華を摘み取る女の本性とは...「そこに薔薇があった」打海文三/集英社/1999年/小説/感想

 いつも打海さんの作品には、色っぽいシーンが付き物であります。言葉のひとつひとつから女性の生々しい裸体を想像させられてしまって毎度モヤモヤするんですよねw

 今回のはその色っぽさが凝縮されてまして、これぞ打海文三と感じる背徳感丸出しの男女がまぐわうシーンはエロスを通り越して芸術の域に達しているように感じました。熱い情事に到達するまでの詩的な流れがとても良いので、その後の濡れ場がひときわ輝いているのかもしれません。打海さんの作品は欧州辺りで出版したらウケが良さそうだ。


 お話の展開としては、主人公(♂)が美しい女性と出逢い良い仲になった途端、その女性に殺されてしまうという天国から地獄な各章ごとの短編スタイルなのですが、実は全ての章のお話に繋がりがあり、ラストまでゆくと「もしかして?.....ハッ!!」と、させられる感じで女性が怖くて怖くて仕方無い作品になってまして、様々なコンプレックスを抱えた主人公達が命を落としてゆく様を見ていると、打海さんが自分自身を罰しているかのような気分にもなりました。



 ミステリーとして読みたかった人、純愛物として読みたかった人、この両者は不完全燃焼なのかもしれません。でも、自分で積んだ積み木を自分の手で壊したくなる打海さんの渇いた衝動が僕は良いなと思うのです。

 何より女性が美しくも恐ろしく書かれているのが良い。このような女性の衝動と男女の関係を、女性自身がどう読み解くのか興味ありますが、やはり打海文三作品は美しい女性に犯されたい願望を心の何処かに秘めている駄目男の為の至宝だと思うので、女性にはオススメしませんねゞ(*ゝω・)ノ


安定の打海ワールド

この記事へのコメント