この人はやはり『物書き』ではなく、『物造り』の人だね「実験的経験 Experimental experience」/森博嗣/講談社/2012年/感想

 今までにも何度となく読者の期待を裏切る事で期待に答えて来た森博嗣先生ですが、今回のは一際読み手に挑戦的な空間を構築して来ましたねw 店頭で初めてこの本を見た時と、読み終えた今とでは、派手な表紙から受ける印象もまるで変わるほどの裏切り方なのです...

森博嗣さんのキンピカ本読み終えた♪まだまだ新しい道を探そうとするエネルギーが凄いw


 
  ぶっちゃけストーリーらしいストーリーも無く、深い意味も存在しない為、一見した限りでは、森さんが好き勝手に言葉遊びを楽しんでいるだけのツギハギ本です。これで森作品に触れるのが初めてな読者には、何の事だかサッパリな事でしょうwwファンサービスで出した本、と言う意味合いが正しいかもしれません。

 "モーリィ"と言う作家の作品内容について編集者と会話するシーンや、森さん自身の爆弾トークっぽいインタビューの場面があったり、良く分らないテレビ番組風のやり取りが書かれていたりと、本当にバラバラな空間が進行してゆきます。それぞれに繋がりが少しはあるのですが、全体での繋がりは皆無で、思わず脈略を探してしまう読者の心理を逆手に取った作風だと言えば分って貰えるだろうか?無理ですねw

 まるで繋がりが無い文面をギリギリの構成によってなんとか一冊にまとめた本ですから、正直これは呼んで貰う以外に分ってもらう事は不可能です... あえて言うなら小説風エッセイかな? 

 とにかく作品の善し悪しよりも、森さんの遊び心と皮肉っぷりを味わう作品です。森博嗣と言う人の、ツンデレ具合がよく分るので、ファンは必読の一冊でしょう♪

 まだまだ新しい自分を創ろうとする森博嗣さんは、本当に魅力的な人物ですね♡