やっぱりインドはお弁当も手掴かみが基本だった( ゚ρ。 )「スタンリーのお弁当箱」/アモール・グプテ(監督)/2011年/インド/映画/感想

 誰よりも早く学校へやってくるスタンリー。


 クラスではいつも面白い話題を提供して仲間達を笑顔にしている人気者だ。



 しかし、そんな彼はお昼になると別人のように沈み込む。皆がワイワイと家族が作ったお弁当を食べている最中に、彼は空腹を紛らすために水をたらふく飲んで過ごしているのだ。


 仲間達も彼がお弁当を作って貰っていないことを薄々感じているのか、自然と彼にお弁当を分けてあげるようになるのだが、それを快く思わない、生徒の弁当を意地汚く狙う男性教師が、自分の事を棚に上げてお弁当を持って来ないスタンリーを責め出します。


 なんとか男性教師の眼を盗んでスタンリーとお弁当を分け合おうと頑張る仲間達。しかしそれが逆に男性教師の怒りを買ってしまい、弁当を持って来ない奴は学校に来る資格が無いとまで言われ、スタンリーは学校に来れなくなってしまうのだが....





 もうとにかくこの意地汚い先生の言ってることやってることが理不尽で仕方無いんですけど、彼も彼で恵まれない人間だと、スタンリーを追い出してから後悔する彼の寂しい姿から伝わって来るので、彼がスタンリーに手紙で謝るシーンでは自然と泣きそうになりました。彼のような嫌われ者と、彼とは対照的な生徒達の個性を理解してくれる女性教師が居たことで、子供達の可愛らしさや真剣な眼差しがとても活き活きと出ていたように思います。


 最後にスタンリーの置かれた状況がハッキリするのですが、そこでまた泣けてしまいます。スタンリーが周りについている嘘があまりにも切なくて仕方無いのです。色んな葛藤があるのだろうけど、それでも笑顔を絶やさず生きようとする彼の前向きな姿勢には本当に勇気付けられます。インドと言う国が抱える問題を、子供のお弁当で表現する素朴さがとても良い作品でした。






 シアターカンダが国劇跡に出来てから、行こう行こうと思いつつ行けずにいたものの、本当に今日行けて良かったです。劇場自体はボロボロでスクリーンも汚れきっているものの、多くのお客さんが詰めかけスタンリー達や意地汚い男性教師の行動に声を上げて笑っているのがとてもアットホームに感じられました。


 普段クラシックシリーズと銘打ってレトロな映画の上映を行っているため、やはり客層は年配の方が多かったですが、ざっと100人近く集まっているように見え、映画村主催の上映会への注目の高さが窺えました。学園祭のような受付の仕方から、5分ほど誤ってフライング上映してしまったことへの謝罪に対するお客さんの温かい反応などを見ていると、運営とお客さんが互いに上映会を成立させているのだとつくづく思いました。旅のしおりのような手作り感ある”映画ファン”と掛けている会報『映画不安』の内容も、上映作品の解説から地元の映画離れへの危惧まで、少ないページながら読み応えがあり面白かった。


 確かに大手シネコンでは絶対味わえない空間がシアターカンダにはありましたね。




 欲を言えば月1ペースでこういった大手でやらない映画の上映会をやって欲しいです。流石に札幌のシアターキノまで行って観るの辛いですから.....


 ただ若い世代がもっとああいう空間を愛してくれなければ無理な話なのかもしれない。綺麗で交通の便が良いシネコンに行き、広告費やCGをふんだんに使った大作ばかりに気を取られる彼等に、本当の意味で映画って面白いものだと伝えることが出来ればなと、思わずに居られませんね。


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 スタンリーのお弁当箱公式サイト http://stanley-cinema.com

 旭川映画村公式サイト http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/1859/

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