2018年、お前はどんなアニメを見たんだ?

年末年始の休み?そんなもん関係ねぇーよっ!という方には申し訳ないが、昨日から6連休に突入させてもらった。

まあいつも通り何をするでもなくダラダラしているだけで、連休だから旅行に行くとかそういう行事はまるで予定に無いので、これまたいつも通りゲームをやったりアニメを見ているだけであっという間に終わってしまうことだろう。

初日の昨日は見忘れていた平野耕太さんの「ドリフターズ」を観ていた。昔は一定の期間を切り取り(西武時代とか、戦国時代とか)そこで活躍した偉人の話をやっていたものだが、今では時空を飛び越えたコラボ物が非常に多く、異種格闘技戦のようで面白い。平野耕太氏の絵を活かした作画もさることながら、ハーレム物での中村くんでは絶対に見れない演技がすこぶる良い。もっと広範囲で放送して欲しかったなぁ.....





さて、今年はどんなアニメが刺さっただろう?

2018年の年明けは「ポプテピピック」に腹パンされ、「ハクメイとミコチ」にその傷を癒され、「恋雨」に幸せをお裾分けして貰い、「DEVILMAN crybaby」に精神を汚染され、「ダーリン・イン・フランキス」なディストピアに放り込まれつつも、「宇宙よりも遠い場所」で良い夢を見れて幸先が良かったように思う。その後は不作と言われる時期はあったものの、ニッチな作品の中から伏兵がどんどん現れ、一年通してアニメを楽しめた。小説や漫画へのアンテナをあえて立てないようにしている今の自分にとって、良い作品を知り得る場所としてアニメは貴重な存在になっている。アニメ化されなければ「ゴールデンカムイ」も「ヒナまつり」も知らないままだったことだろう。

それと、まだオリジナル作品で勝負出来る環境が残っているのは嬉しい限りだ。ドラゴンとの共生を航空自衛隊を使って描く「ひそねとまそたん 」や、色を失った少女が過去にタイムスリップする青春物「色づく世界の明日から」、そして宮野真守のオンステージから意外と良い話に持っていく「ゾンビランドサガ」の自由さまで、原作に囚われない秀作がかなり見れた。上記の「ダリフラ」や「よりもい」も忘れ難い。まさかのニューヨーク・タイムズ紙にまで高評価された「よりもい」を年間で一番良かったアニメにあげる人も多い(俺もそう思う)




要するに....



まだまだアニメ業界いけるやん?


と思ってしまった次第であります......



劇場版の数も50本ペースで推移し、どんどん動くお金も多くなっている。でも、働いている人にちゃんと金が行かなければ、この状況は続かなくなってしまう。実際今期の某アニメなど、作画崩壊にばかり注目され、内容そっちのけで海外の手が無ければ回らない実情が視聴者に焼き付いた。どうせ出来の悪いアニメなど円盤は売れるはずもないし、原作への興味もそれほど喚起されないのだから、最初から作らなければ良いと思うのは、私だけではないはずだ。まだ呑気に日本のアニメいけるやん?とか思えているうちに、関係者はなんとかしてほしいものである。



いずれにせよ、淘汰はされる。ダメなものは消える。ただ、その時消えてはいけないものまで巻き込まれる場合が少なからずあるから怖い.....

好きな物には残ってほしい。消えるにしても気づかれないように消えてほしい。見るだけの人は我が儘なものだ。




とりあえず、来年も良いアニメに出逢えたら嬉しい。

生きるのも悪く無いなと思えてしまうから。
posted by lain at 09:34北海道 ☔アニメ

やっとこさ悪役グループセラピー観た「シュガー・ラッシュ」リッチ・ムーア(監督)/ジョン・ラセター/ディズニー/感想

二日連続で19時前に帰宅した。ツルツル路面の冬道で、この時間は驚異的。


お陰で某ローマ人のお風呂馬鹿映画の続編も観れたし、前々から気になってはいた本作もちゃんと観ることが出来た。








ディズニー映画のことを話す時、毎回言うことなのだが僕はディズニーアニメの人間のモデリングが気持ち悪くて好きではない。細い首に乗っかったバランスの悪いデカイ頭が無駄に表情豊かで、美人キャラでもちょくちょくドヤ顔するのも鼻についてしまう。ただ、生身の人間があまり登場しない作品や、無邪気な子供たちがメインの作品だと、そういった誇張も気にならないので、シュガー・ラッシュは普通に楽しめた。


建物を壊す悪役を30年もやらされてきたゲームキャラのラルフが、悪役を辞めたい一心でヒーローの証であるメダルを他のアーケードゲームに潜り込みゲットするも、お菓子だらけのレースゲーム”シュガー・ラッシュ”に迷い込んだ挙げ句、生意気な女の子”ヴァネロペ”に横取りされ、メダルを取り戻すために彼女がレースで勝つ手伝いをさせられることになるのだが、事態は思わぬ方向へ進んで行くという話で、実にディズニーらしい綺麗なシナリオと、ゲームをモチーフにした世界観の丁寧な作り込みが上手いなとまず思った。

あまりにも巧みに感情を誘導されるものだから、観終わった瞬間”子供が欲しい....”と、ちょっぴり考えた。日本も少子化がどうのと騒ぐ暇があったら、シュガーラッシュみたいな作品に国費を注ぎ込んだら良いではなかろうか?お一人様が楽しむアニメばかり作っているからオナニー大国なのでは?

