旅は終わる。想いは続く。『無限の住人』/沙村広明/講談社/アフタヌーンKC/1994年〜2013年/漫画/感想

 昨日、久し振りに漫画だけに没頭する日曜日を過ごしました。

 それこそ朝から晩まで漫画一色。

 勿論読んだのは足掛け19年でとうとう完結した『無限の住人』です。



 長期連載を乗り切った作者の大変さに比べれば些細な事ですが、流石にまとめて読むと非常に肩が凝り眼もゲームで遊ぶ以上に疲労感が残りました。しかし、それ以上に満足感は勝っていたと思います。

 百人切りだの不老不死だの言われていても完全無欠ではない主人公”卍”を仇討ちの為に用心棒として雇ったヒロインである”凛”が、仇討ち相手からも私怨を晴らす事で背負わなくてはならない責任について突きつけられるなど、善悪の定義が何度となく語られるのが無限の住人を支える色んな魅力の中でも大事な屋台骨で、それぞれの陣営の想いが死の連鎖を引き起こしていくのが虚しいのに、激しい闘いの高揚感の中で命が燃え尽きる刹那の美しさは極上でした。


 常に死が付き纏う生き方を選ぶ漢達の姿は、男なら一度は真似してみたくなるほど眩しい。


 罪を償う為に人を切る不老不死の男も

 国に忠を尽くす為に手段を選ばぬ非情さを貫く男も

 祖父の呪縛と己が夢の実現の為に足掻き続ける男も


 そして彼等を取り巻く全ての魂が美しかった。

 女子供にこの美しさが分らなくても構わない。救いようの無い馬鹿にだけ分ればそれで良いのだ。
 



 とは言うものの、やはりデビュー作ですから色々と甘いところも無いわけではなく、改めて1巻から読み直してみると正直場面転換が突然過ぎて分り難いところや、少々くどく感じるセリフがあったりもして、途中間延びしてしまった部分もあったように思います。しかし終盤のテンポの良さと、ほとんどの人が納得の結末を描いてくれた事への感謝の気持の方が圧倒的に僕の中で占めてしまったためベタ褒めになってしまいましたw

 命懸けで戦う登場人物達も大変ですが、作者である”沙村広明”さんも相当苦労なされた事でしょう。

 どのキャラも魅力的だから誰を殺して誰を生かすべきかもファンの心情を思えば難しい決断だし、落とし処を何処にするのかもかなり迷われたはず。

 それでも最後まで突き通した”らしさ”を本当にありがとう御座いました。



 最終巻の帯に書かれた「旅は終わる。想いは続く。」の通り、いつか卍さんや凛、天津影久の想いを継いだ子孫の話でも、いつか気が向いたら描いて下さいまし♡

 どうせ卍さんまだまだ死ねなさそうだし(*ゝ∀・*)b


 
19年間お疲れ様でしたo┐ヘコリ




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