尺が長くて寝落ちし易い映画 その1「ラストエンペラー/ベルナルド・ベルトルッチ(監督)/坂本龍一(音楽)/1988年/映画/感想」

 時代に翻弄された最後の皇帝「愛新覚羅 溥儀」


 現在の中国が建国される以前、全土を掌握していた王族の子供として産まれた彼は、幼くして王朝を継ぐ事になる。

 皇帝に即位した時、彼はたったの2、3才。

 その後情勢が移り変わり、退位したり、皇帝に戻ったり、また退位させられたりと、大人達の都合に振り回される事になる彼は、成長するにつれて、なんでも想いのままになるはずの王である自分に、本当はなんの権限も無い事に苛立ちを覚えるようになる。

 私腹を肥やす事に夢中な人種が群がる王宮

 政治の道具でしか無い皇帝

 産みの母親に会う事さえままならない自分の立場にうんざりしていていた彼は、日本国が占領した満州で新たな皇帝として、自分の国を作ろうとするのが.....



 実物は、映画とかけ離れた人なのだろうと思うものの、自らが望む望まないに関わらず、皇帝として産まれ生きる事を定められてしまった人物ならば、きっとこの作品で描かれているような苦悩を抱えていた事でしょうね。

 ましてや、華美な存在であった皇室を必要としない時代へ移りゆく頃に即位し、何も成せないまま最後の皇帝として人生を終えてしまうだなんて、まるでバブル時代のツケを払わされてる若者達の気分だった事でしょう。『もっと美味しい時代に産まれたかった』ってね....

 最後まで自らの無力さに打ちのめされる彼が、王としてではなく、一人の弱い人間としての顔を見せるようになってゆくまでを、見事に演じた”ジョン・ローン”によって、切なく儚い王の終わりを味わい深く堪能出来たこの時間は、とても有意義でした。 

 ただ、大人になった僕だからそう思うわけで......

 
 
 アカデミー賞9部門に輝いた今作。その内容と比例して、尺が微妙にに長かったw劇場公開時で2時間40分を越えていたうえ、その後世に出たオリジナル版は3時間40分ほどもある有様ww

 地上波で初めて放送された当時、まだ子供だったぼくは、若干難解な時代背景が描かれているこの作品が優れた睡眠薬になってしまい寝落ち。何度か観たはずなのに冒頭と終盤ばかりが記憶に残ったりしていました....だから今回ちゃんと観直してみて良かったww

 今じゃ有り得ないほどのエキストラと、実際に”紫禁城”を使ったロケを行っていた事にも驚かされました。セットやCGじゃ絶対出せない質感があるんですよね♪一体幾らかかったんだろうw


 我らが「教授」”坂本龍一”氏がこれでゴールデングローブ賞やアカデミー賞にも選ばれた事も印象的でしたが、教授自身が軍人を演じていた事や、時代背景が満州を占領していた時期であったりと、様々な面で日本人に縁がある映画でしたね....

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