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"!"だけの登場でもニヤけてしまう

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悪い顔すら可愛くて仕方ないヴァネロペ





もっと現実に存在するゲームのキャラクターが入り乱れる作品(日本人に馴染みのあるゲームキャラは完全に端役)だと思っていたから、ある意味においては肩透かしなのだけど、そのお陰で気が散らずにラルフとヴァネロペの物語を愉しめたような気もする。唯一残念だと思ったのは、せっかく新しいゲームと古いゲームでキャラクターの動きに技術的な差を付けているのに、2Dゲームと3Dゲームの差を明快に表現できていないのは残念だった。ラルフを自分たちのゲームに連れ戻そうとする準主役のフェリックスJr.が近年のゲームキャラであるカルホーン軍曹に一目惚れするシーンで「あなたほどの解像度の高い顔は見たことがありません」と口にするが、フェリックス本人も十分ツルツルお肌で綺麗なものなのだ。ドット絵そのままのキャラが同じセリフを吐いていたなら、もっとこの映画の凄さを熱弁したくなったに違いない。

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悪役たちが集まり、夜な夜なグループセラピーをやっているの最高だったが、それよりザンギエフが悪役だと初めて知った......


レトロゲームのキャラは皆一様に動きがカクカクしている

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お肌ツヤツヤフェリックス




作中の小道具に書かれた英語を日本向けに日本語差し替える位なのだから、こちらもディズニーに対する要求はおのずと高くなってしまう。

公開になったばかりの続編であるシュガー・ラッシュ:オンラインも同じような手法で作っているのだろうか?

映画館まで独りで観に行くには少々脚が重い作品だが、地上波で放送したなら今度は直ぐに観ようと思った(白目)

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posted by lain at 07:18北海道 ☔アニメ

オススメなんて読んでやらねーぞ!という人にオススメです「零號琴」飛浩隆(著)/早川書房/感想

先週だったろうか?上の姪っ子に「十二国記」を貸してみた。

これまでアニメや漫画は散々観せて来た(半ば強引に)が、活字ばかりの本は初めてである。

受け取ってくれるかどうかも不安ではあったが、すんなり受け取り普通に楽しめているようで安心した。

大きなお友達にも御馳走でしかない異世界ファンタジーで、客観的に物事を考える大事さを教えてくれる小野不由美さんの本は、思春期の子供に欠かせないバイブルなのではなかろうか?実体験(初めて十二国記を読んだのは高校の時)も含め心からそう思う。




熱心な読書好きの中には、他人のオススメする本は読まない人が結構いる。私は人に教えて貰った作品まで消化する気力がないから、他人のオススメを”読まない”ではなく”読めない”部類の人間だが、そういう人の気持ちも分からないでもない。なんと言うか、自分で見つける歓びというのも読書の楽しみの一つだったりするからだ。

とはいえ、雑誌に掲載されている作品だって、よくよく考えれば後に発売となる単行本の宣伝の意味合いが強く、店頭に置かれたポップ広告に目が止まり選ぶのだって完全に誰かのオススメにすぎない。それらをふまえて、完全に自分の力だけで”この本”に出逢えたというのがあっただろうか?と今更ながらに考えてみたが、自分は正直そう言い切れなかった。それどころか能動的な受動というデタラメが成立するときだけ、人は自分で選んだと認識のではないかとすら思ってしまった。


要するに自分で選んでいるようで、その実選ばされているのが人生なのだから(こんな辺鄙なブログに辿り着いたこと自体が、何者かに選ばされている証拠みたいな気がする)黙って”この本”をオススメされて帰ってくれたら良いなという話。







物凄く簡単に言うと、我々の宇宙と似て非なる宇宙の何処かの星で起きた騒動に、主人公たちが巻き込まれるという未来SFで、何が面白いかと言うとオタク文化がこれでもかと”ごった煮”になっているところ。SFとジャンル分けしても差し支えないものであれば、小説や実写特撮、女児アニメに至るまで作品を彩るピースの一つとして機能していて、骨太なSFをそこまで読めていない私ですら”これはあれだ”と顔がニヤけてしまう始末だった。

楽器の中で見つかった赤子である主人公の一人が、我々が想像出来る範囲を超えた馬鹿でかい楽器を扱う技芸士であるという設定も面白く、舞台となる星全体で音を打ち鳴らすまでの過程とその先にある物にも非常に説得力がある。「もの」「かたち」「ちから」の三要素に拘りがある飛浩隆さんらしい、我々の想像力を試すさじ加減で構築された世界観はなんとも小気味良く、レールを敷いているのは間違い無く作者であるのに、読み手も一緒になって作品を作っているような感覚すら覚えるのが素晴らしい。

装丁やタイトル、そして本の厚みだけで躊躇う人も多いやもしれないが、登場人物たちの会話は非常にラノベ調で読み易く(コアな飛浩隆ファンの中には賛否はあるだろう)、コミカルで個性豊かだからキャラ読み勢にもオススメでしかない。飛浩隆入門と言っても差し支えないくらいに、作者が読者に歩み寄っているというか、初めて売ろうという欲を見せているようにも感じる。売ろうとしているなどと言ってしまうと、感じが悪いかもしれないが、長年SF界隈だけで伝説となっていた男が幅広い層に知って貰えるなら嬉しい以外の言葉はない。飛浩隆作品は文庫落ちなどしたことがない(ないよね?)けれど、いっそ表紙をアニオタが喜びそうなものにした文庫版を出してしまえば、更にファン層が厚くなりそうではある。








読み終えたあと、冒頭のアヴァンタイトルを読み直すことをオススメする。本当なら全て再読した方が面白さが倍増しそうではあるけれど、実質600ページあるものを再読しろなどと、自分にも他人にも言えやしない。

ただ一度は読んでみた方が良い作品だとは言える。新しい素材は一切無いかもしれないが、それを重々承知したうえでも傑作だと思えたから。

物を創る人ならではの一品です。





飛浩隆Twitter http://twitter.com/Anna_Kaski
posted by lain at 22:00北海道 ☔小説