カビを育て過ぎた男が頼った”侍”とは?....

11月も半ばだというのに北海道に雪が降らない。

厳密には平地ではという話だが、エルニーニョの影響で異様に気温が高いのだ。お陰でストーブも朝必要になるかどうかである。

いつもならば秋を味わう間も無く雪が全てを覆い隠してしまうところだから、こんな秋も悪くないものの、代わりに雨が降るし、今降らない分の皺寄せが年末にドカっとやって来そうで楽観は出来ない。大雪で仕事が休みというだけなら願ってもないことだが、除雪はしなければならないわけで、大雪など本当に、ご勘弁願いたい。




それはそうと、ストーブと言えばここ数年湿気によるカビに悩まされている。下の階で使っているストーブに乗せられている薬缶が吐き出す水蒸気が、逃げ場所を求めて私の部屋へ殺到するのだ。湿気取りをいくら置いても間に合わず、放置しているうちにどんどんカビは酷くなっていった。

イメージ.tiff
※まっくろくろすけを潰したわけではない....



これは流石にまずいと、洗剤を付けた雑巾でゴシゴシ拭いても効果はなく、カビ取り製品を眺めるも、木製品への使用がNGと書かれたものばかり。こんな時はネットだなと知らべて見つけたのがこれだった。

イメージ.tiff
※木製品だけでなく、壁紙、畳、布等にも使えるとのこと


使い方はシュッシュッとスプレーを10吹き程度するだけ。拭き取りは一切必要ない。流石に一度だけでは今回の根が深いカビは落ち切らなかったものの、何度か繰り返し使用したところ結構カビが落ちた。かなり強力な除去剤だから当然木製の壁の色も一緒に落ちてしまうが、この際そんな粗末なことに構っていられなかった。前後の写真を見比べるまでもなく、カビが消えていくのを実感出来て、久々に良い買い物をした気分になった。

イメージ.tiff
※少し黒ずみは残っているが、やらないより遥かにマシな状態になった。



何処にでも売っているカビ取りでも、色落ちさえ気にしなければ同じ結果になったかもしれないが、あえて木製品のカビ落としにチャレンジしているこの商品には好感を持った。最近はあれもダメこれもダメと、決して”それ”に使えないわけではないのに、メーカーとして責任が持てないからと逃げ口上ばかりが先立っていて残念である。こういう風にも使えますが、こういったリスクもあるので注意して下さいくらいで商品を売って何が悪いのだろう?ぶっちゃけ、そこまで言われていて使いこなせなかったら、お客側の問題なのである。せっかくの売りをリスクを避ける為にアピールしないなんて本当に馬鹿馬鹿しい話じゃなかろうか?



薬はなるべく副作用が少ない方が良いが、副作用を受け入れてでも”効果”を期待したい時だってあるのだ。

もっとお客に選択をさせよう。

もっとお客に責任を持ってもらおう。

そういうの、実は今は凄く大事なんじゃないかと思った。




posted by lain at 09:38北海道 ☔雑記

後ろ髪引かれる点は、見事に表現出来ている気はする....「虐殺器官」伊藤計劃(著)/村瀬修功(監督)/ジェノスタジオ(制作)/感想

ここ数日、ニュースはアメリカの中間選挙一色だった。

中間選挙とは、4年の任期のうち2年経ったけど自分たちの選んだ大統領は実際どうよ?と問う選挙なわけだが、結果は予想通りトランプへの反発が根強いことを示すものになっており、下院を落とした苛立ちを隠せないトランプが、そのイライラを敵対するマスコミへぶつけている様子は不愉快極まりなかった。仮にも一国の主人である。敬意を払わない人間が相手であっても、言葉や表情を選んで相対するべきであるのに、トランプはそこいらのチンピラ同様のリアクションだ。そもそもそんな品のない大統領に、誰が敬意をもって接してくれるというのだろう?敬意や忠誠は強要するが、自らがそれに相応しい人間であろうとしない彼のことは一生好きになれそうにない。今のアメリカを見ていると、つくづくオバマという男の偉大さとアメリカ人の利己的な感覚の残念さを痛感してしまう。




アメリカを変えたのは911だ、と大勢が言う。僕のような素養のない男でもそうかもしれないと思わなくもない。だがしかし、他者への恐れを先制攻撃という形で表現し続けているのは今に始まったことではないだろう。”正義”という不埒な言葉で己の不徳を覆い隠す彼等は、建国以来根本的に変わってはいない。伊藤計劃が「虐殺器官」で描いたアメリカ像もまさしくそれで、自国民は余計なことを知らなくて良いのだと隠蔽を謀ったり、兵士から痛みや恐れを奪ったりしているのには、フィクションを超えたリアルがあるように思えてならない。






