中途半端に去年の秋アニメの話をするおじさん

もう2021年の1月が終わる。ただひたすら冬の寒さと雪に追い立てられ、余裕の無い毎日だった。

そんなザマだから、最早意地とでも云うべきアニメ鑑賞も、正直進んでいない。数年ぶりのシリーズ再開が嬉しかったログホライズンくらいしか見ていないくらいだ。


だから、個々に纏めるほどではないけれど、そこそこ好きだった作品を忘れたくないと云う意味合いも込めて、とりあえず今回は去年の秋アニメを振り返っておこうと思う。「魔王城でおやすみ」「神様になった日」に関しては少し前に書いたので割愛する。


去年の暮れは兎に角続編勢が目立っていた気がする。安定の”ダンまち” ”ゴールデンカムイ” ”魔法科高校の劣等生” "ごちうさ" "炎炎ノ消防隊"等、シリーズへの期待値が高い作品がちゃんとやるべきことをやっていたのだ。監督の交代等で演出面が物足りなかったハイキューのような例もあったものの、前作の犬夜叉を見ていた人が違和感を感じない”半妖の夜叉姫”や、絵柄やシチュエーションが違ってもちゃんとラブライブしてる”ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会”も込みでビックタイトルの健在っぷりが色濃く出ていたと思う。

それとは逆に、隙間を狙った作品の物足りなさがあった。自分も◯◯をやりたい!と、引き込まれるほどの熱を感じなかった”いわかける!” "まえせつ!"は勿論のこと、「いらすとや」の絵で作った”ワケあり版”以上の面白さを届けられなかった”100万の命の上に俺は立っている”のような、行き詰まり感あるゲーム世界ネタをイロモノで突破しようとして失敗した作品も幾つか見られた。熊尽くしなあの作品も大味過ぎて直ぐ飽きが来たし、見ても見なくても人生変わることはない作品で秋は満ちていた。

前記した二作品や続編勢、”呪術廻戦” ”無能なナナ” ”アクダマドライブ” ”体操ザムライ” ”魔女の旅々”などがあればこそ、良作が豊富と云うイメージを残せたのではなかろうか?呪術廻戦はまだ放送中であるし、大人気なのであえて言うこともないが、人類の敵と戦うために集められた能力者の少年少女達を、将来的に人類に仇なす存在として無能力者の少女が殺そうとする”無能なナナ”や、アクダマと呼ばれる犯罪者達が己がルールを突き通し果てていく”アクダマドライブ”のような正しいはずなのに正しくない物事を描く作品に関しては思うものがあったと言っておきたい。序盤とはまるで違う存在感を醸し出していた後者は特にダークホースだった。




ある意味予想通りだったのは「体操ザムライ」。コーチから引退勧告を受けるも、それを覆して最高の体操を披露する中年の生き様と、それをとりまく者達のコミカルさとシリアスが良いバランス感覚だった。もしかすると優等生過ぎてアレだと言う人がいてもおかしくないくらい鉄板と言うか磐石と言うか、言うことなしに楽しませてくれた。

憧れの魔女になった少女が、様々な国を旅する「魔女の旅々」に関しては、少々むらっ気があったように思う。このエピソードは最高だ!と、思うものもあれば、そうでもない物もあったし、キノ◯旅ほどの陰鬱な展開は抑え目にしているため、物足りなさを感じることもあった(過去へ飛ぶ、あのEPはかなり頑張っていた)序盤からかなり気に入ってしまったため、終盤にかけて期待値が跳ね上がり、最終的にキツい物言いになっているのはあるかもしれないけれど....


勝手に期待値を上げてしまった作品としては「禍つヴァールハイト」もそうだった。特別な能力を持つヒーローが何かを成し遂げるわけではなく、大勢に流されながら鬱屈し、自分に出来ることを精一杯やっただけの者達の話で、群像劇としての出来が良かった為、途中まで基本無料ゲームアプリ原作であることを忘れてしまいそうだった。作品の性格上、終盤は外連味が増して残念ではあったけれど、アニメスタッフはよくやったと思う。原作ゲームはアニメ終了から1ヶ月もしないうちに、日本におけるサービスを終了させると発表したわけだしね......



