森田童子というひとと、同じ時代を生きてみたかった

小さなお友達から、大きなお友達まで(大きいお友達の方が多いか)夢中になっていたE3の最中、森田童子さんが亡くなっていたとのニュースが流れた。


享年66歳。体調を崩し何度も病院の厄介になっていたそうで、心不全とのことだった。






いくら2003年に制作された続編で、もう一度楽曲が使われていると言っても、既に15年ほど経っているわけで、ドラマ「高校教師」の主題歌を歌っていた人だよと話しても、分かって貰えないかもしれないことにまず哀しくなった。90年代のTVドラマ全盛時代を知る者にとって、93年度版の「高校教師」は本当に特別な存在で、高校教師が女生徒と恋仲になるという単純な筋だけでなく、何故2人が恋仲になってしまったかという背景描写が実に重厚かつ詩的で、普通なら誰も応援しないはずの男女関係を、TVの前の皆は切実な想いでもって”成就してくれ”と見守っていたものである。


だが、あのドラマの結末が明るいものであったなら、誰の心にも残らなかったろう。心中同然で終わってゆくからこそ忘れ難かったのだ。そもそも原作者である野島伸司さんの作品は、兎に角陰湿で主役を幸福にする気などまるでない場合が多い。叶わないと心の何処かで分かっているのに、求め続けずにいられない者達の哀れな様ばかり描いている。そして僕は、そんな彼の脚本が大好きだった。高校教師以上にドロドロだった「人間・失格」、尾崎豊と言う人を本気で聴くきっかけとなった「この世の果て」、生きる意味を無くした2人の男が愛を問う「世紀末の詩」、どれもこれも未だに心の片隅に居座り続け、事あるごとに脳裏を過ぎる。もういっそトラウマでしかない。




で、尾崎豊を聴くきっかけになったと書いたが、野島作品は主題歌選びが兎に角毎回秀逸で、森田童子さんの「ぼくたちの失敗」も物凄くドラマにフィットしていたから当然大ヒットに繋がった。流行り廃りで語れない彼女の表現力は素晴らしく、ベストコレクションとして発売されたアルバムを聴きながら、絶対に替えが効かない歌手だなと思ったものである。僕が生まれる前の時代の歌が、年月を軽く飛び越える凄さたるや、なんとも言い難いものがある。叶うことなら森田童子さんと同じ時代を生きてみたかった....


高校教師で自曲がヒットした頃、既に森田童子さんは活動を休んでいたわけだが、今まさに不遇な扱いを受けているアーティストは、是非我が道を信じて歩み続けて欲しいなと思う。”売れた今こそもっと売ろう”ではなく、”やっと聴いてもらえるようになったから聴いてもらおう”という瞬間のために。


まあ、ヒットに合わせて活動するような方であったなら、これほど特別な存在になっていなかったのだけど.......









本当に惜しい人を亡くしたものである..................













posted by lain at 07:50北海道 ☔音楽