一生もんの友情なんて、素敵過ぎるでしょ?「坂道のアポロン」/小玉ユキ/フラワーコミックスα/小学館/2008年〜2012年/漫画/感想

大好きな漫画を読み終えた時、自分の中で何が動き回っているのか不安になるほど呼吸は苦しくなり、指先は震え、肌は風邪の時みたいにぞわぞわする。

一体どんな物質が分泌されているって言うんだろう?



「坂道のアポロン」を読み始めたきっかけは、確か書店の平置きで、こちらを睨み付ける主人公”西見 薫”のトゲトゲしく気難しい顔色と、それとは対照的に横で飄々とした表情を浮かべる”川渕千太郎”の昭和な出で立ちに眼を奪われたのが運のツキだった。

一見正反対に見える2人。けれど求めている物は同じ。

『自分の居場所』


母親は小さい頃に蒸発し、唯一の心の拠り所であった父は仕事の事情で家にいる事は滅多になく、周りには自分を理解しない人間ばかりが集まり、望みもしない自分を押し付けられて来たせいか、心的ストレスを抱えるようになった”薫”。

他人様の事には、ずかずかと入り込んでハッキリモノを言う割に、喧嘩とジャズ以外は、からっきし駄目で肝心の自分の事になると捨て子であるがゆえに自信を持って前を向けない”千太郎”。

誰かに自分を認めてもらいたくて

アナタが必要だって言われたくて

そんなお互いの弱い心を『ジャズ』と言う理屈じゃない響きを通して、補い合ってゆく2人のセッションがたまらなく綺麗で切なくて残酷で.....

作者の”小玉ユキ”さんが創りあげる、ジャズ全盛の時代背景と人情味のある風景、そして王道で真っ直ぐなセリフとシーンの数々が本当に素晴らしいんです。すっかり彼等の友情や恋愛模様に魅せられてしまいました。なんとも言えない残酷な神っぷりなのです小玉さんはwwおかげで様で、あっという間の最終巻....


始まりがあって終わりがある。だからこその感動だと分っていても、この胸の苦しさは収まらない...
何度経験しても、思い入れのある作品との別れは辛いものですね....番外編が一冊刊行予定なのが唯一の救いですw

とにかくこんなに気持ちの良い終わりを与えてくれた2人の友情に、そして小玉ユキさんに感謝。

身の内側から熱くなる、あの坂道をありがとうございました...


原作読み終わってしまった....(っ´x`с)キュキューン♡



追伸、ついでに原作の本筋が丁度終ったこの時期に合わせ、BSでのアニメ版放送も始まり、『渡辺信一郎×菅野よう子』と言う協力タッグが紡ぐ原作とは、また違った彼等の胸が熱くなるセッションに期待して観てみました。1話目を観た感じでは、悪く言うと平凡でした。ほぼ展開は原作通りだし、千太郎のドラムさばきや音の質感は流石のクォリティだと感じましたが、いかんせん肝心の作り手2人の個性がそれ以上活かされているように思えませんでした。OPテーマがジャズじゃないのも少し残念w

監督にはもっともっと原作を壊して再構築するくらいの勢いで自分のアニメに仕上げて欲しいですね。恥ずかしいほどのセリフを胸を張って演出した『カウボーイビバップ』並に弾けて下さいw元が昭和な時代背景の青春物だから、きっとそれくらいが丁度良いですよね♪

アニメ公式HP http://www.noitamina-apollon.com/index.html 

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