こんな迷惑な公務員に払う税金はねぇー!w「ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件」/七尾与史/幻冬舎文庫/2011年・2013年/小説/感想

 「死亡フラグが立ちました!」のシリーズで、大いに楽しませてくれている七尾与史さんの同じく代表的作品であるドS刑事シリーズ。何もかも有り得いのが楽しかった死亡フラグ〜と違い、一応ミステリーとしてちゃんと筋が通った刑事物でした。


『静岡県浜松市で、人間が生きたまま次々と焼き殺される、残虐な連続放火殺人事件が起こる。被害者は、元ヤクザ、詐欺師、OL、主婦、歯科医など様々で、何の手がかりもない。それなのに、県警からやってきた高慢ちきな美人刑事・黒井マヤは、殺人現場で「死体に萌える」ばかりで、やる気ゼロ。相棒の代官山脩介は、そんなマヤに振り回されながらも、被害者の間で受け渡される「悪意のバトン」の存在に気づくが―。』
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 ただ、そんな筋道が整った刑事物であっても、七尾さん独特の一筋縄で行かない捻くれ心がしっかり反影されていて、シリアスにすると自身の文章が滑稽に見えてしまって嫌なのか僕みたいなオタクがニヤニヤするネタ(隠れアニメファンの上司が時折口にするセリフ「悲しいけど、これ、◯争なのよね」「にげちゃだめだ!にげちゃだめだ!」等々....がアニオタホイホイ過ぎるw)を個性的な登場人物と共に封入してきます。 おかげで本来なら陰惨な事件でさえ、B級ホラーさながらの軽さに感じ、気持ちの負担も少なく直ぐ消化出来るから本当に読み易い。



 で、今回何がドSなのか?ということなんですが、別にムチでびしびし打ったりするわけではなく、ようはツンデレ美人刑事が被害者も加害者もどうでも良いと豪語し、ただ自分を高揚させてくれる事件現場と死体に執着してるところが、深い意味で(そうでも無いか)恐ろしいドSっぷりなんです。

 一歩間違えるとモラルの問題になって、良く分らない民間団体に怒られそうな言動&行動を取る女刑事だが、操作能力だけはピカイチ。ところが犯人が自分の中で早々に分かっても、次の殺人現場が見たいがために誰にも真相を話さず、そのうえ現場から被害者の”一部”を持ち帰る始末....

 そんな女刑事の不審な動きから、事件解決の糸口を掴めと上司に言われた主人公(ジョニーデップほどでは無いがイケメン)も良い迷惑といったところ。

 でもまあ、少し変(コアなホラー映画やらグロいグッズやらも大好き...)ではあっても美人だし、完全無欠じゃなくて顔に出るタイプだし、こんなお嬢さんに気に入られた主人公がちょっぴり羨ましいかもしれない......w




 ふざけたタイトルだし、犯人や犯人の犯行目的が早い段階で分かってしまうかなりライトな読者向けの作品ですが、陰と陽のバランスが七尾さん上手く、犠牲者ごとの視点で章立てして「こういう人が今殺されました」と言うのを読者に感じされる手法なども面白かったです。

 死体萌えなS女が、この先どんな暴走を見せるのか次が楽しみだわい(・┏_┓・)



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