ジブリのラスボスとはこの人のことだっ

 スタジオジブリには、2人の化物がいる。宮崎駿高畑勲だ。

 作家性こそ真逆に思える両監督だが、子供が泣いたり笑ったり、感情をあっちへこっちへ忙しく動かしてしまうような表現の豊かと、そこはかとないとを混在させた作品を昔から作り続けて来た。


 しかし、彼等の妥協を知らない製作姿勢には、兎に角ベラボーにがかかる。設備運営費から追い込みに入った時の深夜にまでおよんでしまう人件費は当然の事、監督が描きたい舞台にピッタリな場所でのロケハンやら、なかなかやる気にならない高畑さんを遊ばせておく金まで幾らあっても足りない。

 だから、そんな金食い虫達を見事に誘導して来た鈴木敏夫と言う人は、宮崎、高畑両監督よりも化物に違い無い....



 つい先だって、327エピソードにもおよぶボリュームの「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」というラジオ番組をPodcastで全て聴き終えたのですが、だいぶ鈴木敏夫と言う人物の印象が変わりました。元々は巨匠2人にくっ付いているコバンザメであるとか、虎の威を借る狐程度に思っていたわけなんですけど、本当はこの人の客観性が2人の映画監督の作品を支えて来たのだと痛感しました。明らかに傍目から見ておかしい部分を指摘したり、一目でお客さんが興味を持つであろうキャッチコピーを用意して題字を書いたり、どんなに宮さんや高畑さんが怒ることでも、それが作品の為になるならなんでもする男が鈴木敏夫その人なのです。 なんども衝突があったそうですが、鈴木さんの見る目が確かだから宮さんも高畑さんもジブリに居続けているのは間違い無いでしょう。



 いっぺんに聴いたので、同じようなことを何度も何度も話している場面もありましたが、このラジオ本当に面白いです。れんが屋と呼ばれる鈴木さんの隠れ家にゲストが訪れ、脚本の無い会話を始めると言う内容で、鈴木さんの行きつけの床屋さんからジョージ・ルーカスまで、あらゆるジャンルの人が出演するのが特徴的。

 台本が無いため、話もあっちへこっちへ飛びまくるのですが、結局最後は鈴木さんのペースに皆が巻き込まれます。政治的なこと、スピリチュアルなこと、下世話な話やらあらゆる興味へ触手が伸びます。記者魂が根底にある人なんですよね鈴木さん。根掘り葉掘り聞きたがるし、他人がそれほど気にしていないようなことにも執着している。色恋沙汰も大好きだし、血液型にも五月蝿かったw

 鈴木さんもいわゆる団塊の世代なので、勢いばかりの怖いもの知らずでやってこれた人達の1人ではあるものの、昔ながらの良さに凝り固まっているだけの人物では無く、好奇心に溢れ物事の本質が見える柔軟な人物だと思いましたし、ジブリの映画製作の裏側、今の日本や世界のコンテンツの実状などを、そんな鈴木さんの口から知る事が出来るのはとても有益でした。

 無論、彼の言う言葉全て正しいわけでは無いけれど、僕自身が常々感じていることを言葉にしてくれていたのが大きかったですね。凄く良い時間過ごせました。鈴木さんの人脈が広い理由が分かりますね。男が惚れる魅力的なクソオヤジです♡




 収録中、普通に食事し始めるところなんかも、凄くジブリっぽくて面白い「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」。

 あなたもウッカリ鈴木敏夫さんの小言に耳を傾けてみては如何だろう?


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