想いの数だけ想いが産まれる。「ファンタジックチルドレン/なかむらたかし(監督・原作・キャラデザ)/日本アニメーション/2004年」

写真-173.JPG


 パパン島と言う南の島に家族と住む少年”トーマ”は、島にある遺跡で少女”ヘルガ”と出会う。何処か遠くへ思いを馳せる瞳をしたその少女は、トーマの問いかけにも反応しない...
 その後出会った、ヘルガと共に預けられていた施設を抜け出した男の子”チット”は言う、ヘルガはこの絵の場所に行きたいのだと....


 狂った男の呪詛のようなセリフ。悪夢から覚める少年が見る幻。白髪に青い瞳、黒いマントを羽織った少年少女達。同じような風景の絵を描く少女。いきなりな展開に状況の分らない僕達....第一話のAパートが終わってやっと主役の"トーマ"が出て来るまで、とても重苦しく、このまま暗い感じで進むのかと思いました。実際明るいシーンは最後まで少ないですが.....

 このアニメの大きなポイントは”転生” 誰にも立証する事は出来ないであろう転生。その転生によって苦しむ者達の葛藤がとても切ないんです。
 黒いマントを着た少年達は、普通に誰かの子供として生まれ育つ。しかしある時期になると前世の記憶が頭の中を駆け巡り、ある目的の為に彼等は家族との別れを選んでしまう。

 彼等が去った後の、残された家族の憔悴した様子や、転生以前の自分の記憶を思い出して苦しむヘルガの様子だったりを描いていく事で、物語がどんどん肉付けされてゆき、観ている僕らの胸には沢山の人々の想いが残っていく。これが本当にたまらない.....

 ラスト近くになると、その想いが僕から溢れて出て涙が止まらなかった...誰かが誰かを愛する想い、その想いを登場人物達の表情が雄弁に語る。細かな表現にこだわり素敵な結晶を作りあげてくれた監督に感謝です♡


 監督が原作やキャラクターのデザインを行うと、作品に統一した想いが宿っていいですね♪分業ではこうはいかないでしょう。
 そんな作品を素晴らしい美術監督が支え、ヘルガや、ヘルガの前世の女性達が描く絵はとても綺麗だし、ORIGAさんが歌うED曲も聴くだけで涙が出そうなほど良い。地味だけど、とても感動的なストーリーなので、アニメを普段観ない方にも観て欲しいですね...(*;ω;*)


 追伸、最終的にトーマが可哀想過ぎます.....
  
 公式ページ http://www.nippon-animation.co.jp/f-children/

この記事へのコメント