ふしぎの海のナディアから30年経って思ふ事

ガイナックスと云えばエヴァと答える人がもしかすると多いかもしれないが、個人的には「ふしぎの海のナディア」が最初だったかもしれない。

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※1話目のみ無料



残念ながら姉達とのチャンネル争いやビデオデッキの取り合いをしながらの視聴だったから、飛び飛びでしか観れなかったものの、それでも十分にインパクトのある作品だった。生まれを知らない褐色の少女とメカオタクの少年が、彼らを取り巻く大人達の事情に巻き込まれながら、楽しいだけではない冒険の日々を過ごして行く様に何度となく心を揺らされた。執拗に少女が身に着ける宝石を狙う秘密結社、宇宙にまで至ることが可能な潜水艦、神話で名高いバベルの塔、ジュール・ヴェルヌの作品を中心に様々な肉付けが行われ、子供向けで此処までやるのか?と云うレベルの生々しさも味わい深かった。今考えると某局でこれをやれたのは凄いことかもしれない。嘘っぱちの試作で本製作の金を勝ち取った王立宇宙軍と同様に、ガイナックスの誰かが上手いことやったのだろうか?



1話を改めて見返してみたが、思い出補正を抜きにしても素晴らしい構成のOPだった。キャラやメカの見せ方がよく分かっている作りと言える。ただ本編の作画は初回から不安定であるし、シリーズ全体の構成は言わずもがなであった。本格的なTVシリーズが初めてだったことを鑑みれば、些細なことかもしれないけれど、良い時と悪い時の振り幅が大き過ぎるため、死ぬまで忘れられそうにない.....

あの頃のギラギラした姿が見る影も無い現在のガイナックス。ナディアから30年経った寂しさより、30年保たなかった情熱の消失の方が寂しくてたまらない。何がここまで狂わせてしまったのだろうか?


ことある毎にガイナックスについて嘆くのは、本当にやめにしたいところである.......
posted by lain at 21:20北海道 ☔アニメ

春に終わったアニメの話をするフリをする中年の話

いつも通り、順調にアニメの消化が遅れ、4月も三分の一が終わる今になって春終了の作品をほぼ見終わった。見ても見なくても良いような作品まで結局最後まで見てしまったから少々食傷気味。



端的に言って普通に充実した作品群だった。現場に残された殺意を採取し、犯人の無意識世界を構築して、其処に名探偵と自称する者を投入して事件解決の糸口にすると云う特殊な刑事物であった『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』のようなガチ作品から、女性層から総スカン(死語)を受けそうなレベルで異世界の異種族風俗をレビューすると云う違う意味でのガチ作品まで、色取り取りのアニメがあった。どれもこれも面白く、正直面倒なので一つ一つ取り上げる気にもならないので、異世界レビュアーズ並に手抜きの点数(A~C)と一言だけ添えておく。


