あての無い旅は何処へ続くのか...「キノの旅/時雨沢恵一/A・C・G・T/WOWOW/2003年/アニメ」

 思春期の子供は大人達の理屈が嫌いだ。ただし自分も大人達と同じ闇を心に抱えている事を奥底では知っている。ただそれを認めたく無いだけだ。そして”キノ”はそんな子供でも、大人でもない半端な存在だ…

 
 キノは相棒の”エルメス”(喋るバイク)と旅を続けていて、どんな国にもきっかり三日間だけ滞在する。滞在中は国の事に一切関わらないように振る舞っている。そのためキノは感情をあまり表に出さない。とても大人びていて何処か達観した表情を浮かべ正直可愛げの無い子供だと思うw
 
 そんなキノだが、自らの甘さから人を信じたり綺麗ごとを口にして結局最悪の結果を招いてしまう事もしばしばある。だがキノは不完全な世界と自分だからこそ旅する価値を感じているのです....


 キノが体験する出来事はグリム童話等に近いダークさを感じます。これはキノの目線で体験するというよりも、こういうシチュエーションがあったらあなたはどう思いますか?と、僕らに仮定の世界を見せているからだと思うのです。
 子供の頃読み聴かされた、時に残酷で一方的な正義を振りかざす絵本の世界を、傍観者であるキノが体験し、更に観客である僕らがどう感じるかを試しているかのようです。これが製作者の意図によるものなら面白い演出ですよねw

 各シーンの構成も独特で、あるシーンが始まったと思ったらまた違う時間と場所でのお話が始まったりするので、馴染むまでは正直解り難かった…
 ただ、最終話まで来た時、この演出も有りな気がしました。そういう演出面から見ても野心的な作品だったのではないでしょうか?


 こう言った作品になったのは小説の表現によるところが大きいのでしょうか?原作を知らない僕には分りません...原作もアニメも見た方の意見が気になるところですね〜♪

 キャストの面では少し違和感が序盤ありましたが、不思議と終盤になるとマッチして来るものですねw作品自体の乾いた空気感にあの空虚な声質は合っていました。それよりOPの下川みくにさんの方がミスマッチだったかもしれないwwいや、下川みくにさんは大好きなんですけどねw



 最後に、現実に傷つき無力さを知り、大人が作った世界に嫌悪感を感じている方々に少しでも旅を続ける理由となる出会いが待っていますように.....

 
 公式HP http://www.kinonotabi.com/top.html

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