哀しみと言う名の鎧を纏う孤高のヒーロー「トワノクオン」飯田馬之介(監督)/もりたけし(監督協力)/2011年/アニメ/感想

 最終回が思い出せなくてモヤモヤしたので「トワノクオン」を全6話観直してみました。



 最近じゃ当たり前の、劇場公開から各種メディアに展開した今作は、「WOLF'S RAIN」や「交響詩篇エウレカセブン」「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-」など、特殊な能力を持つ者達が迫害に逢いながらも”己の道”を歩んでゆく叛骨精神溢れる作品が目につく”ボンズ”が製作した変身ヒーロー物。

 能力者達の存在を驚異に感じた秘密結社”オールドー”が差し向けて来るサイボーグ部隊から、能力に目覚めたばかりの子供達を護ろうとするのが主人公の”クオン”。 彼は身体を変容(仮面ライダーの怪人に居そうな風貌)させる事が出来るうえ、どんな大怪我も治ってしまう不死の能力者だから自分の命を顧みずに仲間を助けようと戦い続ける。しかしどんなに仲間を助けても満たされない憤りに取り憑かれた彼の背中はとても哀し気。どんなに身体の傷は治っても、心は癒される事が無い彼は本当に孤独で可哀想だ....


 しかし背負う物の大きさこそ変身ヒーローに欠かせ無い魅力なのは事実だ。戦いに使えそうな能力を持つ者が少ない仲間達を護るために、どんどん独りよがりになってめちゃボロボロにされるのがまた格好良い。目覚めたての能力を上手く制御出来ずに自滅してゆく子供との交流や、敵の実動部隊であるサイボーグ達の葛藤なども、クオンの葛藤に一役買ってくれています。
 
 だけどね、僕は彼以上に悠久の時間を生きて、傷つき続けて来た男を僕は知っているので、クオン君はまだまだ幸せ者だなって思ったりもするんですよねw

 その男とは”超人ロック”の事なんですけど、知ってますかね?



 SF漫画を中心に同人活動からのし上がり、ぶっちゃけほぼ「超人ロック」一本で数ある雑誌を渡り歩いていまだに連載を続けていると言う鉄人漫画家”聖悠紀”さんの作品で、並外れた超能力者の”ロック”が、何度となく若返りを繰り返しながら様々な星で足跡を残してゆくSF版”水戸黄門”とも言える名作です。 

 そんなロックさんにもクオンみたいに仲間を保護しようなんて考えた若気の至りがありましたし、何度も若返る事が出来るロックさんは不死身。自分の想いに反して世の中が動いてゆく哀しみに、怒りと虚しさを深めてゆくのもダブって見えてしまいます。



 既にざっと数えただけで100冊前後の歴史がある超人ロックと、たった六話分のトワノクオンを比べるのも酷な話ですが、あまりにも似たシチュエーションだったのでついつい脱線しましたww

 トワノクオンは、もっともっとエピソードを作れる余地が在りそうなのに続編の話が上がらないのが残念でならなりません。オールドー自体は壊滅していないので「その後」のストーリーでも良いし、過去話でも良いから企画を練ってるクリエイターがいると嬉しいですね。

 現実問題として儲からなかったから続きはやらないってのが大きいのでしょうし、当初から企画・監督していた”飯田馬之介”さんが亡くなってしまった事も続編を困難なものにしてしまった気もします。

 個人的にはこの手の能力者物が大好きだし、超人ロックを思い出す方が増えそうなクオンの苦労話がもっと観たい。彼が頑張ればかつて超人ロックファンだった人達の心にロックが蘇るという図式も嬉しい限り♪

 超人ロックが好きな人、好きだった人は要チェックな作品だと思いますゞ(*ゝω・)b




 トワノクオン公式サイト http://www.towanoquon.com/index.html

 聖悠紀のオフィシャルサイト http://www.denkaba.com
 

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