謎解きしない迷探偵誕生?「祝もものき事務所/茅田砂胡/中央公論新社/2010年/小説」

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 ホントはデルフィニア戦記の続編を買って読もうお思ったんですけど、茅田さんの新作が完全新作でしかも探偵物ぽかったので思わず読んでしまいまつたww


 探偵って言うと大抵犯人を割り出す為に、あらゆる調査をしその結果に推測を加え事件の真相を導き出すのが御仕事のはず...だけどこの作品の主人公?”百之喜太朗(もものき たろう)”は推理なんていっさいしないし、事件の捜査にはまったくもって無能...

 ただ、彼は何故か事件の真相に自分で気づかないうちに辿り着いてしまうのです.....


 正確には彼は探偵ではありませんし、浮気調査や、なんでも屋的に犬の散歩の代行みたいな仕事はしていない。基本的に彼の元には事務所のウワサを聞きつけた冤罪や未解決事件絡みでの相談ばかり。
 
 今回彼の元に寄せられた依頼は、アリバイも無く、目撃者も居て、物的証拠も揃っている殺人事件の容疑者である弟の無罪を証明して欲しいと言う無茶な依頼w素人目にもそこまで揃っていたら無罪は難しい事くらいわかりますよね〜。でもそれすら覆す事が出来るのが”もものき たろう”♪

 彼自身は、仕事を受ける時でさえハッキリ自分から”やります”とは言わずいつも秘書任せ。しかも自分で意識して調査したところで何も彼は何も見つけられない。しかも彼は無意識に事件の真相に近づいてしまうので、彼の周りの人間が上手くフォローし事件を解決しなければいけない。
 ”もものき”には勿体無い優秀な秘書”花祥院”さんと、以下”もののき”の幼なじみ達で、今回の事件を不本意ながら”もものき”に回してしまった弁護士の”雉名俊介(きじな しゅんすけ)”や、凄腕ハッカーな公務員”鬼光智也(おにみつ ともや)”、見た目がめっちゃ女の子の格闘家"犬槇蓮翔(いぬまき れんしょう)"、ホームレス寸前な舞台役者"芳猿梓(よしざる あずさ)"といったメンバーが気まぐれな探偵に振り回される。しかもこの連中の見せ場は少ない...


 あまり海外のミステリーには詳しく無いんですけど、こういう探偵物あったんでしょうかね?僕の中では初体験な探偵物でしたwいつ何処で彼が事件の証拠に辿り着くか誰にも分らないという、風邪任せな探偵は結構新鮮で可笑しかった♪
 ただ特異な探偵物だけあって、ミステリー部分よりも真犯人がいると思われる”旧家”の特殊なお家柄の異質さばかりが描かれ、事件の内容よりその旧家的な考えの怖さに終始してしまい、せっかくお気楽ダメダメな”もものき”君の活躍が微妙だったような気もしなくもない...

 しかし、相変わらず筆者のキャラ置きはラノベのツボを押さえているので、軽く読むには丁度良かったです。茅田さんも今回のキャラには愛着が湧いたらしいですし、きっと続編が出ると思うので次回作で更に磨きがかかった”もものき たろう”と愉快な仲間達に期待したいですね(*^m^*) ムフッ♡
 

 

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