先進国が徹底した監視・管理社会へ舵を取ったことによりテロは激減するも、後進国での内紛や虐殺が横行するようになった今より少しだけ未来の時代。アメリカで特殊部隊に在籍する主人公”クラヴィス・シェパード”は、多発する武力衝突や虐殺が一人の男によって引き起こされたものであることを知らされ、その男を拘束するための作戦に参加させられるのだが、その男”ジョン・ポール”の真意に触れて苦悩していくというのが大筋なのだけど、兎に角主要人物がよく語る。原作を読んだ時は、それほど気にならなかったのに、映像になって声優が声をあてた途端、言葉が質量でも得たかのようにずっしりのし掛かってきた。少々自己陶酔という香辛料をかけ過ぎているところなど、なんだかんだ言って一冊目の作品だなと思ってしまう。

物書きとしての欲と、好きなものへの想いと、ままならない自身の身体への怒りが入り混じった本作はすこぶる歪で、映像にするとそれがまた違う表情を見せるものだから、観終わるとなんとも言えない気持ちになった。アニメ版の監督である村瀬修功さんは元々大好きな人で、その仕事には何も不満はない。当初制作を引き受けていたマングローブが倒れても、どうにかしてくれた村瀬さん達には感謝の気持ちしかない(戦闘シーンのBGMは微妙だったけど....w)。おそらく他の誰かが作っても、これ以上のものにはならないだろう。それは分かっている。でも、つい考えてしまったのだ。全盛期の押井守がこれを撮ったらどうだったか?と。原作に足りないもの、余計なもの、それらを監督が独断と偏見で補完する割合が、もっと大きくても良かったんじゃないかと愚考したからに他ならない。押井守に思春期を真っ黒に染め上げられた中年の、まさしく戯言なので悪しからず。






伊藤計劃さんを惜しいと感じる本当の理由は、僅かばかり遺された作品たちが素晴らしかったこと以上に、もっと凄い傑作を待望せざるえない『余地』を感じさせる人間だったからだと思っている。少なくとも彼は完全無欠の作品など遺さずに死んだ。僕らはまだ彼の最高傑作を目にしていないのである。

いつの日にか、AIが既存の作品を分析することにより著者のニュアンスを再現し、故人の完全新作本を作り上げる日が訪れ、伊藤計劃の新作が読めたりしたら最高だろう。

機械がSFを書く未来だなんて素敵でしょう?












関連過去記事

posted by lain at 06:59北海道 ☔アニメ

大泉ほどBARが似合わない男は居ない「探偵はBARにいる2 ~ススキノ大交差点~」大泉洋(主演)/感想

先々週に引き続き、先週も連休だった僕は、相も変わらず休みの有意義な過ごし方など全く分かっておらず、だらだらゲームをしていたかと思えば、YouTubeのなすがままに任せて”大泉洋”関連の動画を見続けた挙句、大した見たくもないのに「探偵はBARにいる2」を最後まで見てしまう(本当は1作目を見ようと思ったのだが、Amazonプライムでは何故か2しか無料ではなかったから)という暴挙に出ていた。




暴挙とは言え、まあ普通に観れる映画ではあった。大泉扮する探偵の友人だったゲイバーのホステスが殺され、その死の理由を調べているうちに大物二世議員の存在が浮上し、ヤクザから一般市民の有志まで巻き込んだ大騒動に発展してゆくという本筋もそうだが、兎に角人間関係が浪花節で分かり易いのが良いところだろう。他にも二世議員が抱える原発問題や、真犯人の殺しの理由の生々しさなどは、個人的にとても良いなと思ったが、根本的な部分に問題が有り過ぎてモヤモヤしてしまった。率直に言って大泉洋にハードボイルドは務まらないと思うのである.....

彼の持ち味であるコミカルさは、本作でも確かに活きているのだが、友人を殺されたのち尻軽女と来る日も来る日もセックスをしている描写があったり、常連客っぽい風情でBARにいる姿も滑稽過ぎて全然格好良くないのに、面白い風にも撮っていないのが凄く中途半端で引っかかった。基本的に大泉洋という男は中途半端に格好良いというか、格好良くあろうとするところがあるわけで、それを格好良いものとして撮ってはならないんじゃないかと思うのだ。

原作ありきの映画ではあるので、主人公のキャラをそれほど大きく変えられないのはあるかもしれないが、中途半端に生々しい大泉より、もっとコミカルさに特化した彼を僕は観たかった(大泉よりマイペースな松田龍平の方が面白かった)。「トリック」の堤幸彦さんのような演出でこそ、大泉は活きるに違いない。そもそもの人選ミスだろう。今年の冬に公開予定である「こんな夜更けにバナナかよ」の方が彼にぴったりな映画じゃなかろうか?






なんというか、僕の中のハードボルドは偏っていて、打海文三さんの作品に心酔しているから、コミカル過ぎるハードボイルドという存在を認められないのはあるような気がする。東直巳さんがどれほどの作家なのかも、読んだことがないので分からないが、少なくとも僕の心に刺さる作家さんではないのだろう。

どうせなら打海文三さんの作品を映像化して欲しいなどと思ってしまうが、どうせあの独特の空気感は映像に出来ないだろうし、やっぱしないで欲しいとも思った。



なんでも良いけど大物になったなぁ大泉よ........


posted by lain at 20:39北海道 ☔映画