2017年05月31日

♪BLAME!とSFは続くよ何処までも〜「BLAME! THE ANTHOLOGY」早川書房/感想

映画館での公開と同時にNetflixにて配信を開始するなど、何かと驚かせてくれたBLAME!ですが、上映館数が少ない割にTwitterでのつぶやき数ランキングは「美女と野獣」についで2位を獲得し、上映している映画館でも連続して1位になっているというから驚いた。


Twitterつぶやき数ランキング http://eiga.com/l/Q247T 



劇場版を観た者の1人としては、それくらいの反応があって当然の作品だろうという想いも確かにあるのだけれど、なんだかんだBLAME!は”知る人ぞ知る”作品という立ち位置だったわけで、シドニアの騎士がある程度ヒットした後だとしても、何処までお客が付いて来るのか半信半疑だった。まあなんにせよ喜ばしい話である。気が向いたら劇場版からシドニアとはまるで違う硬派さの原作漫画に入り、更にはSF界を牽引している5人の作家によるアンソロジーにまで是非到達して欲しいものだ。

それこそBLAME!の超構造物と化した階層都市を探索し続けるくらいの困難さがあるやもしれないけれど、それに見合った風景が味わえることだけは保証する。






BLAME!の世界観に触発された九岡望・小川一水・野崎まど・酉島伝法・飛浩隆の5人によるアンソロジーは、兎に角もう有り体に言って素晴らしかった。5人それぞれの個性的な解釈や肉付けでもって展開されるサイドストーリーを味わっていると、あまりの見事な解体っぷりに度肝を抜かれた。自作のプレッシャーから解放され、1人のファンとして生き生きと同人作業をしたような輝きがあったのだ。こんなに具体的なBLAME!を楽しめるのは本作ならではだろう。

本来ならば相入れない人間と珪素生物の共感を描く”九岡 望「はぐれ者のブルー」と”小川一水”さんの「破綻円盤 ―Disc Crash―」から始まり、少々BLAMEの味わいから離れているような気がしつつも最後にはそう来たかという独自の切り込み方に今の氏の勢いを感じた”野崎まど”の「乱暴な安全装置 -涙の接続者支援箱-」、そしてSFの泥沼に引き摺り込もうとする”酉島伝法”さんの「堕天の塔」と”飛 浩隆”さんの「射線」へと流れて行く構成には、徐々に慣らしてSFにハマらせようという早川書房の読者調教術の巧さを感じてしまった。

僕は特に「はぐれ者のブルー」のコンビが最高だと感じ、小川一水さんらしい性表現の切なさに魅了され、野崎まど氏のドSっぷりに口をあんぐり。最後には世界そのものになる『エアコン』の孤独を壮大な進化論で描く飛浩隆さんに脱帽する以外、為す術がなかった....





SFは実際の科学的検知に基づいて書かれることもあれば、作者の頭の中だけで作られたルールで表現される場合も多く、振り回されることを享受もしくは嬉々として求めるくらいの読み手でなければ楽しめない面もある。今回のアンソロジーにしても、 少々SFを齧ったことがある程度の人(僕みたいな人)では敷居が高いなと感じさせる作品もある。


 「分かる人だけ楽しめば良い」というのも分かる話だけれど、その結果入門すら不可能になるようなジャンルになってしまっては意味がない。これから先もライトな作品からディープな物まで幅広くSFが展開して行くと良いなと思う。



次は冲方丁さんのノベライズを読むとしよふ。







関連過去記事

俺は、ネット端末遺伝子を見つけた気がする「BLAME!」弐瓶勉(原作)/瀬下寛之(監督)/ポリゴン・ピクチュアズ(制作)/感想: 無差別八方美人?

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posted by lain at 07:20 | 北海道 ☔ | 小説 SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2017年05月29日

疲れないと言ったら嘘になる。でも.....

Rez Infiniteの新エリアXがやりたくてずっと手に入れたかったPSVR。

ようやく手にしてエリアXも遊べてしまった今、ちょっぴり気が抜けてしまった。





とりあえずRezの素晴らしさは置いておいて、PSVRの使い心地の話。

正直な感想を言えばVRヘッドセットはあまり装着具合が良くない。ぴったりフィットさせて使用することが前提のため、頭が大きめだと若干苦しいし、ピントが合う部分を探して装着する必要性もあるから人によっては視界がぼやけてばかりになる。僕もあまりピントが上手く合わせられず結構目が疲れてしまった。目と目の間の設定を調整することで、それらが緩和される可能性もあるけれど、僕は調整してもあまり効果を感じなかった。自分のベストなヘッドセットの装着方法を模索する旅はもう少し続きそう。

