引き蘢りに調教された婦警の末路...「リモート」/こしばてつや(漫画)/天樹征丸(原作)/2002年/講談社/漫画/感想

 お盆休みだったからと言うワケでも無いけれど、漫画熱が高まったので積み読本を崩そうと、何気なく一番近くにあった「リモート」を一気に読み切りました。

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 作画はちょっぴりふくよかな女の子を描かせたら良い仕事をする”こしばてつや”

 氏の代表作である『天然少女 萬』から久し振りにまとまったシリーズへと成長した今作は、原作に”天樹征丸”を迎えた事によって、かなり”こしばてつや”さん本来の作風が「金田一少年の事件簿」に見えて仕方無いほど天樹氏の影響下にあったような気がします。

 丁度「金田一少年の事件簿」が一旦連載を終えたタイミングでの「リモート」でしたから、同時期に連載が始まった「探偵学園Q」並に金田一でのマンネリを晴らそうとする天樹征丸氏の鬱憤がこれでもかと爆発しており、実験的な試みが非常に面白い内容でしたね。まあこの方は他名義で相当な量のお仕事をしてた人なので、リモートが特別と言うわけでも無さそうですが....


 で、簡単に説明すると、過去の出来事により感情が死んでしまって引き蘢り状態の天才警視”氷室光三郎”と、寿退社を逃してしまって引き蘢り警視の小間使いに任命されてしまった婦警”彩木くるみ”がなんとも奇妙なラブコメを繰広げるミステリーです(わかりにくっ!)

 天才警視は感情が死んでいるので、とにかく主人公の彩木に厳しく冷たい態度で接してしまうのですが、彩木は物事を良い方に考える事が出来るポジティブギャルなうえ、天才警視の心の闇を放っておけずにずるずる猟奇的な事件の解決に協力してゆきます。


 ここまでは何処にでもあるような内容なのですけど、面白いのは名探偵コナンが小五郎のオッサンを麻酔で眠らせて推理を披露するのと同じく、自宅から出る事が出来ない氷室に代わり、電話で氷室警視から言われた通りの推理を彩木が犯人達の前で見せるところ。ここが『リモート』たるゆえんなのです。

 あくまでも現場へは行かず謎を解き、自分を操り人形のように使って事件を解決させる氷室の仕打ちに始めのうちは泣いてばかりの彩木ですが、氷室警視の絶妙な飴と鞭によってストックホルム症候群も真っ青になるほど彼に心惹かれてゆく事になります。

 ある種”調教”とも言えるようなこの奇妙な関係がなんとも印象的で、当時人気絶頂のアイドル達を使ってドラマ化されたのも納得の作品でした。

 まあドラマの方はあまり観てませんでしたけどね....



 飽き来てしまうほど続かなかったのも逆に好印象だった「リモート」

 天樹さんや”こしば”さんにとっては、どんな位置づけの作品になったのでしょうね?(´-`)





 ドラマ版のHP http://www.ntv.co.jp/remote/

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