宇宙世紀ファンの未練が産み落とした隙間産業「機動戦士ガンダムUC」/古橋一浩(監督)/福井晴敏(原作)/サンライズ/2010〜2014年/アニメ/感想

 1979年に放送を開始した初代から次々と続編や外伝が作られ、今ではメディアを問わない広がり全て把握するのは困難な状況になりつつあるガンダムブランドですが、肝心のガンダムアニメの方向性は最近微妙な気がします。

 初代をほぼ知らない若い世代から大きな支持を得たガンダムSEEDは、僕ら中年の宇宙世紀ファンにとって懐かしいシチュエーションをナヨナヨした少年達がなぞっているだけに感じてキャラ観CP観しか出来なかったし、ガンダム00は骨太な社会派ガンダムになるかと思いきや、スーロボも真っ青な地球外生命体とのコンタクト話になって、これはこれで面白いけどガンダムでやらなくて良かった感が強かった。その後の大風呂敷を拡げ過ぎてまったくキャラに深みが出なかったガンダムAGEについては最早無かった物にされつつある。完全なガンダムファン向けアニメとしては、1番新しいビルドファイターズは秀逸だったと思うものの、やはり骨太な脚本がガンダムには欲しい。


 そう言う意味では、ここ数年中年ガンダムファンの期待は「ガンダムUC」に注がれていたと僕は思う。長らく記されていなかった宇宙世紀に連なる作品だったからだ。

 
※UCガンダムは覚醒する前の方が好きだなぁ (= ワ =*)



 2人の偉大なニュータイプが散った「逆襲のシャア」から3年が経った宇宙世紀0096年を舞台に、その箱を開けば連邦が滅亡すると伝えられている”ラプラスの箱”をめぐって始まった争いに主人公が否応無しに巻き込まれてゆくと言うストーリーが、非常にガンダムらしい展開で原作者である福井晴敏氏がいかにガンダムが大好きか分かる内容なのですが、オマージュの仕方が巧みなのでSEEDやAGEよりは鼻に付かないのが良かった。 

 しかも大好きな逆襲のシャアから間も無い時代背景の為、懐かしの登場人物・場所・MS等等、御馳走が満載。この先の宇宙世紀作品ガンダムF91やシャアのクローンが出て来る「ガイア・ギア」等へちゃんと繋がるような見せ方も時代考証に合っていて上手かったと思います。

 MSの戦闘シーンからも細かいこだわりを感じたし、富野ガンダムらしさまで感じる台詞回しも好感触。ただちょっと、富野セリフより独り言感が強いのと、根っからの悪い人がほぼ居ないので甘ったれた主人公共々生易しい気がします。節目節目でナンジャそりゃ!って言いたくなるほど綺麗にまとまり過ぎてましたしね。原作は読んで無いので元からそうなのか分かりませんが、話数が少ないからか人間関係に深みを出し切れていない気がしました。今まで全然絡みが無かったあの人とあの人が最終話でイキナリ分かり合っちゃう感じは違和感たっぷりだったし、ガンダムはやっぱり最低でも2クール分は必要だと思います。特にこれだけの規模で展開する作品なら尚更です。


 結局終盤は福井作品らしい綺麗に見せ過ぎるやり方と三角関係のもつれでリアリティが薄れてしまったガンダムUC。でもラプラスの箱の正体は僕的に有りだったのと、映画好きな福井氏らしいミネバのオードリーと言う偽名設定なんかも嫌いじゃ無い。だからこそもう少し練り上げて欲しかったかもしれない。また未完の大器が世に出回ってしまった気分でいっぱいです。

 もしかしたら宇宙世紀ファンより、初代からの流れを知らないガンダムファンが観た方が楽しめたりして?...



 かれこれ35年以上語り継がれているガンダム。いつかガンダムも宇宙世紀みたいに100周年を迎える時が来るのだろうか?

 もしもその時までガンダムの系譜が途切れていなかったら、どんな100周年ガンダムが作られるんでしょうね。

 もしも生きていたら僕も100歳だけど、きっと死んでるだろうな(・x:.;:…






 ガンダムUCの完結編episode7は各配信サイト、劇場にて公開中です。

   
■PlayStation®Store■J:COM オン デマンド
■KDDI Video Store■バンダイチャンネル
■アクトビラ■Xbox Video
■TSUTAYA TV■ひかりTV
■ビデオパス■milplus
■U-NEXT■LEONET
■iTunes 

■東京:丸の内ピカデリー/新宿ピカデリー/シネマサンシャイン池袋/TOHOシネマズ六本木ヒルズ/MOVIX昭島【NEW】
■神奈川:川崎チネチッタ/横浜ブルク13/TOHOシネマズ海老名【NEW】MOVIX橋本【NEW】
■千葉:京成ローザ⑩/シネプレックス幕張/MOVIX柏の葉【NEW】
■埼玉:MOVIXさいたま/MOVIX川口【NEW】
■茨城:MOVIXつくば【NEW】
■栃木:MOVIX宇都宮
■群馬:MOVIX伊勢崎【NEW】
■新潟:イオンシネマ新潟南【NEW】
■静岡:MOVIX清水【NEW】
■宮城:MOVIX仙台【NEW】
■札幌:札幌シネマフロンティア
■大阪:大阪ステーションシティシネマ/なんばパークスシネマ/MOVIX八尾【NEW】
■京都:MOVIX京都
■兵庫:神戸国際松竹
■愛知:ミッドランドスクエアシネマ/MOVIX三好【NEW】
■富山:TOHOシネマズファボーレ富山【NEW】
■岡山:MOVIX倉敷【NEW】
■広島:広島バルト11【NEW】
■愛媛:シネマサンシャインエミフルMASAKI【NEW】
■福岡:福岡中洲大洋/シネプレックス小倉【NEW】
■熊本:TOHOシネマズ光の森【NEW】








 関連過去記事

この記事へのコメント