シロでもクロでもなく、僕はきっとグレーだ♪「鉄コン筋クリート」/松本大洋(原作)/マイケル・アリアス(監督)/STUDIO 4℃/2006年

 マンガ夜話で「花男」を取り上げていた時に、気にはなっていた”松本大洋” しかし、あの作風について行けそうに無い気がして敬遠していました。

 でも、アニメ化された作品を観た限りでは、有りですね♪(*・∀-)b


 ネコと呼ばれている子供の”クロ”と”シロ” 彼等は路上生活者同然の生活をしている。スクラップの車を住処にし、その日暮らしな毎日...無鉄砲で町を汚す大人達が大嫌いで、自分が傷を負う事さえ構わず大人達と闘う”クロ” そんなクロの傍らで、いつも夢のような世界を夢想している無垢な”シロ” 正反対な二人だけど、お互いに無いモノを認め合っている二人には、お互いが必要だった....
 
 原作が発売された頃は、バブルが弾けた時期で、性急過ぎたばらまき開発の愚かしさに、日本中が気づかされた時代でした。そのため、作中には開発によって失われて行く、歴史ある街並が描かれています。
 こんなに綺麗な街並を壊してまで作るのが、金儲けの為のアミューズメントだなんてね....実際あの時代、どれだけの”想い”を壊して”都市”は作られたのでしょう。初めから、都市しか知らない世代が増えた今、こんな事言っても年寄りの戯言に見える事でしょうけど、きっといつか分るはず。自分が愛した景色は、いつまでも同じまま留まっていては、くれないと言う事に.....

 そんなシロとクロが愛した町が壊され、そんな町の象徴だった二人も排除されそうになる。クロとシロが引き離されてからの、クロの状態はホント観てて痛々しかった。どんどんダークサイドに堕ちていくクロ(クロが、自分の暗黒面と向き合うシーンはとても強烈...)そんなクロの状態が不安で仕方無いシロ。最後の最後まで、二人の絆は嫉妬するほど綺麗で眩しかった♡
 
 それもこれも、シロ役の”蒼井優”さんの演技のおかげではないだろうか!? 実は、EDのテロップまでシロ役が彼女だと気づかなかったwそれだけしっかりシロに彼女がなっていたんだと思う。クロ役の”二宮和也”君も悪く無いけど、味のある彼女の演技に比べると差は歴然だった。シロの出来がこの映画の出来を左右したと言えるんじゃないだろうか? 
 どんなに映像の出来が良いアニメーションでも、声一つで生き死にが決まる。今まで何本の作品が”声”一つで台無しになった事かwそう言う意味では成功しましたね。大きなミスマッチキャストはいなかったし、充分満足w

 そう言えば、原作に触れた事が無いから分らないのだけど、アニメ版とコミックでどれくらい印象が違うのだろう?STUDIO 4℃のカラフルで作り込まれた背景は秀逸だったし、登場人物達は皆個性が豊に表現されていた。この辺が、松本大洋ファンにはどう映ったのか興味ありますね〜♪ とりあえず、僕が原作を読んで見ればわかるかなw


 それにしても、たった100分足らずに収めるのが勿体無い世界だったねw 刑事にしても、ヤクザ達や不良どもにしても、短い時間であれだけ描かれると、もっと長い時間彼等を観てみたくなってしまう....後を引く素晴らしい作品である証拠ですw 残りはコミックで補うとしますか〜♪安心安心。+.゚ヽ(o´∀`)ノ゚.+。


 追伸、それにしても....シロ可愛かったなぁ♡

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