:ID:INVADED イド:インヴェイデッド 
 (外連味から始めたからこその王道幕引きに大満足だった
:映像研には手を出すな!
 (創ることの全部がダダ漏れな作品なので、そこはあんまり聞きたくないと云う人には勧められない
:推しが武道館いってくれたら死ぬ
 (この距離感の百合は王道ラブコメ状態で癖になる。ドルオタが皆んなこうだったら最高なんだが...
:SHOW BY ROCK!!ましゅまいれっしゅ!!
 (癒し。これに限る。サンリオ恐るべし
:ドロヘドロ
 (魔剣Xの頃には想像出来なかったほどコレでファンが増えた。原作好きも納得の演出に何度もおおっと唸った
:ハイキュー!! TO THE TOP
 (面白い普通に面白い。ただ普通に短かったからB
:ランウェイで笑って
 (原作力と声優陣に助けられていた。それ以外はどんどん品質が落ちていった
:へやキャン△
 (単純にもっと見たかったからB
:マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝
 (序盤は本伝に寄せて頑張ってるなと思ったものの、構成が微妙でイマイチ乗り切れなかった
:異種族レビュアーズ
 (男以外は見ちゃダメ。以上
:異世界かるてっと2
 (安定のキャラ萌え。各作品の続編が見たくて仕方ない
:痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。
 (主人公のチートっぷりと云うより、サイコパスっぷりが怖くて笑えないことも多々
:インフィニット・デンドログラム
 (防振りがマトモに思えるほどアニメ内ゲームのバランスが崩壊している。セリフも寒くて辛かった
:空挺ドラゴンズ
 (3DCGの仕上がりは好みが分かれる。しかし某ナ◯シカにも通ずるような世界観と食への素直さがなんとも良い作品)
:恋する小惑星
 (百合としてはかなり良い。天と地のことについても結構頑張っている。刺さる人にはかなり刺さるはず
:ソマリと森の神様
 (作画は及第点。演出と演技は最高点。緻密な絵やぬるぬる動く動画だけがアニメではないことを証明していた
:22/7
 (良くも悪くもアイドルのプロモーション映像と言った感じ。ただ、滝川みゆの本音入り混じる序盤のセリフには痺れた
:ネコぱら
 (ただのエロゲーからの刺客かと思いきや、案外猫が猫してて、エロ要素不要なのではないかとさえ思った。カカオが愛おしい
:はてな☆イリュージョン
 (OPテーマを歌うLiyuuと、夢未ちゃんが可愛い以外の感想を持ち合わせない....
:pet
 (本当はAでも良いくらい。人の記憶を弄る能力者達の愛憎がたまらなくご馳走だったと同時に、この尺では伝え切れていないのが残念
:魔術士オーフェンはぐれ旅
 (全て原作力に負んぶに抱っこ。再度映像化する意味が霞んでしまった
:群れなせ!シートン学園
 (妙な違和感は付き纏うが、動物達の生態を面白く扱っているのは悪くない。CV木野日菜が成人してるとか絶対嘘
:あひるの空
 (中年には刺さるが、若い人にこのヤンキー塗れなバスケ部は刺さるのだろうか?普通に好きではあるけれど
:歌舞伎町シャーロック
  (シャーロキアンなんて糞食らえ!と言わんばかりの新機軸。シャーロックな腐れもここまで来たら芸術レベル)
:Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-
 (アクション作画は素晴らしいがFGOを嗜む人へのボーナスでしかない。新規お断り
:僕のヒーローアカデミア(第4期)
 (普段は省エネでやりつつ、ここぞと云うところでガッチリ作画が熱い
:魔入りました!入間くん
 (何もかもがポップでテンポの良い作品。程よいシリアスも込みでパーフェクトなパッケージング
:ラディアン 第2シリーズ
 (地味に良い王道ファンタジー。作者が日本の漫画好きなため、ある意味逆輸入的な良さが出ている
:虚構推理
 (構成が微妙だが、設定が面白くて最後まで見てしまった。終盤は少々杓子定規なストーリーで残念
:地縛少年花子くん
 (絵は綺麗で可愛い。ただ動きは少なめ。主役の少女のぶっちゃけた欲望が
:宝石商リチャード氏の謎鑑定
 (なかなか楽しめたものの、腐れ要素のバランス調整が微妙だったことがマイナス。




全体的に感じたのは、異常さが際立つキャラクターが多いこと。奇抜さが欲しいのは分かるが、それって自覚症状あって作ったキャラなの?と思ってしまうことも結構あった。特にゲーム世界を元にした作品のキャラクターに顕著で、防振りの主役のようにたとえゲーム内であっても平気な顔で残虐な行為を行なって見せたり、同じようにリアルなゲーム世界だからと云って現実と混同したかのように入れ込んで振る舞うインフィニット・デンドログラムの主要キャラ達の様子も異常そのものだった。逆にそのような精神状態に陥っていることを客観的に捉えた作品があっても良いのではなかろうか?奇抜さが欲しいと云うのなら....

この手のゲーム世界ネタは、.hackやSAOで丸裸にされて来たところもあって、正直何をどうやっても二番煎じに見えてしまうことが多い。ゲーム世界だけでも、現実世界だけでも成り立たないのがこのジャンルだから、そのどちらかがおざなりになっている作品はイマイチ面白味に欠ける。オーバーロードやログ・ホライズンのような作品もまだまだ出て来るに違いないが、飽和状態はいつまで続くのだろうか?次なる流行りはなんなのか?

