アニメ版”銀河鉄道999”40周年おめでたう

今の子供たちにとって、"鉄道アニメ"と言えば「シンカリオン」だが、30代半ばから上のおじさん世代は「銀河鉄道999」に育てられた節がある。




機械の身体をした裕福な連中に母親を剥製にされた少年が、自らも機械の身体を手にするべく銀河超特急999号で銀河へ旅立ち、様々な人間たちの生き方に触れて成長していく物語だったわけだが、40周年を迎えたTVアニメ版を改めて観ると、なかなかにツッコミどころが多く、けして完全無欠な作品とは言い難かった。何せ雪の夜に集音器を使っていたような女性(メーテル)と直ぐ打ち解けてしまうし、地球を出る前に復讐しなきゃ気がすまんと、母親を殺した連中を壊して館に火を放ち、追っ手から逃れるように999へ乗り込むという主人公(鉄郎)だ。あの人懐っこい感じの顔からは想像つかないバイオレンス野郎である。

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よくよく考えると鉄郎の母親はメーテルとほぼ同じなわけで、そんな美女が何故子持ちの貧乏暮らしを選んだのか....

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子供ながらに”無期限てすげぇ!”って思ったものだった

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鉄郎よく見たらサイコパス顔かもしれん....





僕は原作をあまりちゃんと読んでいなかったため、今朝1巻をKindleで買って読むまで、これほど改変されているとは知らなかった。原作では直ぐ剥製にされている母親が、アニメ版では「後で丁寧に皮を剥いで剥製にしてやろう」などと機械伯爵は言っているし、伯爵たちを手にかけた罪で警察にも追われていない。ただ、より自然な流れで考えると、TVアニメ版の方が鉄郎の旅立ちを掘り下げているようには思えた。

何よりアニメ版は声優陣のメリハリが効いた演技が素晴らしく、主役である鉄郎の野沢雅子さんやメーテル役の池田昌子さんだけでなく、あっという間に出番を終える機械伯爵役”柴田秀勝”さんの渋い声が最高に好きだ。車掌としてでなく、モブ役として1話にこっそり出ていた肝付兼太さんの予告も実に染みる。アニメは絵が動くことだけでなく、キャラクターに声が付くのが魅力なのだと、今更のように感心してしまった。

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いくら永遠に近い命を得られたって、この姿でこの飲みっぷりは虚しいだろ.....




999は基本的に浪花節な展開だから、万人受けする作品ではあるものの、100話を超える話数のため、若い人に見て欲しいとは言い難い。

なんとなく興味があるのならば、”りんたろう”氏が監督を務めた劇場版2作品(銀河鉄道999、さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅)を観ることをお勧めする。特に「さよなら銀河鉄道999」は男の心を鷲掴みにする泣き所満載だ。EDのスタッフロールまで余すところなく泣ける....と思う。


この予告じゃ魅力が伝わらないと思う....



去年一足先に原作は40周年を迎えていた999。きっと100周年を祝う人も居るに違いないと、勝手に断言しておこう。

それまで僕も生きていたいものだ。機械の身体ではなく、生身の身体で.........




posted by lain at 20:24北海道 ☔アニメ

シ⚪︎ア「身体がもたん時が来ているのだ!」

昨夜は、ここ暫く好んで遊んできたタイトルのログインボーナスを手にすると、そっとゲーム機の電源をオフにした。日付が変わっても止めようとしなかった男としては大きな変化だ。

別に、そのゲームに飽きたからとか、地震の影響で不安定な電力への配慮で節電したというわけでもなく、もっと切実な問題に直面したからのゲーム自粛だった。ずばり”目眩・ふらつき“の伴う体調不良である....




原因は色々と思いついた(車の運転、仕事、ゲーム、老化...)ものの、とにかく問題は睡眠不足とストレスで、それを最も助長させているのはマルチ対戦ゲームではないか?と行き着いた。

「そのキャラ選びは違うだろ」

「なんで拠点抑えに来ないんだ」

「ヒーラー即ピックしたくせに回復そっちのけで攻撃とか意味わからん....」


などなど、ネットでのマルチ対戦は人間相手だから兎に角モヤモヤすることが多い。特にPTを一切組まない僕のような万年野良プレイヤーは意思の疎通が難しく、勝敗の浮き沈みが激しいためイライラが止まらない。泥沼にハマると、自制心を失い独りよがりなプレイへと走って、自ら使えないプレイヤーへと早変わりしてしまい、精神的なダメージもかなりのものだ。

そこまでして何故遊ぶのか、正直自分でもよく分からない。何十回、何百回と遊び、そのうちの1回でも2回でも気持ちよく勝てたら、また何十でも何百でも辛い勝負に耐えられるような気になってしまうのはあるかもしれない。ギャンブル依存と似たような症状なんだろう。



兎に角、重い病気かもしれないと疑ってしまうほど、身体がふらついていた(上を向いても下を向いても目が回るような感覚で、酷い時は寝返りをうっただけで頭の中が回っているようだった)ものだから、分かり易い原因から片付けてみることにしたのだった。昨夜マルチ対戦ゲームをやらず、イライラしないよう過ごし、風呂にゆっくり浸かって睡眠時間も増やしただけで、今日の体調はかなり良かった。相変わらずふらつきはあるものの、昨日に比べればなんてこともなかった。油断せず暫くはリラックス出来る時間を増やそうと考えている。

これまで息つく暇もなくやっていた仕事も、あえてひと呼吸ついてから次の作業へとりかかるようにしてみた。自分でも本当に信じたくないが、たかだか40歳でこれほど体にガタが来るものなんだなぁと思う。我慢強く生きてみたって、身体は正直で根性など役に立たない。老朽化していく身体に合わせて、OS(心)の方も更新して行かなければダメだと痛感する出来事だった.....





ゲームで心労を重ねている其処のアナタ。

たまにはコントローラーをおいて肩の力を抜くことをお勧めする.........🎮
posted by lain at 07:04北海道 ☔雑記

この作品は心の肥料みたいだった「人生フルーツ」ドキュメンタリー/感想

フィクションの娯楽映像作品は、どんな被写体であれフィルムを繋ぎ合わせ、盛り上がる音を当てるだけで幾らでもドラマをでっち上げられるが、なるべく客観的に撮ることを目指したドキュメンタリーにはそれが出来ない。だから、出来上がった映像に意味を見いだせるかどうかは、被写体とそれを観測する者次第だと言える。


すなわち一番最初の観測者であるカメラマンや音声さんの責任は重大だし、なにより編集の人の感性は大事。更にそれらをチェックするプロデューサーやディレクターの仕事も欠かせない。そういう意味において、本作は良いスタッフに恵まれていたように思う。プロの役者でもない人の生活から何か引き出したいと、ほんの些細な物にも注目して拾い上げる丹念な仕事っぷりは素晴らしかった。




国内外の都市計画(建物の配置や植樹の位置などを設計するお仕事)に携わっていた”津端修一”(90歳)さんと、その妻”英子”(87歳)の自給自足な生活に密着したドキュメンタリーで、老夫婦のゆったりと穏やかな日常が淡々と続く作品。

盛り上げよう感があったのは、自身が携わった台湾のニュータウンに招待されたシーンくらいで、後は秋の陽光が香って来そうな心地良いBGMと、樹木希林さんが繰り返し口にする『風が吹けば、枯葉が落ちる。枯葉が落ちれば、土が肥える。土が肥えれば、果実が実る。こつこつ、ゆっくり。人生、フルーツ。』というナレーション以外、撮影スタッフの声はしないし説明的なテロップもご主人のことで一度きり。こういう配慮に関しても唸るものがあった。ジブリの鈴木敏夫さんが自身のラジオでべた褒めしていたことがあったが、被写体である老夫婦の独特なスローライフはジブリ作品に通ずるもの(生活感もそうだが、ニュータウンの近くで自然を少しでも残していきたいという思いに「平成狸合戦ぽんぽこ」がよぎった)を感じたし、他人事にはできない年齢の鈴木さんであればなおのこと胸に届くなにかがあったに違いない。

同じく今まさに老後を迎えている人の目にはどう映るのだろうか?他人の手をなるべく借りず、やれることはなんでも自分たちでやり、しかも二人ならそれも楽しいと言わんばかりの姿を見せつけられて鬱に入るのか、それとも自分も頑張ろうとなるのか?どちらにせよ大いに感化されるのではなかろうか?....

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犯罪現場のマーキング状態の畑

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肥料に落ち葉を使う

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餅も自分でつき

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織り機まで使う

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津端さんの師アントニン・レーモンドさんの自邸に倣って建てた家は、頭上が広く開放的。




スローライフの良さを云々というより、生きることも死ぬことも分け隔てなく捉えた怪作と受け取る人もいるかもしれない。僕は老夫婦にほんわかさせられつつも、食生活や仕事に至るまで身の回りを豊かに出来ない未熟な自分を思い知らされ、心の何処かがチクリとした。

同じスタッフで同じように撮ったとしても、もう二度とこの味わいは出せないだろう。

ドキュメンタリーは被写体あってなんぼだなと、つくづく思った。

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公式サイト http://life-is-fruity.com
posted by lain at 13:16北海道 ☔映画