あの人達は今...『バウンティ・ドッグ/月面のイヴ』/ねぎしひろし(監督)/佐野浩敏(作監)/ゼロGルーム/1994年/懐アニ/感想

 アニメ作品を本気で好きになると、製作陣のその後を追い続けたくなるのがファンの心情だと想います。特に作画は一番最初に目につくので、絶対に素通りは出来ない。 だからブログのためにテッカマンブレードを観直して、直ぐさま”佐野浩敏”さんと”ゼロGルーム”の事を想い出してしまった。

 老若男女分け隔てなく描ける佐野さんの繊細な線は、十数年経った今観てもすこぶる美しい。安彦さんを崇拝しているだけあって、アニメにするには手間が掛かる『顔』の細かな表現が印象的で、作画監督と言える作品は少ないが、確かな腕を持ったアニメーターさんでした。 TVシリーズと言う事で作画が不安定だったテッカマンブレードではキャラ原案だったのでその良さは伝わり難いですが、続編OVAテッカマンブレードⅡや、直後に作られた『バウンティ・ドッグ/月面のイヴ』では佐野浩敏さんの魅力が存分に味わえます。 


あらすじ

 とある諜報機関に所属する”ヨシユキ”は、仲間2人と月面を事実上支配している企業の調査を行うために月へやって来た。その調査の途中で、死んだはずの最愛の女性にそっくりな謎の少女”イネス”に出会う。追われていた彼女から語られる真実。ヨシユキとバウンティドッグの仲間達は、月を、地球を救うために月の中心へと向う事になる....


 「バウンティドッグ」はテッカマンのスタッフが集結して作られた前後編OVAで、ストーリーは『竹取物語』から数千年後をハードSFとして描いたような内容。「攻殻機動隊」の士郎正宗さんがメカデザに参加するなど、SF設定やメカの面から見てもレベルが高い作品で、とても2話で終わらせるのが勿体無かった。主人公があまりにもブレードのタカヤ兄さんに似ていたり、テッカマンブレードでアキ役をしていた”林原めぐみ”さんが登場するなど、テッカマン好きにはたまらないキャストも見逃せないものがありましたねw ついでに少女の姿をしたクローンが血にまみれてバタバタ倒れてゆくような若干グロいシーンも当時衝撃的でした... 


 また、スタジオ"ゼロGルーム”のセピア調の独特な色使いが、月面を舞台にする今作にフィットしていてなんとも不気味な雰囲気を出しているのがたまらなかった。佐野さんと同じく、今では裏方程度の仕事しかこなしていない会社になってしまいましたが、去年社名を”ZERO-G”とし、新会社として生まれ変わり、今もなおアニメに携わっている事は嬉しい限り。取締役に就任した”ねぎしひろし”さんも天地無用以来ご無沙汰してるので、何かハードな作品を一つお願いしたいですな。ただ、今手掛けているのが子供向けアニメとか、ねぎしさんも大人になったんですね.....




 時は移り変わり、佐野さんは健康面での問題から第一線から退き、ゼロGルームとねぎしひろしさんは作風が一挙に万人向けへとなってしまった。あの頃の野心的な作品の数々を想うと、思わずセンチになっちゃいますね、昭和生まれとしては......

 あぁ、せめて佐野浩敏さんの新作メカイラストだけでも眼にしたいものだ。遠い昔に休刊してしまったソニマガ製アニメ雑誌「AX」に連載されていた『俺のROBOT MEMORIAL』が最高に楽しみでした。もう、あの美しい墨絵風タッチは見れないままなのだろうか?.....


 株式会社ZERO-G公式HP http://www.zerog2.jp/
 

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