不満と不満が溢れそうな夏アニメ

コロナが流行る前から、今年の夏は暑くなると言われていたが、まさかここまでとは思っていなかった。各地大雨に見舞われている中、我が旭川では去年同様7月は全然雨が降らず、会社の敷地も渇き切り、ちょっとしたことで埃が舞って不快極まりない状況である。

そうは言っても北国はお盆までが勝負。終わってみれば、この暑さもあっという間に感じるに違いない。これから夏本番と言う南の皆様には同情を禁じ得ない。このまま温暖化が進んで行ったとして、僕らは何処まで耐えていけるのだろうか?....




そんな暑い夏が運んで来た新作のアニメ達だが、個人的には不作としか言いようがなかった。Netflixで公開済みの作品の地上波放送であったり、コロナの影響で延期していた春アニメが沢山スライドして来たせいもあるが、それ以上に題材や質の面で納得の行く作品が少なく感じたのである。

たとえば「宇崎ちゃんは遊びたい!」は、”ぼっち”な先輩を見かねて後輩女子がお節介にもウザ絡みすると云うのが正にウザく感じて先を見る気にならないし、なによりロリ巨乳のリアリティを全く感じない作画が好みではなかった。「旗揚!けものみち」の三浦和也監督なので、続けて見ていれば何かしらの面白みは得られるかもしれないが、そこまでして観たい作品では無さそうだ。

同じように題材が嫌いと云う点で「彼女、お借りします」は駄目だった。あっという間に彼女に振られた大学生の男が、親から預かった大事な金でレンタル彼女に手を出し、その後ひょんなことから”その”彼女と再会して距離が縮まっていく、みたいな話なのだが、誰かの彼女のフリをして金を手にしようとする女と、金で彼女代わりを手にしようとした男の選択がある限り、それを純愛に変換していこうとする展開には嫌悪しか湧かなかった。その昔、赤石路代さんの漫画で「P.A.(プライベート・アクトレス)」と云う作品があって、主人公が依頼人の望む役柄を演じる仕事をしていたりしたが、その仕事っぷりはプロフェッショナルに徹していて、本作のような不純な動機をまるで感じないものだった。世代の差なのか、単純な好みの問題なのか分からないが、兎に角僕は「彼女、お借りします」を好きになれそうにない。




今回は”好き”な物ではなく、”嫌いな”物をあえて書いているが、質の面でアホかと思った物の話もしておこう。ずばり名指しになるが「異常生物見聞録」と「GIBIATE(ジビエート) the Animation」は非常に残念でならなかった。前者に関しては何がどう駄目なのかを口にすることすら嫌気が差すほど駄作で、後者は在り来たりな荒廃した日本に侍と忍者をぶち込んだSF作なので、見ようによっては、そこそこ楽しめるかもしれないものの、元々のキャラ原案である天野喜孝要素をまるで感じないことが鼻について見る気が失せてしまった。これではただの客寄せパンダである。結局天野喜孝氏の絵が自在に動くアニメーションなど、この先も見ることは叶わないのだろう。押井守氏の「天使のたまご」が如何に凄いかを痛感する一幕だった。






今期のアニメに満足している人達の中には、おそらくエロアニメの豊富さでホクホク顔になっている人がいることだろう。それぞれ出来不出来はあるが、人々からエロスを奪おうとする怪人キセイ蟲達と戦う高校生ヒーローがエロ可愛い「ド級編隊エグゼロス』や、地上最強の男になった主人公が、その子種を狙われると云う「ピーター・グリルと賢者の時間」、少々エロスのベクトルはマニアックだが前記の2作より、ちゃんとヒロイン達の特性を活かした作品作りをやっている「モンスター娘のお医者さん」など、ジャンルも被らない幅広さがある。個人的にはどの作品も最後まで見るかは怪しいが、ケンタウロスの娘に蹄鉄を打つシーンが案外まともな手順で作画されていたモンスター娘のお医者さんは、もしかすると最後まで見るかもしれない。






最後まで見るか迷っている作品は他にもあって、魔法学校入学早々問題児だらけの班に放り込まれた少女の歌と魔法の青春ストーリーらしい「Lapis Re:LiGHTs(ラピスリライツ)~この世界のアイドルは魔法が使える~」や、転生した魔王が自分の地位と名誉を大雑把に取り戻していく「魔王学院の不適合者」の扱いに困っている。ラピスリライツは売りである作中の歌唱シーンのテイストがまるで俺好みではないし、事あるごとにウチの母ちゃんの飯食べてくか?とやる魔王のキャラ設定に白目剥きそうな魔法学院の不適合者は良さと悪さが鬩ぎ合っていて、正直悩ましい.....



こうなって来ると、普通に何期も続いている続編勢に手を出したくなってしまうわけだが、まるで完全新作が無いわけではない。最強の高校生を決める大会という酷く分かり易い内容の「THE GOD OF HIGH SCHOOL」はMAPPAの仕事だけあって良く動くから大味なストーリーや設定など吹き飛ばす熱量が1話目からあるし、逆に1話目は一部のシーンを除いて”ありがち”なSFなのに2話目からのギアの上がり方が半端では無い「デカダンス」の段飛ばしな成長も見応え抜群だ。この二本に関しては見れる環境にあるなら是非とも見てもらいたい。










見る物が無いわけじゃないが、不満が先を行く夏ではある。

コロナの終わりが見えない現在、これから先もこのようなアニメ界隈を見る羽目になるのだろうか?








