大人・子供なんてこんなもんさ「ヒナまつり」及川啓(監督/大武政夫(原作)/feel.(制作)/感想

少子化が叫ばれるようになって久しく経つけれど、僕らは一向に解決策が見つけられない。

金がない、時間がない、愛がない、と、それらしい理由を口にし、結婚もしなければ子も成さない僕のような人間が少子化云々を語るのも烏滸がましい話だが、正直な気持ちとして自分が幸せと感じない社会に子供を送り出すのは無責任だと思う。”生まれてきて良かった”と思わせてあげられるだけの自信や覚悟が無いまま、自分と同じような悩みを抱えることになるであろう人間を増やす事に、なんの意味があるというのか?子を成すための”あの”行為が快楽に結び付いていることへの嫌悪も相俟って、よほどの出逢いが無ければ僕は結婚も子供も手にしないだろう。

でも、本作の子供達を見ていたら、そんな気持ちもあっさりグラつきだすから笑えてしまう。





見るからにチャラいヤクザの家へ、謎の物体に包まれたエスパー少女が現れ、行き掛かり上親子として同居を始めるという話なのだが、このエスパー少女の世間知らずな暴走に皆が振り回されるのが滑稽で非常に笑えた(空気を読まないという空気の読みかたが秀逸)。しかも意外に本質を捉えているのがなんとも言えず、小学生をバーテンダーとして覚醒させるとか、ホームレスにするなどして現実の社会じゃ絶対出来ない体当たりなお仕事体験を強いることで浮き彫りになったものが一つや二つじゃ無かったように思う。

子供達に苦労をさせ、ちゃらんぽらんに大人を描いていることで、少なからず目くじら立てる人もいるに違いないが、大人だからって大人ではないという事実と、大人も子供も互いに教わることが多いというのを、ちゃんとやっているから、決して子供を食い物にしているだけではないだろう。

ただ少女達はターミネーターのように全裸で未来からやってくるので、かなり放送上危険(海外放送大丈夫なの?)ではあった。自然と自分の子供かのように愛おしくなってしまう構造になっているため、下半身で彼女らを見るようなことは”ほぼ”無かった(マオちゃんは女性として見てましたo┐ペコリ )けれど、同世代(小学生)には僕にとっての“しずかちゃん”的なアレになってしまうのかもしれない....








作者の性癖と照れ隠しが絶妙にシェイキングされた良いカクテルだった。まだまだ味わい足りない。

本作のように肩肘張らず大人と子供が補い合う社会であれば、少しは生きるのがマシになりそうな気がした。

誰が得をするのかわからない政策にお金を払う暇があったら、ヒナまつりのような作品にお金を投入した方が少子化に効果的ですらあるかもしれない。

にしても、大人の苦労を知った良い子に癒されつつも、手が掛かって仕方ない子を望んでしまうヤクザの男の気持ちが痛いほど分かるアニメだった.........



三嶋さんもお疲れ様......
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posted by lain at 06:52北海道 ☔アニメ