お別れまであと1冊......「ψの悲劇 The Tragedy of ψ」講談社/森博嗣

無料ゲームをやるようになって、どんどん読書量が落ちている私は、Gシリーズの新刊ですらようやく読み終えた。




Gシリーズは森博嗣さんのデビュー作である「すべてがFになる」から連なるサーガの一つで、所謂S&Mシリーズを引き継ぐような形で若い世代が事件に巻き込まれていく物だったわけですが、シリーズも終盤になって時系列が進み、今やWシリーズではないか?と言わんばかりのSF展開を迎え、執事が主人公の古典的なミステリーが始まったと思っていたら、今現在の科学レベルとウォーカロンと呼ばれる人工生命が当たり前に闊歩する未来との溝を埋めるものへ変化し個人的に凄く楽しめました。

流石にそろそろGシリーズとして扱うには無理があるような気もします。Wシリーズで過去話をやるなら、絶対本作がぴったりなことでしょう。初期のウォーカロンが抱えていたであろう想いと、それらを作り上げた人間達の狂気がとても印象的でしたから。ここまで遠い未来へ到達してしまった今、どのようにシリーズを纏め上げるつもりなのでしょう?もはやGシリーズとは言えないとか野暮なことは言いません(今言ってた)、天才に近づく喜びと恐怖の両方を存分に味わえればファンとしては万々歳です。

というか、後期三部作の前座である2作品の出来栄えを見る限りでは、絶対に最終巻も面白いでしょう。僕らは勝手に真賀田四季と森博嗣さんに弄ばれに行きます。





9月で足掛け14年目。「ωの悲劇」は読みたいかれど、次が最後かと思うと寂しさは否めません。

森さんのシリーズの繋げ方はサービス精神旺盛なので、思い入れのあるキャラが多すぎて別れが重いです.....







posted by lain at 07:22北海道 ☔小説

本当の意味での”まるちゃん“の中の人

昨夜、「ちびまる子ちゃん」の原作者である”さくらももこ”さんが亡くなったと聞いて、少なからずショックを受けた。

早期発見なら完治し易い乳癌が原因だったらしく、忙しかったのか自分の身体に頓着しなかったのか、いずれにせよなんとか出来たのではないか?と、惜しむ声は後を絶たない。




ここ10年ほどは、アニメ版をまるで観ていなかったものの、始まった当初はサザエさんより楽しみにしていた。個性の塊な登場人物は、誰も彼も魅力的で、妙なテンポ感や一度聴いたら真似したくなる口癖、落ち込んだとき顔に入る線であるとか、ナレーションの巧さや70年代に実在した人や物を織り交ぜていたことなど、隅々まで楽しめた。

TV放送から28年が経つ(2年ほど休んでいた時期はある)「ちびまる子ちゃん」は、まさに平成と歩んで来た作品であり、今回の訃報は平成生まれにとって相当悲しいニュースだろう。







富山敬さん、青野武さん、水谷優子さん、そして今度は原作者である”さくらももこ“さんまで失っても続く「ちびまる子ちゃん」

それが良いことなのか悪いことなのかは分からないが、作品が一人歩きするとは、つまりこういうことだということだけは痛いほど分かった。



兎にも角にもお疲れ様でした。

まるちゃんはもう少しだけ生きている連中に貸してやって下さい....



posted by lain at 06:58北海道 ☔雑記

米人も知らない場所「オザークへようこそ シーズン1」Netflix/海外ドラマ/感想

つい先日Netflixが値上げを発表した。

SD画質は150円、HDは250円、4Kは350円請求が増える。

これを機にやめる人もまあいるかもしれないが、日本参入から三年で初めての値上げの上、それでもまだ千円を切る(SD画質が800円)プランが存続しているから、個人的にはそれほど不満はない。それどころか今までが安過ぎたとさえ思った。

定額制だから、既存の大手(FOXやAXNなど)が抱えるコンテンツは若干時期がズレ込むものの、その代わりにNetflixオリジナルのドラマやドキュメンタリーやアニメが非常に多いため、Netflixを立ち上げるたび気になる番組を見つけてしまい延々と番組を渡り歩くなんてこともざらなほど中毒性がある。ユーザーの好みに合わせオススメを構成したり、OPやEDを飛ばしてサクサク次へ行けるのもそれを助長していると言えるだろう。これで倍速まで出来たら文句なしの配信サービスだ。



昨日も日曜の終わりになってから「オザークへようこそ」を見始めて危なかった。

ざっと説明するに、ファイナンシャル・アドバイザーなどと言う人様に金の使い方を御教授する職業のくせに、見た目も家も車も冴えない男が実はマネーロンダリングの片棒を担いでいて、相棒が欲を出したせいでカルテルに殺されそうになるも、オザークという場所で5年5億ドルの金を洗浄するからと懇願し生き延びるのだが、そう簡単にオザークでの仕事は進まないという話。

なんていうか、華のある役者はカルテルのボスだけで、非常に地味なメンツだし、資金洗浄などやっていた男の末路など本当ならどうでも良いのだけれど、場面構成が良くて非常に引き込まれるものがあるし、冴えない男のチキンな所に人間味を感じて行く末を放っておけなくなった。浮気はされるし、相棒のせいでカルテルに殺されそうになるし、娼婦が屯する路地裏に車を停め妄想をしながら自慰をするくらい許してやれよと思ってしまった.....






アメリカのドラマは心の弱さを赦したくなる作品ばかりで自分の身に沁みてくる。

8月31日にはシーズン2が始まってしまうし、しばらくは洗濯屋のドラマを見て過ごすことになりそうだ。


ちなみにここがオザークらしい.....
posted by lain at 06:57北海道 ☔雑記