永遠の命題に挑む生命達「エイリアン: コヴェナント」リドリー・スコット(監督)/マイケル・ファスベンダー(主演)/感想

一体いつからそうなのか分からないけれど、共通の敵(侵略者)に対する団結を描く、もしくは扇動する作品が世界中至る場所で作られている。身近な人間とのいがみ合いを何百、何千何万と年月が過ぎ去ろうとやめられない我々には、どうしても隣人ではない第三勢力の脅威とやらが必要らしい。しかし、結局その第三者と戦わなければならないなら、平和な生き方には程遠いのではなかろうか?ISだの北朝鮮だのが暴走している今の時代、頓にそう考えずにいられない。




映画エイリアンシリーズが、同じように共通の敵であるエイリアンに対し人類が団結していく物語かと言えばそうではない(むしろ逆)し、エイリアンの強さそのものには物語の本質はない。生への絶望と渇望の揺れ動きにこそ本シリーズの真髄はあるように思う。自分で言っててよく分からなくなって来たが、要するに「いつか死ぬにしてもこんな死に方は嫌だ!」というメッセージが込められているのではないか?という話。女性主人公がなけなしの勇気をフル動員して勇ましく戦うのもそうだし、毎度登場するアンドロイドには"生きるとは?"という葛藤がある。今回はひときわアンドロイドの主人公感が強い、いや、間違いなくアンドロイドが主役だった。セックス依存症の男の哀れな姿を描いた「シェイム」で凄まじい演技を見せたマイケル・ファスベンダーが、またもガツンとやらかしている。




逆に、作品全体としてやっていることには何も驚きはない。プロットから撮影手法まで完全に使い古されたものだ。ところが、先が読めていても震撼せずにいられない闇がマイケルを中心に充満していたから最後まで緊張感を保って鑑賞することが出来た。かなり悪趣味ではあるけれど、エイリアンにはアンドロイドが居ないとねと、少しでも思う方には必見の価値があるだろう。




造られた者が、創ろうとする恐ろしくも哀しい物語として…







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posted by lain at 13:11北海道 ☔映画