君は、何者として生きてゆきたいか?「アバター/ジェームズ・キャメロン(監督)/サム・ワーシントン(主演)/2009年/米国/映画/感想」

 「アバター」のストーリーを簡単に言うと、架空の惑星ポリフェマスの衛星パンドラの先住民”ナヴィ”と、今現在より深刻なエネルギー問題を抱える地球人との問題を、その板挟みになる人間と被害者側(ナヴィ)の視点で描いたもの。そのため、アメリカが建国した時からずっと抱える他民族への侵略問題を引きずった形でシナリオが書かれています。

 脚が不自由な主人公が、自分の分身(アバター)で自由に走り回れるようになり、最後の楽園を思わせるパンドラで、ナヴィ達との生活を送っている様は楽しく素晴らしかったものの、最後の最後であそこまで人類と決別するシナリオにされてしまうと、少々胃にもたれます....

 人類の強欲を悪く描くのはいいけれど、あまり軍人ばかりを悪者にする脚本は好きではありません。軍人だって縦社会の手足にしか過ぎないのですから....批判すべきは、意思決定を下す連中の利権であるべきです。劇場で観た時にも、この辺がどうにも腐に落ちなくてモヤモヤしました。それに、まるで人類に見切りをつけたかのように、主人公が人間である事まで止めてしまうのが観てて辛かったです。せめて人としてナヴィを愛する者であって欲しかった....


 どうにもスッキリしない映画だったと言うのが僕の正直な感想です。映像的にはもの凄い完成度を見せていて、目を奪われる幻想的なパンドラの風景、ナヴィ達の身体の質感がリアル過ぎて凄いとしか言えません。特にキスシーンでの唇の肉の質感たら半端じゃなかったw技術的には満点以上の映画だと思います。

 キャメロン監督は小難しいシナリオは書かず、シンプルに伝わるストーリーを好む方なのでしょう。そんなものより最先端の技術にこそ重きを置いた監督だと言えます。このアバターに関しても、技術的な面への力の注ぎ方が尋常じゃないですよねwベタな脚本を、より鮮麗された技術で磨きあげる。それがキャメロン作品の魅力でもあります。


 さて、「アビス」「ターミネーター」「タイタニック」「アバター」と、映像職人として先頭を走りたがる”ジェームズ・キャメロン”の未来は何処へ向うのか?期待と不安が僕の中で膨らんでいます....

 パート3まで製作される事が決定しているアバター。一体どんな展開と終わりを見せるのか?なんだか凄く不安だなぁ......
 


 (´-`;).。oOあ、よく考えると昔から体制批判的なシナリオ多かったかも....

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