あぁ....これはサービス終了するかもなぁ......






もう冬アニメは追いつけそうにない。ガンガン1話切りに専念する予定だ。

積んでいる海外ドラマも多過ぎて泣きそうなのに、これ以上時間を無駄にするようなアニメを見てる場合ではないだろう.....
posted by lain at 17:34北海道 ☔アニメ

今年30周年の思い出アニメ達

相変わらず冬アニメを殆ど追えていないくせに、昔のアニメを振り返る暇は少しだけあるようで、昨日も深夜までこんなものを纏めていた。



今年30周年を迎える懐アニ

TVシリーズ

 「きんぎょ注意報!」 1/12〜
   (放送時間の影響で、ほとんど見ることができなかった。なんかちょっと、ちゃんと観直したい作品)

 「トラップ一家物語」 1/13〜
   (家族が揃って見ていた最後の世界名作劇場作品かもしれない。内容は完全に忘れているけれど、ナチスから「ハイルヒットラー!」と云うのを強制された時に「アヒルこけたー!」と言い換えて楽しく乗り切っていたシーンだけは覚えている)

 「太陽の勇者ファイバード」 2/2〜
   (この手の作品の中じゃ、主役の見た目年齢が20歳と割と上めで、しかも人間ではないと云うから新鮮だった)

 「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」 3/15〜
   (とっさに「今日の僕に、限界はない!」と云う名言を思い出したが、あれはTV版じゃ無かった….)

 「少年アシベ」 4/4〜
   (世の中にゴマフアザラシの癒しを教えた問題作。コミカルな登場人物全てが可愛らしかった。アシベのお父さんですら、萌え需要がガチであるはず。なんて恐ろしい作品なのか…..)

 「シティーハンター '91」 4/28〜
   (前作である3でサブリミナル問題が発覚し、その影響が本作にも出ていたのか中途半端に感じるシーズンだった)

 「21エモン」 5/2〜 
   (ドラ○もんかよ!とタイトルを初めて見た時は思ったものだが、見始めると普通に楽しかった記憶。脚本はまさかの辻真先さんである)

 「OH!MYコンブ」 5/4〜
   (これとこれを合わせるとこの味になる!と云うクソ漫画だったが、当時本当に人気があった。アニメ版はガチで記憶にない。まさかの秋元康が原作だったようだ….知らなんだ……)

 「おにいさまへ…」 7/14〜
   (有名な作品だからタイトルは知っていたが、完全に見たことがないと思われる。出崎統さんが監督をやっていたのだから、死ぬまでには見ておきたい一品)

 「魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて」 10/2〜 
   (初代は見たことが無かった。なんとも言えない切ない後味だった気がする)

 「ゲンジ通信あげだま」 10/4〜
   (基本ギャグヒーロー物で、ポンコツな悪役令嬢がえっちで可愛らしくて、完全にヒロインの座は彼女のものだった。)





 「炎の闘球児 ドッジ弾平」 10/14〜
   (馬鹿どもが真似するから、体育がドッジボールだと地獄のようだった…..)

 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」 10/17〜
   (現在新作が絶賛放送中の本作。誰がどう作ろうと原作力があるから面白い。この人の描く女の子は太ももや二の腕や…以下省略)

 「横山光輝 三国志」 10/18〜
   (流石に原作通りには作れなかったが、お子様の自分には十分楽しかった。俺たち世代の三国志は間違いなく横山光輝かコーエー)

 「丸出だめ夫」 11/2〜
   (これまた内容まるで覚えていないけれど、愛嬌のあるボロットの存在だけはうろ覚え。好きだった気がする。)


 OVA

 「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
   (初代とZを繋ぐ作品として大いに楽しませてくれた。ただシリーズの引き伸ばしの為、ニナとガトーの過去をでっち上げた件に関しては未だに許せそうにない.....)

