毎度脱帽ですよ小川さんw「天冥の標Ⅴ 羊と猿と百掬の銀河」/小川一水/ハヤカワ文庫JA/早川書房/2011年/小説/感想

とうとう最新刊まで追いつきました。今回のテーマは農業。

 毎度新しいテーマで展開する天冥の標。これだけ沢山の題材を盛り込むにはどれだけの情報収集が必要なのか、考えるだけで気が遠くなりそうですw

 小川さんがそこらへんの作家と違うのは、所詮SF小説なのだから誰も分からない言葉で誤魔化してしまえ!に、落ち入らない事です。もしそれをやったら、絶対にここまで優れたディティールは生まれない事でしょう。 膨大な量の文献やインタビューを行ってはじめて文章に説得力が生まれるのです。 きっと一冊のノンフィクション本が書けそうな物量の農業に関する本などを読み漁ったのでしょうね小川さんはw なんの知識も無く書けるほどSFは甘くないですね.....

 でも、素人目に大変な作業だと思えても、結構作者自身は楽しんでいるのかもしれませんねw文献を調べれば調べるほど、作品に盛り込むネタのヒントになるわけですから♪ 地味な情報収集を楽しめる方は作家に向いていそうですww


 そして農業ネタと双璧を成し、天冥の標の核心にグッと近づく”ノルルスカイン”の物語。正直難しい事は半分くらいしか理解出来ない場面が多々ありましたが、人ならざる生命”被展開体”の存在を思わず信じてしまいそうになる小川さんの非凡な文章表現がたまらなく面白い!農業ネタだけでは地味になってしまうところを、いい具合に盛り上げてくれました。しかもこのお話のおかげで、今まで謎だった事がかなり繋がり始めました。

 見えて来た事、まだ見えぬ出来事。この先にどんなイレギュラーが僕ら読者を待っているのか?小川さんがどう翻弄してくれるのか次巻以降も楽しみで仕方無いですね☆

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