでもあるかと思う。

 もっと苦しい病も今までにしてきたし、常に何かしらの疾病を抱えている人からしたらお笑い種な程度だが、それでもこんな時は、それなりに気分が落ち込んで良からぬことばかり考えてしまう。


 幾つまで生きられるのか?

 死んだ先に何かあるのか?

 死ぬ頃には死を受け入れる心の準備は出来ているだろうか?

 そして家族や周囲に知られたく無い自分の過去を清算する猶予のある死だろうか?



 生きようとすること=死に向かうこと

 という考え方を捨てられず、止めどもなく不幸に成りたがる脆弱な自分が顔を出す。

 たかが風邪で気分出してんじゃねーぞと苦笑いしつつも、歳を重ねるとそんな弱腰な思考に切実さが増していることに気付き、更に安っぽい不幸の回廊へと突入してしまうのだ。

どうせ足踏みしてても消費する命なら、チンタラ細かいことに悩んでる暇なんて無いはずと割り切れれば、少しは死に向かう道も楽しめることだろう。
無理やり幸せにはなれないが、無理に不幸になる必要も無いのだから。




 この先笑える時間は更に減るだろうと思う。良い意味での諦めが出来る人間になりたい。

 なれるといいなぁ....