喰う・寝る・セックス...『SHAME』/マイケル・ファスベンダー(主演)/スティーヴ・マックイーン(監督)/2011年/イギリス/映画/感想

 壮大な愛の物語でもなく、ド派手な御涙頂戴でも無いのに無性に哀しくなる映画を観ました。



 『SHAME』(恥)と題されたこの映画は、”性依存症”の男の泥沼で雁字搦めな私生活と、妹との難しい関係を描いた作品で、妹の不安定な精神状態に振り回される主人公の”ブランドン”はそのプレッシャーに負けて激しい自己嫌悪を抱えたまま乱れた性を繰り返してゆく。

 連日売春婦を呼んだり、PCでアダルト動画をみたり、会社でも我慢出来ずにトイレで自慰行為をし始める始末...

 寝ても覚めても性行為の事しか頭に無いのだ。



 どんどん歯止めが効かなくなってゆく彼は、自分の弱さを棚に上げて妹を詰り終わりの無い自己嫌悪を抱えたまま、堕ちる所まで堕ちてゆく。

 汚れてゆく自分に絶望してしまう気分とか分るので、彼の痛々しい姿があまりに哀れで切なく見てて辛い....


 自分をどうにかしたいのに変えられず、堂々巡りに何度も過ちを繰り返すところなんか救いようが無くて本当に痛いです。タイトルの通り『恥』に苦しむ男の体当たりな姿を演じた”マイケル・ファスベンダー”の鬼気迫る演技力は馬鹿に出来ませんね♪

 僕が思うほどいわゆる濡れ場のシーンの撮影って言うのは役得ではなく大変なのでは無いでしょうか?他人に知られたく無い素の自分を出さなければ長時間の濡れ場を乗り切る事は出来ないと思います。それ以外の場面でも長回ししてるカットが多いので大変だったでしょうねw

 彼の熱演だけではなく、音楽やカメラの位置、あらゆるシーンの間の取り方が上手いのも見逃せません。淡々としていて派手さは無いけれど、素晴らしい仕事を監督一同は成し遂げていると思うのです。

 まさに縁の下の力持ちw



 まだまだ自分があまり踏み込んでいない映画の世界があるなって思えたSHAME。僕にとって想い出深い1本になりそうです。

 こんなに素晴らしく自己嫌悪が重い映画久し振りだ.....



 公式HP http://shame.gaga.ne.jp

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