生まれ変わった名作を前に出るのは、ため息ばかりなり...良い意味でね♡「トーマの心臓/森博嗣/萩尾望都/メディアファクトリー/2010年/小説」

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 「トーマの心臓」それは今更説明するまでも無く”萩尾望都”さんの傑作漫画で、一人の少年が、自らの命をもって一人の人間を哀しみから解放した物語。少年達の綺麗な感情が溢れ、流れ、そして消えて...僕らに大事な何かを残してくれる至宝の作品。

 そのトーマの心臓を、原作者である萩尾望都さんを愛して止まない作家、”森博嗣”が文章にすると言うのだから、まさに驚天動地の出来事でしたw


 正直流石に森博嗣さんとは言え、あのトーマを小説にするなんて無謀では無いかと最初は思いました。既に原作の漫画のイメージがやはり出来ているわけで、ただ原作通り文章にしても絶対敵わないと思っていましたから....

 が、読んで見るとユーリの親友”オスカー”の視点じゃないですか!ユーリ視点だと客観性に欠けるし、原作寄りのストーリー展開になってしまったでしょうから、これはとても上手い判断だったと思います♪
 しかもオスカーの内面を掘り下げる事で、漫画で描き切れなかったものも補完してくれたように思います。なんだかんだオスカーよりエーリクの方が出番多かったし漫画はwオスカーファンは絶対読め!キリ

 ストーリー展開はほぼ同じですが、細かい部分での違いが結構あります。トーマが遺した手紙の内容が違ったり、物語の舞台が日本らしいような事を匂わせたり、寮を飛び出したエーリクを迎えに行くのがユーリとオスカー二人になっていたり、他にもセリフはかなり森博嗣節が効いていて、終盤には既に森作品としての認識になっていました。


 オリジナルとは異なったシーンやセリフを用いる事で、原作に負けないどころか勝っている部分もあるほど素晴らしい作品に仕上がっています。とくにオスカーとワーグナ教授のやり取りが僕にはたまらなかった....

 きっと僕のように、読んだ方それぞれに気に入るシーンが産まれる事でしょう。漫画を読んだ事がある方でも無い方でも、安心して新しく産まれた『トーマの心臓』を読んでみて下さい♪(*≧ω・)b


 森博嗣の浮遊工作室 http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/