雲は雲、風は風。「孔子傳 /出崎統(監督)/鄭問(原作)/NHK/1995年/アニメ/感想」

 いつの世も、人の心は些細な事で乱れ秩序を壊すもの。

 移り行く時の中で道理を忘れ、意味があったはずの”規範”までも、ただの形式にしてしまう...


 そんな移ろい易く弱い人々に、身分の差異も関係無く理想を持って説いた人が ”孔子" だった。



 彼の教えは、どの身分にも、どの時代にも当てはまる、「人間」の根底に根差すべき理想を指し示していた。
 
 すなわち

 「利己的な欲に囚われず、己の成すべき事を成し、誠実に人を愛し生きる事。」

 

 至極単純な理想でありながら、それを実践する事は大変困難な事。非常に身に染みる教えです.....

 されど、だからこそ沢山の人々が彼に教えを求めたのも理解出来る。生きる道に迷った時、自分の背中を押してくれる誰かが居てくれれば、これほど心強いものはありませんからw


 孔子と言う人物に、実際会った事があるわけではありませんから、本当にこのアニメに描かれている通りの、素晴らしい人間だったのかは、僕には知る由もありません。

 しかし、彼が残したものは、しっかりと今も人々の心を支えている。その事実だけで充分でしょう。


 「劣っているからこそ、優れているものを理解出来る。」


 謙虚で誠実で勤勉で、物事を公平に見つめる事が出来る孔子の言葉。どんな美辞麗句を持ってしても、彼の聡明さを表すには足りない事でしょう....


 これほど孔子と言う人物を愛おしく感じさせてしまう何かが、このアニメ作品にはありました。今回見直してみても、初めてこのアニメをNHKで目にした時の熱い想いが蘇り、当時と変わらない感情に支配されていますw

 故”出崎”監督の手腕にも多いに影響されました。ここぞと言う場面での、出崎監督の演出が、いちいち観る側の感情を高めてくれていましたね。本当に素晴らしい監督でした.....


 NHKでの再放送の予定も無く、DVD化される予定も無いこの作品。いくら紹介しても観る術が限られています。

 VHSとLDで発売されていましたが、LDはまず手に入れる事を出来ないでしょう。VHSは、少々高値でアマゾンやオークションで出品されているので、VHSのデッキと少しの出費さえ覚悟出来れば観れます。


 いつか、出崎さんの監督作品を全てまとめたBDBOXでも発売されて、この作品も収録されるといいなぁw隠れた名作なので、観る機会があれば是非どうぞ♪

 孔子を愛する弟子達の想いが、実に美しいアニメだったなぁ......
 
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 簡単なデータベースページ 
  「allcinema」 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=235383
 
 「孔子傳」について書いてらっしゃる数少ないブロガー様
   「國姫記―こくきき―」 http://ameblo.jp/rekizyonokokuki/entry-11061017268.html

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