皆は一人の為に。一人は皆の為に。『モンガに散る』/ ニウ・チェンザー(監督)/2010年/台湾/映画/感想

最近あまり名前を見掛けなかった『台湾映画』

日本国内では韓国映画や実質台湾を支配している中国の映画が目立ち、活躍の場を失っていました。しかし『モンガに散る』を観る限り、まだ台湾映画には自力が残されているようです。




幼い頃からイジメにあい、友達らしい友達もいない主人公が、新たな学校に転入して来るところから物語は始まり、彼が転校生だからか?場末の学校だからか?早速クラスのゴロツキに絡まれる。


彼は穏便に過ごそうと努力するのだが、母親がお弁当に入れてくれた鳥のモモ肉を取られスィッチON!モモ肉を取り返したものの、放課後連中に囲まれてしまう...


その場をなんとか逃げ出す事には成功した主人公、しかし翌日また違うメンツに絡まれる事になる。だがそれは今まで得る事の出来なかった充足感を彼に与える大きな出会いだったのだ。




彼等は父親もいない弱虫な主人公を仲間へと率いれ、”義兄弟”の契りまで交わす。 初めて自分の居場所を見つけた主人公。たとえそれが極道への道であろうとも、かけがえの無い絆に心が踊ってゆく様は観ていてとても心地良い。しかも時代が80年代のため、極道とは言っても人情味に溢れた親分なのがまた良かったりする。父親を知らない主人公も、父親代わりのように親分を慕っていた。


しかしそのまま終らないのがヤクザ映画。終盤は血みどろの抗争劇になってゆき、前半のほんわかしたムードが一転哀しいシーンが続きます....でもこのギャップこそ今作の良さでもあり、大事な絆がどんどん壊れていってしまう寂しさがとても切なくて良い。



およそ使い古された極道物ですが、まだまだ人間ドラマを描く余地は残っていそうです。監督が自ら育てて来たと言われている俳優陣の演技も素晴らしかったですし、台湾映画はこれからもっと熱くなるかもしれませんね♪


親、兄弟、仲間、恋人、様々な情が見事に入り交じる良い映画でした。



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