地に堕ちた正義と哀しみ「HOMELAND シーズン1」/FOXCRIME/アメリカ/2011年/海外ドラマ

 まず始めに、日本がいかに平和で安心出来る国だったかを実感しました。

 最近は不況や大地震に打ちのめされているけれど、いまだ大きな”テロ”の二文字にほぼ無縁だからです。


 不況は自分だけではどうにもならないし、自然災害は人間の手に余るもの。

 だからどんなに辛くても受け入れるしかない。

 だが、確実に第三者の悪意が原因の厄災が唐突に降り掛かって来たとしたら?

 そして普通に生活をしていたはずなのに、気付けばベッドの上で呼吸器を取り付けられていたとしたら?

 それどころか、自分の子供まで死んでしまったとしたら?

 怪我が治っていったとしても、子供を失った憤りは日に日に大きくなるでしょうし、一生涯不当に傷つけられた記憶を受け入れる事も出来はしないでしょう....

 不毛な悪循環を産む落とすから、テロは怖いのです。



 「HOMELAND」は、長年イラクで監禁されていた帰還兵”ブロディ”と、彼を執拗に疑い続ける女性CIA構成員の苦悩や葛藤がメインで描かれます。

 長年監禁されて来たブロディの抱える心の傷や、難病を抱えるCIA工作員の不安定な心の揺れ具合がとても生々しく、少しづつ明らかになってゆくテロ計画とブロディの真意からも眼を離せませんでした。

 演出や脚本もさることながら、ブロディ役の”ダミアン・ルイス”と女性構成員役の”クレア・デインズ”の演技が本当に素晴らしかったです。 他のキャストもしっくり来るし、流石実際に起こりうる驚異に晒されている国の人々が作るドラマは一味違います....


 テロを行う非道に思える人間にも『正義』は存在し、テロを産み出す原因を作った臆病で裕福な人々にも『正義』は存在する。 結局正義とは、自分にとっての方便でしかなく、自分の信ずるところを護る為に作り出す仮面なのです。

 誰もがそれぞれに仮面を身に付け、”それ”を拠り所にして生きるしか無い。それを否定される事は自分を否定される事に繋がり、ひいては生きる価値まで認めて貰えないのと同等。

 だから文字通り『必死』で自分を”否定”する存在を”否定”しようと人間はしてしまうのです。



 「死刑にして欲しい」とか、「一人で死ぬのは嫌だった」とか言っている無差別殺人者が日本に多数いますが、彼等も同じく”否定”から逃れる為に暴挙を行った悪い例です。

 自分を消せない(変えられない)なら、周りを消す(変える)。


 大なり小なり、この本質から人類は逃れられない生き物なのでしょうね。

 真の敵は内にあり

 色々と考えさせられるドラマでした....


 
 公式HP(海外) http://www.sho.com/sho/homeland/home

 FOXジャパン番組案内 http://tv.foxjapan.com/crime/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1422

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