ゲドの冒険はどこいったー\(^o^)/「ゲド戦記 帰還/アーシュラ・K・ル=グウィン/岩波書店」

 ゲド戦記4巻「帰還」では、「こわれた腕環」に引き続き、”テナー”が主人公です。彼女はあの無力で幼い頃とは違い、保護者であったオジオンからも離れ、自分で生き方を決めて生活し、名前も”ゴハ”と名乗っていました。

 普通に男と結婚し、子供を産み、生活する為に生きていた。これが彼女の選んだ道。そこには、世界の均衡を取り戻す為に貢献した女性の姿はありませんでした。

 しかしテナーのそんな姿が僕にはとても嬉しかった。大魔法使いのくせに、普通の生活を大事にしていたオジオンの生き方を、ある意味では継承していたし、彼女が普通の生き方を愛せる人になっていた事に安心した。
 ただ、地下神殿の巫女であった時の気品も心の奥底に残っており、周りが知らない彼女気高さが、時折顔をのぞかせる場面は楽しかったですw

 
 物語の進行は、そんなテナーの女性らしい視点から進みます。ハイタカが魔法を失った事もあり魔法の出番は少ないので、いままで以上に日常に近い展開でした。


 帰還の冒頭で、テナーが救ったやけどを負った少女テルーとの絆。自分を愛し、自分の持てるものを与えてくれようとした父であり遊人でもある”オジオン”との別れ。そのオジオンにとって、息子同然だったハイタカとの再会。

 そして始まる新しい生活....


 簡単に書くと、こういう内容ですが、そこまで辿りつくまでが非常に大変でした。ハイタカは自信を喪失し、ただの臆病者になっていたし、王は戻ったばかりで、魔法の力の秩序も、社会の不安定さもいまだ回復していない。そのうえ底のしれない野性を秘めた少女テルーとも向き合わなければならず、様々な困難が彼女を襲います。

 身近な人間の助けや、古き竜、若き王の助けを得て、困難を乗り越えてゆくテナーの弱さと強さの描写は素晴らしいの一言。流石は女性作家と言うべきでしょうか?ゲドやアレンを描く時以上に、女性であるテナーの精神描写にリアリティを感じますw男には少しキツい表現の部分もありますけどねww


 さあ、真の姿を表したテルーのその後が気になる本編の最終巻では、いったいどんな物語が展開するのでしょう?そしてアレンとの絡みは?いったいどんな終幕を向かえるのか、非常に先が気になります....



 追伸、きっと更にゲドの出番は減ってるでしょうね...(´-`).。oOゲドハモウ マホウツカエナイノカナ...

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