紅い愛憎の果てに...「紅夢/張芸謀(チャン・イーモウ)/1992年/中国/映画」

 誰にでも想い出に残る映画があると思います。僕にとって「紅夢」は、一度しか観た事が無いのに、何故か忘れられない作品でした。


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 今回どうしてももう一度観たくなり、あれほどの作品ならDVDが出ているだろうと調べてみると、製作した中国ではしっかりDVDになっていたのですが、日本では舞台版の「紅夢」ばかりが出て来て、肝心の映画版がみつからない....


 1992年にヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞したほどの作品なのに、日本ではあまり受けが良く無かったのかなぁ....勿体無いw



 仕方無く、ヤフオクで見つけたレンタル落ちのVHSビデオを購入。久々にVHSのデッキをひっぱり出しました。かなりホコリが積もってましたww懐かしのコンポジケーブルでテレビに繋ぎ再生し始めると、20年近くを経ての二度目鑑賞とは思えないほど記憶が戻って来ました....



 父親が亡くなったため、金持ちの妾として嫁ぐ事になった主人公の ”頌蓮(スンリェン)” そこには既に、3人の夫人がいて、それぞれが旦那様の寵愛を求め妬み合っていた。大きな屋敷に囲われる彼女達にとって、その日その日の夜のお供に選ばれる事だけが彼女達の価値を高めてくれたからだ...


 主人からその日のお供に選ばれると、部屋やその周りは赤い提灯で彩られ、特殊な足裏マッサージを受ける事が許される。食べ物も選ばれた者が優先的に決める事が出来るので、まさに気分は皇室の御姫様と言ったところ。


 自分や家族の生活の為、否応無く金持ちの妾になる事選んだはずだったのに、そんな甘い時間に魅せられたスンリェンは、自分を陥れようとする夫人達とのやり取りで、傷つき傷つけてを繰り返し自滅の道を進んでしまうのが哀れで空しかった...


 自業自得な部分が多いとはいえ、19歳であんな状況に追い込まれた彼女の心情を思うと、ラストシーンでの彼女の姿が脳裏に焼き付いて離れない。中国なら、いや昔ならどの国にもあったであろう名家の生々しい質感が素晴らしい映画だと思います。



 カメラも引いた感じの画が多く、登場人物をそれほどアップで撮らないのも印象的でした。旦那なんて一度も顔がアップにならなかったwでもこれが特殊な名家の実状をライブな雰囲気で描くのにとても効果的でした。偽りの世界に真実味を感じさせてくれる演出だったと思います。





 妾が許される女性差別な時代だったのかもしれない。でも、その差別が特別な空間を作り、人を魅了して狂わせた...人々の行き過ぎた欲望は、時に素晴らしい熱量を持って光り輝くものですね....




 ネタバレあらすじが見たい方はこちら〜♪goo映画 http://movie.goo.ne.jp/movies/p16451/story.html

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