 「創竜伝」6/25〜
   (原作を読む前に地上波放送で知った創竜伝。とうとう完結したと云うから1巻から読み直したいが.......)

 「3×3 EYES」7/25〜
   (多分初めて読んだヤンマガ作品だったと思う。無知故に、かなり世界観に乗せられたものだった。パイがひたすら可愛く、彼女の為に傷つき続ける八雲がまた美味しい役だった。「無限の住人」にも通ずるものがあるかもしれない。OVA版は、まあそこそこね.....)

 「DETONATORオーガン」7/25〜
   (簡単に言えば侵略者と戦う変身ヒーロー物だが、あの当時に特撮系アニメをやらせたらこれ以上のスタッフは望めないくらいの製作陣が揃った作品なので、平沢進さんの音楽と共に体験して欲しい逸品)

 「超人ロック 新世界戦隊」8/22〜
   (誰がなんて言おうと日本製エスパー漫画の最高峰だと俺は思う。基本的には浪花節なので、SFが苦手な人でも楽しいはず)

 「人魚の森」8/〜
   (誰もが求めるはずの不老不死を叶えてしまった2人の憂鬱な旅がなんとも言えず、数多の高橋留美子作品の中でも忘れ難いものがある)

 「帝都物語」9/27
   (制作マッドハウス、シリーズ監督”りんたろう”と云う今考えたらこれ以上無いアニメ化だったかもしれない。)

 「究極超人あ〜る」10/23
   (言えることはただ一つ。神谷明さんと塩沢兼人さんが最高過ぎると云うこと。特車二課でもなく渡会牧場でもなく俺は光画部に入りたかった)

 「ここはグリーン・ウッド」11/22〜
   (心から、ここから離れたくないと思った学園物は本作だけ。ほぼ全ての媒体でOVAを購入した。絶版寸前のドラマCDやサントラも取り寄せしてまで全て揃えた。おそらく後にも先にもそんなことはしないだろう。緑林寮のみんなを心から愛してる)






劇場版

 「アルスラーン戦記」8/17
   (俺たち世代にとってのヒロイックファンタジーの金字塔で間違いなし。荒川弘版だけでなく、旧アニメ版も見て損なし)




 「おもひでぽろぽろ」7/20
   (もう一作ほどやって欲しかった高畑勲さん。いよいよ"おもひで"の中の人になってしまったのが切ない.....)

 「機動戦士ガンダムF91」3/16
   (富野作品の中で、単体としての完成度が一番高いと思う。このバランス感覚でGレコを撮れていたら、もっと幅広い層に愛されたかもしれない)

 「ふしぎの海のナディア」6/29
   (TVシリーズから三年が経ったと云う設定は割と好きだったが、庵野が参加しないだけでこれほどスカスカになるのかと云う惨状も見られて残念だった)






個人的に好きだったもの、記憶によく残っていたものだけを抜粋してもこの量である。自分の青春時代のアニメも捨てたものではないなと胸を張りたくなった。先にやった物の方が優れているだなんて言うつもりもないが、手描きでここまでやったのか?今見ても面白いぞ!そんな風に、まだまだ感じられる作品は多々あるのではないだろうか?自分の半分ほどしか生きていない若者が、AKIRAすげぇと狂喜することだってあるわけで、どれだけ効率化の波が来ても手描きの味わいだけは再現出来る日本アニメであって欲しいものである。


そして、今放送中のアニメの中で、一つでも良いから30年後に誰かが懐かしく振り返りたくなるものがあれば良いなと心底思う。

そうじゃなきゃ、日本のアニメ制作そのものが途絶える日も遠く無いだろう。

今にだけ響くのも良いが、30年後にも響いていた方が断然嬉しいよね?