ちなみに没入感を高めるためにイヤホンやヘッドホンの使用が望ましいわけだけど、個人的にはイヤホンの方が楽だった。それでなくともヘッドセットの重みがあるのにヘッドホンまで頭に乗せるのもあれだし、耳の位置にヘッドホンのスピーカーがあるとヘッドセットをベストの位置に移動出来ない弱点もある。ピントの面で苦労していない方なら音質をとってヘッドホンの方が良いだろうから一概には言えないけれど。

少々ハード面に癖があるPSVRだが、コンテンツそのものは中年の萎びた感性を刺激する物でいっぱいだった。もうかれこれ15年以上前のソフトでありながら、このソフトのために生まれたのでは無いか?(PSVRが)と思えてしまうほどVRとの相性が良かったRez Infiniteの素晴らしいプレイ感覚もそうだし、短いながらも提供されているVR向けの無料コンテンツの数々も今度の可能性を大いに期待させる物になっていた。昔は遊園地やゲームセンターで体感ゲームを味わったものだけど、いよいよ自宅で仮想空間を体感出来るのが当たり前になるのだと思うと感慨深い。コントローラーだけではなく、椅子までゲームとリンクして動く周辺機器が一般向けに発売されるのも遠く無いだろう。



脳神経へ直接刺激を与え擬似的な物を感じさせる技術がまだ娯楽として使えない以上、現状のVRほど僕らを別世界に連れていってくれる存在は今の所無いだろう。つい出来心でDMMが無料で配信していたVR向けのアダルト動画を少しだけ見た時も、あぁ....これは俺たちを存分に駄目にしてくれる素晴らしい機械だ.....と、思ってしまった......

そんな一面も含め、何かと刺激的な時間を提供してくれそうなPSVR。今後の改良やコンテンツに大いに期待したい。

PS4 Proだと更に綺麗な映像で楽しめるということで、更に財布の紐が緩みそうなのは少し不安.........






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タグ:PsVR ソニー
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posted by lain at 06:42 | 北海道 ☔ | ゲーム PS4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2017年05月28日

大人を子供に戻してくれる夢のマシンを手に入れた

いつもなら孫のイベントは欠かさず見に行く父の都合が付かなかったのか、運転手ついでにお前も来いと家族に懇願され、初めて自分が参加しない運動会に行くことになったものの、雨で翌日に(要するに今日)延期。

基本引き篭もりだから、それはそれで気が楽だったわけだけど、お出掛けスイッチが入ったままだった僕は、せっかくだからPSVRを店頭に探しに行ってみようという気になった。訪れたのは地元で一番多いゲーム関連のお店GEO。そこに無ければ他所も大して期待出来ないだろうと思っていた。

あいにくの雨の中、特に期待もせず車を運転し駐車場に到着すると、店の入り口から青い大きなビニール袋を両手で持った女の子とお母さんの二人連れが笑顔で出て来た。間違いない。あれはPSVRだ。そう気づいた瞬間ドキリとした。駐車場を早歩き。「まだあるかな?」と期待と不安でどきどきは止まらない。

店に入り直ぐ目に飛び込んで来たのは、新品あります!というGEOお馴染みの在庫確認札だった。十分に在庫があるというのに、急いで手に取りたい気持ちを抑え、じっくり周辺を観察。そうだ、光る棒も忘れてはならないと思いつく。満を辞してディスプレイ用のケースを手に取りレジへと進む。会計中も冷静さを装っていたが、まるで始めて自分のお金でゲームを買った時のように全然余裕が無く、緊張と嬉しさで胸がいっぱいだった。

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あっという間に自宅に着くと、直ぐ様開封してセッティングを始めた。新しい機械に張り付いた保護用シールを剥がすのは実に気持ち良かったし、思っていた以上にPSVRの配線が多いことすらなんだか楽しかった。デジタルの最先端な商品に、アナログさを感じて落ち着くだなんて可笑しな話だけど、ごつい配線で繋がったVRヘッドセットはSF世界のアイテムそのもので男ならわくわくせずに居られないだろう。

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これまで何度となくネットで先着販売や抽選販売に泣かされて来たから、再入荷日に休めたことは本当に良かったと思う。人口密集地ではまだまだ手に入り難いそうだから、微妙に田舎な我が町に感謝したい。これでしばらくソニーへの恨み言をTwitterで吐かなくて済みそうだ。

使い勝手についてはまた明日。そろそろ延期になった運動会に行かねばならないから....
タグ:PsVR ソニー
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posted by lain at 06:40 | 北海道 ☔ | ゲーム PS4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする