謎が残るほど記憶にも残るのでは?「ブードゥー・チャイルド/歌野晶午/角川書店/1998年/2001年/小説」

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 幼い頃から前世の記憶があると信じている15歳の少年。彼は前世で恐ろしい化物にお腹をえぐられ死んだのだと言う。

 そんな怖い記憶も、あくまで前世のはずだったのに、ある事件をきっかけに現世との繋がりを見せ始める!それは、彼にとっても家族にとっても不幸の始まりだった.....

 

 初めて読む事になりました”歌野晶午”さんのこの作品。正直思っていた内容とは違いましたwもっとカオスに満ちたなにかを表紙から感じて手に取ったんですけどねwまあ直感で買った僕が悪いんですけど...

 本作は1997年に初出した作品のため、非常にネタが古いように思います。テーマとして不妊治療や、ネット社会の問題が多くとりあげられており、当時であればタイムリーに感じる内容であったでしょうけど、今では目新しく感じる内容ではないでしょう。

 やはり旬の物を題材にした作品は旬のうちに消化しなければ面白さが半減しますね。普通にその時の社会事情を描いただけならまた違った見方は出来ると思いますがw

 あと、登場人物のディティールが微妙w主人公は15歳なのに、どのセリフを見ても中年男性のようにみえました。主人公の姉弟”麻衣”にしてもあれだけショックな出来事がありながら、取り乱したあと直ぐ落ち着きを取り戻し探偵まがいな行為に加担する事自体に違和感を感じてしまいました....

 
 それから謎解きが少し無茶な部分もあったかなw最初からバレそうなネタを仕込むあたりがなんとも....ミステリー好きなら先が見えてしまうかもしれません。しかも終盤にほぼすべての謎を語ってしまうところも残念でした。森博嗣作品に触れ過ぎたせいか、どこか謎が残った方が読後の余韻に浸れて僕好みですね。
 
 ただし、そういったマイナス要素もありながらも、なるほどと思わされる仕掛けもありますので、親切に謎解きをしてくれるミステリーが好きな方ならオススメ出来るかもしれませんね♪