人を騙すにも礼儀ってのがあるらしい「ダマシ×ダマシ」森博嗣/講談社/感想

『結婚』

てなんだろうか?何度そう思ったかしれない。

心や身体の寂しさを埋めるため?それとも体面?

なんにせよ、僕は身内にろくな結婚した人が居ないから、相変わらず良いイメージは皆無だ。




その昔の結婚は、もっと義務的な意味合いが強く、今のように自由に結婚してあっさり離婚なんてことは稀だったようだし、相手選びも女性に不利だった。

ただ、男女に不公平があったからと言って、必ずしも当時の女性達が不幸だったかどうかは分からない。いくら自分から恋に落ちた相手と入籍出来たとしても、毎日のように一緒に過ごしていたら許せないことの一つや二つ見つかるし、いやいやながら結婚したとしても年月を経てば自然と情が湧くことだってざらだ。

うちの親は恋愛結婚ののち、毎日のように喧嘩(怒号、涙、無言)を繰り返して来たが、互いが昔ながらの体面を気にする性格だったため、離婚に至らず紆余曲折を経て丸く収まった。要するに、どんな出会いだったとしても、なんとかなる時は、なんとかなるのだ。



そんな、どう転んでも無傷では済まない結婚を悪用し、お小遣いを稼ぐ人達が世の中にはいる。あの手この手で上手く相手に取り入り、金銭等を手に入れたらドロンするあれだ。当然犯罪だから褒められたものではないけれど、コミニケーション能力に欠ける僕としては、たとえ大金のためとは言え、何日もかけて偽のストーリーを用意し相手を懐柔するためには努力を惜しまない詐欺師の忍耐力には見習うべきものがあるように思う。

よくもまあ長い間過ごしているのに、相手になんの情も湧かないまま(たとえ湧いても)金を持ち逃げ出来るものだと呆れてしまう。僕などは取られるほどのお金を持っていないからまだ良いが、団塊の世代辺りは伴侶を失い使い道の無い金が余っている人も多いだろうから、優しく接してくる人がいればコロっといってもおかしくはない。


今回完結したXシリーズの主役と言っていい”小川”さんは、常に報われない恋をしている女性で、結婚にはとんと縁がないどころか、気になる異性絡みの話になると程度の良い詐欺にあっていると言っても過言では無い状態に陥るのだけど、そんなちょっぴり残念な面までチャームポイントになっているから悩ましい。





これでXシリーズは完結で、ラストを飾る内容はというと、小川さんが務める探偵事務所へ、男に騙されたかもしれないという相談があり、調べてゆくうちに、その相談者である女性以外にも複数の女性が結婚詐欺にあっていることを掴むのだが、その詐欺師の男が無残な姿で発見されて、さあ誰が犯人だ!?という分かり易いものだった。犯人に関してもどんでん返しは無い。本作を単発で読んだ人には正直ピンとこないだろう。

結局のところ、馴染みのキャラのその後を楽しみたい人の方が得する内容ではある。のらりくらりと永田さんの気持ちから逃げていた真鍋くんが覚悟を決めたり、椙田さんが本気で雲隠れを決め込んだり、死んだ恋人の遺した物を小川さんが見つけたり、最後の最後で「あぁあの人たちか!」という種明かしがあったりと、これまでの作品に触れているか否かで読後感がまるで違うはず。

これまでの作品も読んで来た身としては、とても良い終わり方だと思った。森博嗣さんはスネに傷のある女性を書かせたら上手い。ほんのり残る切なさと希望でみんなを笑顔にしてくれる。なんだか無性にZOKUが読みたくなる。ロミ品川も最高のキャラなのですよ.......






もう何が書きたかったのか、自分で分からなくなってきた。

とりあえず椙田さんの裏稼業物の復活とかまだ見たいな...森先生...


何百万も払って甘い思い出を作るより、森博嗣さんの本に騙された方がよほど幸せを感じられるから.....








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posted by lain at 07:20北海道 ☔小説