綺麗で哀しい罪の記憶「光媒の花 1巻」/斉藤 倫(漫画)/道尾秀介(原作)/集英社/2012年/漫画/感想

「ひこうきぐも」や「世界を敵に回しても」等、恋愛漫画を中心に描いてらっしゃった”斉藤 倫”さんが、初めて原作付きのコミックを出していた。

(๑´ᴗ`๑)


原作者は”道尾秀介”さん。まったく著作を読んだ事も無いし、名前も初めて聞きました。推理物を主に書いてらっしゃるそうです。

しかし、帯に書かれたご本人からの短いメッセージの達筆さは素晴らしかった。巻末に寄せられたあとがきからも、斉藤倫さんへの感謝の気持ちが溢れていて、人柄の良さがうかがえます。

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さて、脱線しましたが、そんな推理作家さんの原作を恋愛畑の斉藤さんが描くというのは、上手く行くのか一抹のの不安があったものの、充分にミステリアスな空気感と、過ちを犯してしまった人間の葛藤が伝わり非常に面白かった。

一部シリアスさが足りないカットがあり、緊張感が徹底出来ていないシーンもありましたが、これは斉藤さんの作家色の表れでもあり、これはこれで良い気がしました。充分に原作への興味が高まる完成度だったと思います♪


認知症の母親を抱える男が、母の描く絵を目にして自らが記憶の奥底に仕舞い込んでいた忌まわしい出来事を呼び起こしてしまう『隠れ鬼』や、幼い兄妹の無邪気さが招いた悲劇を教訓めいたテイストで綴った『虫送り』等、共に感情に流された若い魂の苦悩が切ない物語でした。

直接的な繋がりは無いものの、登場人物達が気付かないような部分でウイルス感染のように自然とリンクさせ、同一世界であると認知させる手法も、オムニバスとしては王道で良かったです。今後、2冊続きが出るそうで、実に先が楽しみ。


自分の原作に捕われず、外部の血を入れる事は良いカンフル剤になります。お互いに触発され今後の創作活動にも良い影響が出る事でしょう。観る側も新鮮な気持ちで好きな作家の新たな一面を垣間見る事が出来て嬉しい限りですね♪

斉藤 倫さんの公式サイト  http://www.rin-saito.com/
道尾秀介さんのブログ http://michioshusuke.cocolog-nifty.com/

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