関連過去記事
posted by lain at 20:07北海道 ☔アニメ

自分が選ぶ。それが一番難しい世界「馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow」森博嗣/講談社/感想

日曜日を迎える度、自分はクズだなと思う。

連休が少ないのを言い訳にし、家事全部を放っぽり出して汚い部屋に篭り、食事と居眠りの合間にゲームと動画でだらだら過ごし、0時を越えて月曜になっても寝るのを惜しんでパソコンに向かっているのだから、そりゃ誰がどう考えても駄目人間である。



しかし、駄目とはなんなのか?誰から見て駄目なのか?どうして駄目だと思ったのか?本当に優先すべきことだと信じているのなら、それは駄目なことではないのでは?今回の休日の過ごし方だけの話をするならば、自分自身が気持ち良く過ごす為にも、本当は家事をやりたかったと云う思いがあるのだから駄目で間違いないが、誰かの思い込みや押し付けで駄目と云うのが社会には付き纏うものである。

ルールで許されていないから。他の大多数がそうしているから。そして最後には「あなたのためだから」と社会は個人を制御する。しかし、そう決められているからって、守らなきゃいけないと云うのは少し違うだろう。人間にはやりたいことをやれるだけの自由はある。その結果がどうなるにしてもだ。そこを履き違えているから、間違ったルールすら受け入れて頼りに生きてしまう。日本人には特に当て嵌まる光景だ。

もしも自分がそのような沼に嵌まり込んでいることに、気付いていない人がいたとしたら、本作を読んでどう感じるのだろうか?


"探偵は匿名の依頼を受け、ホームレス青年の調査を開始した。対象は穏やかで理知的。危険のない人物と判断し、嵐の夜、街を彷徨う彼に声をかけた。その生い立ちや暮らしぶりを知るにつれ、何のために彼の調査を続けるのか、探偵は疑問に感じ始める。青年と面識のあった老ホームレスが、路上で倒れ、死亡した。彼は、1年半まえまで大学で教鞭を執っていた元教授で、遺品からは青年の写真が見つかった。それは依頼人から送られたのと同じものだった。"
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あらゆる常識に対し「本当にそうだろうか?」と客観的に思考する森博嗣さんがホームレスの青年を介し放り投げた疑問は、自分が昔から抱えているもやもやと重なるものがあって、たかが社会不適合者の末路だと切って捨てるのは無理だった。森さんが小説家を始めた頃の実験的ミステリーの遊びも無ければ、Xシリーズでお馴染みの2人でほんわかする暇も殆どないまま、淡々と世捨て人と成り果てた青年と、その周辺の人間模様が繰り広げられ、”彼”が最後に自らの意思で成し遂げるまでの渇いた感じが非常に美しかった。

ハードボイルドで片付けるのも勿体ない気がするほど、キレキレの思想が恐ろしくもあり、本当にこんな本を書ける人が小説家を引退する日が来てしまうのだろうか?と思ってしまった。カリスマ製造機としてまだまだ活躍して欲しいのがファンとしての正直なところではあるけれど、本当にどうなのか?まだ辞めたいのだろうか?



人間はどうしても他者と関わらないで生きるのが難しい。特に今のように、何処でどう生きていても誰かの管理下に置かれてしまう社会であれば尚のことである。真に自分の意思で行動すると云うことは不可能に近い。僕は日頃自由過ぎる同僚や上司に腹を立てることも日常茶飯事で、云うこと聞いてくれよと嘆いているけれど、それだって社会の枠組みに呑まれているだけに過ぎない。

自らの自由意志を貫きながらも、社会と上手く付き合うなんて離れ業が可能なのは、ルールを押し付けている側だけなのでは?そんな世界だから「馬鹿と嘘の弓」の青年はホームレスになったのではないのか?

永遠のジレンマとでも云うべき森博嗣さんからの課題に、初老を迎えた自分の脳細胞が軋む音まで聞こえてきそうである.....






posted by lain at 21:08北海道 ☔小説