絶対見る



ネトフリでちゃんと見てなかったから見ようと思うやつ



多分見る



見たいけど現状2話以降、配信サイトに金を落とさないと見れそうにない.....









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posted by lain at 22:27北海道 ☔アニメ

あなたが劇場で観たい過去アニメ映画とは?「機動警察パトレイバー the Movie」4DX/感想

どうにも古い映画ばかり観ている気もするが、今回はパトレイバーの劇場版一作目を4DXで観て来た。






ナウシカにしてもそうなのだけど、古い映画を先端の鑑賞スタイルで観る事に、果たして何処まで意味があるのか?と云うのは付いて回るわけだが、実際観てみると様々な再発見と新体験が待っているから不思議である。

そもそもパトレイバーなどは、ナウシカの比では無いほど個人的には観ている作品であり、それこそこれ以上観ても素直に楽しめるか不安ですらあったが、観賞後に寄った何十年も通っているラーメン屋の味と同じように、何度目だって変わらない良さを感じて楽しめた。癖のある登場人物達のわちゃわちゃした掛け合いと、所謂”押井節”の泥沼感のバランスの良さがこれでもかと詰め込まれた作品だなと改めて思った。2作目より断然1作目と云う意見が多いのもよく分かる話である。ただ、俺は2作目の沼も大好きであることだけは明記しておきたい。




パトレイバーはメディアミックス作品として幅広く成功したが、その制作集団ヘッドギアに後から参加する形になった押井守と他のメンバーの間で、何かとやり合う形になって、某氏など押井氏と絶縁状態に陥っていたとさえ云う。作り手なのだから自分のやりたいことがそれぞれあるし、何せメンバーが”ゆうきまさみ”、出渕裕、高田明美、伊藤和典、押井守なのだから当然だったはず。しかし結果として個性がしっかり出たアニメに仕上がっていたのだから、そういった衝突すら糧になったと見て良いのだろう。

それはそれとして、2度目の4DXで感じたのは、動きが激しい作品はちょっと疲れるかなだった。物静かなシーンも多いパトレイバーだが、レイバー同士の戦いは非常に激しいし、何より水が絡むシーンが多くてびしょ濡れとなり、夏なのに涼しさを通り越しそうだった。頭部両サイドからエアーを放出する時や、背中をピンポイントで突くような動きも少々使い所が難しいなと感じたし、風を吹かせる時のファンの音が結構気になってしまう。あと、前も書いたが目の前から飛んでくる水が目に入る高さなのは勘弁願いたい.....








懐古趣味と斬って捨てられそうだが、こうして過去作を連チャンで見ていると、子供だったから、まだ生まれて居なかったから観に行けなかった時代の作品を、劇場で観たい欲が擡げ出してくる。真っ先に浮かぶのはガイナックスの「王立宇宙軍オネアミスの翼」だ。めぐりあい宇宙やアンドロメダ終着駅も捨て難い。押井守繋がりで云うなら天使のたまごだって劇場だとヤバそうだ。あの時代の作品の音の強弱演出は秀逸だから、劇場の音響で体験する価値は必ずあるはずである。







公式HP https://patlabor.tokyo
posted by lain at 01:23北海道 ☔アニメ

京アニと伝わらない想い

うちの母は、朝起きるとラジオをつけて家事をする。自律神経に良いのだと云う。

自分も朝の用意や、昨晩片付け忘れた食器などを洗うから、自然とそれが耳に入ってくるわけだが、今朝は響け!ユーフォニアムの「サウンドスケープ」が流れてきて、京アニのことを思わざる得なかった。








”あれから一年”


そう切り出してニュースでも取り上げられていたが、未だに京アニの一件を思い出すと目から汗が流れて止まらない。ようやく犯人の治療も進んで事件が動き始めてはいるものの、何をどうやったところで失われたものは戻らないのだ。


昨夜はつい、Netflixで「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の番外編を見てしまった。誰かに宛てた手紙の代筆をする仕事をする元軍人の少女が、様々な人の愛に触れて、その意味を知ってゆく話なのだが、番外編では手紙ではなく歌詞となる文面を考えて欲しいと云う依頼に振り回されることになる。ほんの30分弱の映像になるが、依頼人と少女の感情を丹念に描いているから充足感が本当に高かった。京アニと言えばの背景も美しいばかりでいつまででも眺めていられそうだった。



アニメを好きなら、大勢がその名を知る京都アニメーション。元請として仕事をする前から仕事の良さに定評があったから、後からフルメタふもっふがTVシリーズの元請デビューと聞いて意外に思ったものである。それから十五年以上を経て、見事に自社のブランドを磨き上げて来た最中の出来事だったから残念で無念でそれ以上の言葉が見つからない。

他人を羨んだり、自分を過剰評価して承認欲求を晴らそうとしたくなる瞬間は自分にもあるが、それと同じだけ己れの未熟さに対する怒りがある。犯人にもそれがあれば違ったのだろうか?せめて京アニ作品から何か得ていれば、あそこまで惨たらしい兇行に及ばなかったのではなかろうか?.....





誰がどんな思いで何を作ろうとも、結局は受け取るもの次第。作る側でない以上、大した事は言えないし、言ってはいけないと思うけれど、作り手と良いキャッチボールができる受け手であり続けたいなと思った。


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posted by lain at 07:09北海道 ☔アニメ