君もエクソダス、するかい?「メトロ エクソダス」PS4/Xbox One/スパイク・チュンソフト/Deep Silver/2019年/感想

中高生の頃、学校へ通うため毎日のように利用していたJR。田舎だから電車ではなくディーゼル機関車で、田舎路線は1時間に一本あれば上等だったりするから利便性は低いものの、バスすら1日に何本あるか分からない地域だったから個人的にはそこそこ重宝していた。

列車は好きだったと思う。車を運転するようになって疎遠になってしまったが、鉄道マニアだからとかではなく、ホームに列車が辿り着くまでの待ち時間や、レールの継ぎ目毎に鳴るガタンコトンと云う響きに身を任せ車窓の外を眺めるだけの退屈な時間が好きだったのだ。

まあだからと云う程でも無いが、メトロエクソダスの蒸気機関車でもって安住の地を探す旅は案外愉しめた。





核戦争後の混沌としたロシアを舞台にしているメトロシリーズ。3作目である本作では、地下鉄跡以外でも人間が生き残っており、自分達も外で暮らして行けるのではないのか?と云う、シェルター暮らしが続く者達の藁にもすがるような思いが描かれていた。彼らは保守的な者達の妨害を受けつつも地下施設から脱出し、地上での生き残りが居ると思われる場所を転々とするのだが、極限状況下を生き抜いてきた者達の狂気を目の当たりにしてしまう。

仲間同士支え合って最後には……と云うドラマチックな展開に物語はなっていくのだが、ステージの進め方により(無闇に殺傷しているとバッドエンド真っしぐら)残念な終わりを迎えることもあるマルチエンディングを採用しているため、グッドエンドを目指すなら縛りプレイ(基本的にスニーキング有りきで、最低でも相手を素手で気絶させるまでしか許されないレベル)が必須となり、ストレスが非常に溜まる羽目になるのが少し残念。一応グッドエンドで終えたが、後で見たバッドエンドもなかなか悪く無い演出なので無理してグッドエンドを迎える必要は無い気もした。

ただ、死なずに済んだはずの仲間を失うのは切ないものがあった。メトロシリーズお馴染みの些細な会話の豊富さのせいだろう。さっきまで軽口を叩いていた者が居なくなる寂しさを普通に痛感してしまうのだ。他の仲間達も口々に死んだ仲間のことを惜しむため、プレイヤーへの責め苦がどんどん押し寄せ、なんとも言えない気分になる。しかしネガティブなことばかりではなく、例えばクリーチャーや狂人を相手にして列車に戻った時、彼らがいてくれるからこそ”帰ってきた”と言う気分になれる側面もあって、この安堵感はなかなか得難い体験になるのではなかろうか?

FPSと言うジャンルのゲームは基本的に殺伐としているもの。陽気にバカ騒ぎしているように見える作品ですら片道切符の旅でしか無かったりする。でもそこに帰れる場所があると云うだけで、ウンザリするような戦いにも意味を見出せて頑張れてしまったりしないだろうか?”1人でも生きていける”そう嘯けるほど若くない自分としては、メトロのプライベートが筒抜け状態のコミュニティも悪く無いなと感じてしまう。渇きしかないゲームを延々と続けられた昔の自分など、今となっては知らない誰かのようである……

EbmHJRcU0AE7NwB.jpeg
こんなむさ苦しい歓迎ですら、なんだか胸が熱くなってしまう....




今日でXboxのゲームパスから外れるメトロエクソダス。ちゃんとクリア出来て本当に良かった。これを逃したらまた積んでいたことだろう。完全なるオープンワールドも良いが、場合によってリニアなステージを盛り込んだ物の方が好みかもしれない。やりこみ要素が目の前にちらつきすぎるゲームはクリアする前に飽きが来てしまうから悩ましい。これを機会に、ちゃんと終わりのあるゲームを定期的にやって行きたいものだと思った。

次は何にしようかしら?......









関連過去記事
posted by lain at 22:37北海道 ☔ゲーム