人一倍不器用な男が唯一の武器で牙を剥く。それが、どうしようもなく好きなのだ....『amazarashi Live Tour 2019「未来になれなかった全ての夜に」Zepp Sapporo』感想

去年まさかのダブルブッキングをやらかし、どうしても今が旬なNakamuraEmiを諦めきれず数年ぶりに秋田ひろむのシルエットを拝まなかったわけだが、そのしっぺ返しなのか今年は指定席を確保出来なかった。しかしそのお陰で会場に目一杯お客様が入っていることを身をもって知ることが出来て、なんだか嬉しかった。赤字が解消したかどうかは分からないけれど「誰だお前は?」とamazarashiに対し口にするような人は音楽好きの中でまず居なくなったに違いない。


前々から多かったものの、非常に若い層が増えたなという印象も受けた。身なりにお金もかけられない感じの素朴な10代が独りで参戦という姿をチラチラ見かけ、アニメの影響もさることながら秋田ひろむの言葉にグサリとヤられたんだろうなと、嬉しさ半分、心配半分といった感じがした。17時開演というのは若者に丁度良かったのでは無いだろうか?親を説得し易そうである。遠征組のオジさん(僕は旭川から札幌まで)としても早い開場は非常に助かった。入場の手際も良くamazarashiとZeppの運営にはグッジョブと言いたい。


それはそうと、ライブそのものはどうだったのかと言えば、普通に前回同様「たられば」で泣かされるレベルで仕上がっていた。序盤随分と優しくて温かい雨を降らせるなぁと思っていたら、終盤しっかり観客を突き放して覚悟を見せつける辺りに痺れた。『まだこの男は死んでいない』そう感じる圧巻のステージだった。数年前の精神的に不安定そうな秋田ひろむにしか出せない色は確かに褪せてしまったかもしれないが、成熟した表現力で繰り出される”現在”の彼の言葉は、ただの戯言で片付けられない場所に到達しつつある。彼が生きるのをやめない限り、俺もまた彼に逢いに行くことをやめないだろうなと心から思える夜になった。




「ありがとう」


彼は感謝でライブを始め、感謝で終えた。


歌詞に何万文字を費やしても足りない全てが、その五文字に篭っていた気がしてならなかった。




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posted by lain at 20:19北海道 ☔音楽