子供の僕には別世界。「ノルウェイの森/村上春樹/講談社/1987年」

写真-197.JPG※古本屋で買ったため表紙が揃ってなくて不満....

 これが初めて読む”村上春樹”作品。僕は、大作売れ筋であり、誰でも読む本はあえて読まないようにする傾向があります。しかし、今回は映画版「ノルウェイの森」への興味から、まずは原作から入ってみようと読む事にしました。


 舞台は1969年、学生運動が盛んな時期で、まだ携帯もネットも無い時代。主人公のワタナベは、高校時代の親友”キズキ”と、その彼女で”直子”と良く一緒に行動していた。キズキとの交流はワタナベにとって特別で、生きる事に欠かせ無い人間だった。それは勿論彼女である直子にとっても特別な事だった。でも、二人の愛したキズキは17歳で時を刻む事を止めてしまった....

 親友であったキズキの死後、その死がまるで病原菌のように連鎖し残された二人を蝕んでいく。かけがえの無い鼓動を失ったショックから立ち直れず、全てをマイナスの答えに変えて最後には精神を病んだ人々の楽園へ行く直子。そんな直子に思いをよせ、自らが失うものばかりなのに支えようとするワタナベ。しかし彼は、そんな生活に疲れ、自分の近くで温もりと笑顔をくれる”緑”に惹かれていく.....


 これだけ書くと、すごくベタな恋愛作品だと思われるかもしれないですが、ボクのようなお子ちゃまの思うような恋愛ではありません。

 ”心だけでは愛では無い、身体だけでも愛では無い”

 それがこの作品には溢れています。

 言葉だけでは人は満足出来ない。身体ごとで温かさを感じて人は愛と言う安心を得るのだとつくづく思わされました。
 男女を描くうえで欠かせ無い性的な事をしっかり描くので、正直引くわ〜って、発言をする女性がぞろそろ出て来くるのですが、この時代の女性はこれぐらいの事を口にするのが当たり前だったのでしょうかね?同性同士ならこんな会話もするでしょうけど、男女でしかもお互いの裸を知る者同士でも無いのにここまで話すのかよと面食らいましたw

 でも、そんな卑猥なやり取りを読まされているのに不思議と不快ではなく心地良いから不思議♪これが村上春樹氏のワザなんでしょうかねw 読み終えてみれば、少々退屈に感じた上巻でさえ全てが収束する為には必要だったのだと最後には感じました。物語に関係無さそうな主人公の生活風景も、女性陣の説明口調が長い事も、卑猥なセリフが多かったりする事も、全て欠かせ無い。

 
 ノルウェイの森は、切なくも苦しい不器用な人間のありようが、ワタナベと言う特殊に見えて実はそうでは無く、ただ愛情に飢えた普通の青年を通して感じられる物語です。生と死、愛情と身体、人として最近失いつつある大切な物を、ボクにくれた素敵な作品になりました(´-ω-`)

 
 あ、そう言えば映画ですけど、なんか想像と違ううえ、原作とも違う感じらしいので観に行くのやめま〜す♪せっかくのこの余韻を壊したくないですから♡それより違う村上作品読まなきゃ〜〜〜〜3


 

 

 

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