例のウイルスの影響でアニメにまで影響が出ている今こそ、小銭稼ぎだけじゃない目線で何を創るべきか考えるべきだと思う。ジリ貧の会社に云っても仕方ないが、十分なバジェットが有る会社は是が非でも悩むべきだ。それだけの責任はあるだろう。



良い物を作れば必ず次に繋がる。それだけは間違いない。たとえ会社がそれで潰れたとしても作り手は生き残るし、作品を見た者達の中から次代の才能が現れる。手塚治虫の後に宮崎駿が台頭して来たように、宮崎駿の次の世代、そのまた次の世代とクリエイターは育って来ている。手描きからデジタルへの移行もあり一概に比較は出来ないが、良い物を見て良い物を作りたくなった人が大勢いるのだ。極論創作者を育てるのは創作者ではなく、創作物であると言える。汚い話、創作者の排泄物を観察することでしか本当の意味での勉強は出来ないのである。

だからこそ良い作品を残して行こうじゃないか。見るだけの人間が好き勝手云うのもあれだが、正しい価値観に思えてならない。ついでに言わせて貰えば、アニメばかりを見てアニメを創るのもナンセンスだ。それではただの劣化コピー作業である。生の物を飽きるほど見る。飽きることを忘れるほど見続ける。それがこの世に存在しない物に命を吹き込む要だ。





また新しい季節と一緒に腐る程新しいアニメがやってきた。今度はどんな絶望と希望を与えてくれるのか楽しみである。
posted by lain at 13:45北海道 ☔アニメ

金は稼いでも洗っても失っても虚しさが付き纏う「オザークへようこそ シーズン3」Netflix/感想

ウチは今も昔も普通の貧乏一家。末の娘に甘かったと云う爺さん(物心ついた頃には亡くなっていた)のお陰でそこそこの土地にこじんまりとした一軒家で暮らせているが、貯蓄はほぼ皆無で何か大きな買い物をする際はローンに頼るしかない。借金も財産だと口にする人も居るが、そんなものは無いに越したことはない。自分や家族がいつまでも働き続けられることを前提にして思考出来るほどポジティブな人間ではないのだ。

結局のところ喰われる側に居るだけの話だが、それでも金を腐るほど持ち合わせているような人よりはマシだと思っている。株や為替、土地や物を安く買い高く売りつけ金を手にするようなことはとてもじゃないが好きになれないし、他人の金でお気楽に生活するような人間もマトモには思えない。財テクによる利益も努力の結果だと云う人もいるだろうが、金儲けとは必ず誰かのを奪わない限り増えたりしないわけで、誰もが努力すれば報われる類のものでは決してない。しかも金の場合そのマネーゲームに参加した人間以外に影響が出る場合が多いからタチが悪いのだ....



前置きが長くなったが、要するに「オザークへようこそ」もその”タチの悪さ”が半端ではないと云う話。マネーロンダリングを行なっていた男”マーティ”が、嫁とロンダリング仲間のしくじりのお陰で都会に居られなくなり、田舎で命懸けの資金洗浄を余儀なくされるというのが本作の導入だが、金を洗うことから抜け出せないどころか、家族ぐるみでそれをやり始めるというのが実に救いようがない。政府機関による助け舟が出ても、夫婦の意見が一致しなかったり、カルテルや地元の連中に掻き回されてしまうのも遣る瀬無い。

だが、それもこれも、それぞれがそれぞれの利を元に行動し続けた結果でしかなく、彼らが不幸から逃れられないのではなく、彼らこそが周囲を不幸にしながら生き延びる元凶ですらある。全てを受け入れたつもりでも、節目節目で感情を爆発させる彼らの子供達が不憫でならない。先月配信となったシーズン3でも普通じゃないが普通の人代表のようなポジションの嫁弟が子供達の心を解した後、砕く存在となった。彼は病気で精神的に不安定な人間だったが、言っていることは至極当たり前のことばかりで、悪を日常化してしまったマーティ一家と視聴者に現実を叩きつける良い登場人物だったと思う。政府機関とカルテルの板挟みに遭いながら、苦楽を共にした者達との別れを経て、彼らは一体何処に行き着くと云うのか?にしても、他人事だから楽しめてしまうのも、なかなかに罪なことなのだろう......






自業自得

切って捨てるならこの一言で済む話だ。そもそも資金洗浄などやらなければよかったのだから。マーティほどの男であれば、普通にしているだけで裕福な生活が出来たはずである。ドラマなのだから、そんなことを突っ込んでも仕方ないわけだが、実際にこうした生き方をしている人も確実にいるだろうし、そうでなくとも金で遊ぶことに魅了された人は大勢いる。使うこと以上に増やすことに夢中になることの方が厄介なのかもしれない。

麻薬カルテルと関係を持つことなど、まず無いだろうが、金儲けにはトラブルは付き物だ。だからせめて”やったこと”は”やり返される”かもしれないことだけは肝に命じて勤しんで欲しいものである。なるべく僕に関係の無いところで。







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