古巣の忘れられない味を食べに来た気分♡『ガンダム Gのレコンギスタ』富野由悠季(総監督)/吉田健一(キャラデザ)/安田朗(メカデザ)/2014年/サンライズ/感想

 公式HPで冒頭数分を公開したり、dアニメストアでの先行配信やら劇場での上映などを行い、あちこち大変な盛り上がり方をしているのに、何故か北海道では地上波放送がなされないと言う取り扱いを受けている大作『ガンダム Gのレコンギスタ』が、とうとうBSでも放送を開始したので観ました。






 長い戦いの歴史であった宇宙世紀が終わり、新たにリギルドなんちゃらー(リギルド・センチュリー(R.C.))という世紀が始まって千年以上経っているという正当なガンダムの続編で(お馴染みのミノフスキー粒子や、博物館でザクやジェガンを見掛けるシーン等もちゃっかり入っている)その頃には実現しているかもしれない起動エレベーターが人々の信仰の中心になっているという世界観が面白い。


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独特の形状がどこぞの宗教の建物に見える

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雲の中を通る時の稲光が綺麗だ



 冒頭はイキナリなんのことやら、ガンダムが数機のMSに捕獲されそうになっていて、後で見直さないと誰がどういう立場でMSを追っているのかチンプンカンプン...


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初代で言うところのザク的存在だろうか?名はグリモア

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対照的なオッサン2人渋い♡ただ、2話で.....

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じわじわ来るG-セルフの格好良さは絶妙。設計図通りのキッチリした感じがしない生き物感が好き♡



 それなりに始めは導入部らしく観客と足並みを揃えるように進んでゆくものの、やはり直ぐにテンポが上がってゆく富野演出。近年のアニメには無いこのスピード感は身体に染み付いた懐かしい感覚が蘇るようで小気味良い。ただ、固有名詞とその意味が頭に入って来なくて正直困惑。1度目より少し情報を調べてから観た2度目の方がしっくり来て楽しめた。ただ観ているだけで全てが飲み込める作品も良いけど、自分から調べないと付いていけない作品もまた良しだ♪


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口元が緩い主人公

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宇宙での実習開始を祝う女の子達は富野お得意のチアガール姿。ホント好きよねあの人w

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男共やハロビーも大喜び




 兎に角まず先に目に付く部分のキャラやメカ、美術面のハイセンスっぷりがやはり素晴らしい。昔から尖ったクリエーターを引っ張って来るのが上手い人です富野さん。吉田健一さんの美少女キャラの可愛さは抜群なうえ、オッサンが無茶苦茶渋くて最高です。こんな風に描き分けが出来るデザイナーはなかなか貴重だと思います。安田朗さんデザインの個性的なガンダムG-セルフや、実習機の”レクテン”も徐々に格好良く見えて来ましたしねw


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冒頭でガンダムに乗っていた謎の多い少女ラライヤとお調子者の女子達

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挑戦的な目がセクシーな海賊さん。でもすんなり自分の乗っていたMSの名前を言っちゃうウッカリさんでもある...

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顔ちけーよおっさん.....

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このレクテンで主人公がキラーン☆ってなる↓

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 OPとEDの構成や、目の付け所の違う細かな演出の数々を目にして、富野由悠季が帰って来たなという感慨があるの同時に、一つだけ気になってしまったことがありました。

 いわゆる富野節と呼ばれる、お客に「感じ取れ!」と言わんばかりのセリフが、今回あまりにも端折り過ぎで別人同士の会話に見えません。富野さんの作家性がそのまま反映されているのだから当然統一感が出て当たり前という意見もあるでしょうけど、キャラ1人1人が活きるアニメを作るなら、ゆっくり話す人、足早に話す人、具体的に順を追って話す人、抽象的に話す人など、様々な性格の人が必要だと思うわけなんです。

 あまりにも富野さんの気持ちが先走ったセリフばかりなので、作画での表情作りや声優さんの技量次第で個性が死んでしまっている場面も多く、唯一常に個性的だったのは、言葉を上手く発せられない心が壊れた少女”ラライヤ・マンディ”ただ1人だったような気がします。丁度今BSで再放送中の初代ガンダムを毎週観ているので、G-レコの台詞回しに尚更ギャップを感じて困惑するんですよね......


  

 富野さんくらいの大御所になると、正直YESマンしか周りに集まらない気がするし、本人も自分好みの仕事をする人間しか選ばないのではないでしょうか?周りに自由にアイディアを出させ、それをこうしろああしろと、自分好みに駄目出しをするスタイルで富野さんはやっているそうですが、それって結局自分が食べたい物だけを富野さんが選り好みをして食べていると言うことでは無いだろうか?

 偏食は必ず弊害を引き寄せ、いずれ大きな病巣へと変わります。今回はそれがセリフ回しに現れてしまったような気がするのです。もしかしたら富野さんの意図を上手く解釈出来る脚本家が見つけられなかっただけなのかもしれませんけどね。富野節に慣れているはずの僕がこう感じるということは、若い世代にはもっと難しい演出に思われているんじゃなかろうか?逆に「なんだこれ?おもしれー!!」って、なってくれたら良いですけどw





 そんなこんなで重箱の隅を突きたくなる部分はありましたが、これだけの物量をあの年齢で纏められるバイタリティには頭が下がります。ここまで新しい世界観に出来るのならば、やはりガンダムじゃなくてオリジナル作品をやって欲しい!ていうかやらせてあげたい!!

 富野ガンダムは∀の時、綺麗に完結しているという想いがあるので、今更という気持ちがどうしてもあります。どうせスポンサーや周りがガンダムにしかお金を出さないのでしょうけど....

 そういう意味でいうと、G-レコも良いが2016年公開予定のハリウッドと作る富野作品がどんな物になるかがワクワクしてしまいますね。まだ何を作るのか分かりませんが、単純にガンダムのリメイクだったとしても、「G-SAVIOUR」よりは酷く無いでしょうこの会社相手ならw


『富野由悠季監督、ハリウッド「Legacy Effects」提携会見 - 全文書き起こし ...』





 今回、相変わらずの壊し屋っぷりを良くも悪くも見せてくれた富野さんに、僕以上にあーだこーだと言ってる人も多いですが、こんな好き勝手が言えるのも、こうして富野さんが新しい作品を作ってくれたお陰だということは忘れちゃいけない。

 それに、作品の出来不出来より今まで色んな風景を堪能させてくれた富野さんの健康の方が今では大事に思います。まだまだお元気そうですが、無理せず製作を楽しんで貰いたいですね♪




 (´-`).。oOそれはそうと、山根公利さんがメカデザにクレジットされてるけど、どのMS?それとも起動エレベーターとかの細かいところ?.....





 ガンダム Gのレコンギスタ公式HP http://g-reco.net/

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