またかっ!だなんて言わないで♡「神様が殺してくれる」/森博嗣/幻冬舎/2013年/小説/感想

どんなに聡明そうに見える人物でも、どうしてもこれだけは止められないって事の一つや二つあるもので、僕の敬愛する森博嗣さんも救いようが無いほど執着していることがある。触れる事さえ赦されそうにない唯一無二の麗人や、確固たる自我が揺らいでばかりの多重人格者を作品に登場させる点だ。

森さんのデビュー作S&Mシリーズでは”真賀田 四季”と言う森作品の中で1番恐ろしく、1番美しい女性が登場するし、スカイクロラも明言はして居ないがそれらを匂わす表現があった。

他にも短編やシリーズ外の作品で度々、麗人&多重人格者が登場しているので、もうどれがどれだったか思い出すのも難しい...



本作は多重人格とは少し違うわけだけど、正直同じようなものであるし、主人公が惹かれている人物の人智を越えるような美しさ共々、森さんの偏愛というか、拘りというか、実にそれらへの執着が出ている作品になってた気がします。ミステリーとしての驚きはやんわりで、後になって考えると主人公もっと早く気付いてあの人止めてあげろよっ!って内容でした。森博嗣作品特有の「聞かれなかったから言わなかった」という主人公のせいでどれだけ周りを振り回す結果になったことか.....



とはいえ森さんの美しい者を崇拝する感覚が心地良い本作、僕は好きです。

主人公の大学時代に同室だった美しい青年が、付き合っている相手を次々殺され、何度となく続く殺しに警察は魔性の美貌を持つ青年を第一容疑者として考えるようになるのだけど、兎に角男とも女とも思えない美しさを想像するだけで楽しい。

有名人との妖し気な情事

場末の夜の店

女性向けファッション誌の表紙

等々、作中の様々なシチュエーションで美しい青年がどんなプロポーションで、どんな仕草で、どんな表情をみせているのかが気になって仕方無かった。連続殺人事件もただ単に青年の謎めいた美しさを引き立てる添え物でしかなく、萩尾望都作品の信奉者である森博嗣らしい美学が本当に良いです。

それにしても青年がザーラ・レッシュと名乗り女装して写った写真集が見たい。TOYOTAオーリスのCMで有名になったStav Strashko(スタヴ・ストラスコ)より綺麗なんだろうか?.....





美しき狂気に魅せられ続ける森博嗣さん。

「またか」と何度ファンに言われようと、救い用の無い美学に傾倒し続けて欲しいですね (= ワ =*)

ザーラ・レッシュに会いたい....