2011年05月22日

後悔と懺悔と

 小・中学校の頃の僕は、周りの全てに嫉妬していた。女の子にモテる同級生。家が裕福でなんでも買い与えられてる友達。周りを明るく楽しく出来る奴。それら全てが僕には与えられていない事に苛立ち、恵まれた者には何をしたって構わないとさえ思っていた。

 だから、努力もせず与えられた環境の不遇さに甘え、周りの人を傷つけた。


 自分勝手な不幸をぶら下げて、僕は沢山の盗みを働いた。始めて人の物を盗んだのは小学2年生の時。当時流行っていたキャラクター物のマグネットシールだ。手口は、掃除の時間に机をズラす時、ワザと机を倒す。すると机に入っていたカンペンが飛び出し床に落ちた衝撃で蓋が開く。それを片付けるフリをしてマグネットシールをポケットに入れるのだ。

 始めは上手くいった。だが子供の欲は際限が無い。味を占めた僕は何度も同じ事を繰り返し、そしてバレた。

 親にも先生にも怒られた。もうやらないと本気で思った。はずだった...


 それから長い時間が過ぎて中学生になった。それくらいになると、また新しい欲が産まれて来る。それにはお金が足りない....僕は親のお金を盗んだり、万引きして物を手に入れる事を選んだ。新聞配達や手伝いで汗を流しお金を稼ぐのではなく、人が汗した成果を横取りしたのだ。

 学校近くの商店、薬局、本屋。あらゆる場所で万引きをした。お金が裸で入っているオヤジの背広からお札を盗った。そうしているうちに、いつのまにか物自体が欲しいからではなく、人の目を盗み、物を盗る行為のスリルを楽しんでいた...


 そんなふざけた生活にも終わりが来た。ある日、いつものように小さな本屋で万引きをしようとしていたら、いつもと違う店員がいた。それでも普段通りに盗む本を手に出口の方へ行こうして前を向くと、その店員が立ち塞がっていた。まだ商品を持っているだけだったが、店員には分っていたのでしょう僕が盗むつもりだと。

「それを置いていけば通報はしない」

 確かそんな言葉を掛けられた気がする。まだ盗んだわけでも無いのだから、開き直っても良かったのかもしれない。だけどその時の僕は妙に自分が情けなくて、「すいません」と一言口にし、立ち去るしか出来なかった。でも、それで良かったんだ....


 あの出来事から一切の盗みを止めた。親のお金をくすねる事も止めた。盗みのスリルに身を委ねるなんて馬鹿げた事だった。あの頃の自分を誇らしく語るなんて絶対したくない。最低の男だった。汗水垂らして働き、自分のお金を持つようになって更にそう感じる。

 僕にマグネットを盗られた同級生、商品を盗まれたお店の人々、そして苦労して稼いだお金を息子に盗られた両親...どう謝ればいいのかさえ分らない....僕の勇気はあまりに貧相で、保守的だった。それは今も変わらない.....


 これはただの僕の懺悔。誰に対しての助言でも警告でも無い。ただ、昔の僕のような状況で今を生きている人達には、自分の行為の結果が何処に行き着くのかを知って欲しい。




 誰かを傷つける事は、自分を傷つけるだけだと...
posted by lain at 11:51 | 北海道 🌁 | Comment(0) | 日記 昔話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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