我が青春のOVA1987 #9「トワイライトQ 迷宮物件 FILE538」押井守(監督)/近藤勝也(キャラデザ)/スタジオディーン/感想

サッカー日本代表!ロシアW杯出場決定おめでとう!!


などと、口にするのも憚られるほど、最近サッカーを見ていない。昨夜も家に帰るまで代表戦のことなど忘れいた。



昨日、思い出したかのように(実際思い出した)観た本作も、本当は8月28日に30年という節目を迎えており、もういっそ忘れたままでも良いかなとも考えたものの、押井守作品の中でも好きな部類に入る物であるから、スルーしきれなかった。

92D95E1C-730C-4B5B-817D-D2E4F764319E.pngFD33AA64-76DE-46DB-A7CE-B412DCA7E6DA.png
航空機が失踪する事件が相次いだ夏、1人の探偵がとあるアパートの一室に住むとある親子を調査するのだが....




生活感溢れる(汚い)部屋でソーメンをすすって暑い夏を乗り切っている親子(父と娘)と、TVの中でニュースを読み上げる男(千葉繁)以外にキャストはいないのだが、航空機が突然”錦鯉”に変貌し優雅に空をゆく導入部や、何が真実か分からなくなっていく、いつもの押井節が短い尺(短いからこそのテンポ感がある)の割に良い。親子と思われた2人の関係が、どうやらそうでは無さそうだぞ?となった後の手のひらの返し方や、謎の残し方が意外に古典的なホラーであるのも見所。

個人的には細かな演技付けが好きな作品だ。会話をほとんどしない親子の何気ないやりとりや、意味有り気に見えて意味が分からない仕草であるとか、無邪気で可愛いのに何者か分からない子供のわんぱく(死語)な様子だとか、近年の小綺麗な押井守作品では味わえない良さがこの時期の作品にはぎっしり詰まっているような気がした。

D8EB73B3-5E7D-4E34-BC63-1EB9DF348380.png
この顔を結構長く撮る辺りのセンスが大好きだ48867D72-79B5-45DC-AB0E-698C2964BCD5.png
鯉が口をパクパクさせるのを真似る少女。口をパクパクさせる理由が他にあるのでは無いか?と後々深読みしたくなる。
B67A297D-DF3B-40D3-A611-C765678639BA.png
202FB888-283C-4CE8-A5CC-82B3BFAFDBED.png
ジブリとは一味違う喰いっぷりEA69F5F4-FC09-43E3-9CD8-7DA82510A9DA.png
箸を上手に持てないのが微笑ましい



物事をすり替え現実と虚構の狭間へと観客を叩き落とす上手さにおいて、押井守以上の監督を僕は知らない。オタクに限らず、自分好みの"様式美"と言う物が誰にでもあるのではないかと思うけれど、僕にとってのそれは押井守節だったりするかもしれない。

17B44962-603F-4DD1-B59D-C9F2EC0F2400.pngCC1066EA-3310-4D1F-B71C-FEE3DB130867.png

D11408FC-A096-4EC5-AB50-4AD4FAB87A98.png

"らしい"美術や音楽も気分を盛り上げる



また迷宮物件のような泥臭い押井守作品が観たい。今なら「天使のたまご」の流れを組んだ作品でも絶対お客は付いてくると思う。つくづく当時のOVAという枠の自由さが今現在損なわれてしまったことが悔やまれる。



まあ、押井さん達の世代が好き勝手やりすぎて、予算の組み方が渋くなったというのもあるかもしれないかな......


バブル時代に仕事したかったな......






関連過去記事

我が青春のOVA1987 #8 「火の鳥 ヤマト編」手塚治虫(原作)/平田敏夫(監督)/感想: 無差別八方美人?


アニメのような実写のような、結局"押井守"は何処へ向かうのか?「ガルム・ウォーズ」押井守/Production I.G/感想: 無差別八方美人?

posted by lain at 07:14北海道 ☔アニメ